どんぐり

台風の後

道のシラカシを見上げたら

どんぐりが沢山ついているのが見えた

そんなことが嬉しいのは私だけだろうか

子供のころ

ドングリの木は種名だと思っていた

家には庭からもりへ入ってすぐのところに

大きなドングリの木があって

縁側から見ると真正面に位置した

主役ではあるけれど

森の端にある椎の木にはかなわなかった

なぜなら椎の実は食べられるけど

ドングリはそのままでは食べられないから

その知識が

私が初めて植物に関して区別する知識を得たときかもしれない

大人になってやっと

ドングリにはいろいろな種類があると知った

ならば子どもの頃家にあったドングリの木は何だったのか

と振り返るけれど

もう葉の種類など関心がなかったので

区別することはできない

すくなくともシラカシではなかったような

ドングリの実に

父がつかわなくなったレコード針を刺して

駒にして遊んでいた

そういっても

どんなレコード針か

今の人には想像もつかないことだろう