枕カバー

2013-06-07 21:42:22 | お宝
京都で少し時間が空いたとき
勇気を出して電話してみた

聞こえてきたメッセージは
大体予想していたものなのに
否定したい気持ちが強かった
「現在この番号は使われておりません」
私はその番号を
もう二十年以上そらで覚えていた

タクシードライバーGさんには
書きつくせないほどお世話になった
最後に会ったのは七年前だったか
げっそり痩せて
行き先を何度も間違えて
別れ際にお菓子を買ってもたせようとしたのを
振り切って
新しい連絡先を聞かれても
教えずに発ってきた

私はこれから
Gさんとのトレースを探すことになる
もらったプレゼントは全部捨てた

と思っていたら
意外なところに残っていた

私が病院の検査結果を聞くのを不安がっていたとき
今熊野観音で買ってくれた枕カバー
頭の病気じゃないのに
なんでこんなのくれるのよと
        
いつも枕カバーのその中に使ってきた
        

Gさんのことは
いずれ書いてまとめなければならない