水炊き

2012-12-18 00:15:33 | 美食
春からの福岡の植生調査を
ずっと手伝ってくださったサチコさん
一度も水炊きにはお連れしてなかった

子供の頃には足を踏み入れたことのない清川辺り
昭和元年の建築という料亭で
        

ここのは水炊きというより
スープ炊き
料理より何より

女将が素晴らしかった
結い上げた髪
抜きすぎない襟と合わせすぎない胸元
着物と帯と帯締め
いいえそんなことではなく
出過ぎない支配しすぎない
客にどうでもしてしまわれそうな
でも自分がしっかりとある
フランス人に見せたい女性

仲居のきみこさんも感じがよかった
自分のことは話さない私がつい
喋り出してしまう自然な明るさ

店は建物でも料理でもなく人なのだ
また来たい店

九州では沢山素敵な女性に会った

七月に南蛮漬けを買った
高宮のお魚屋さん
いつの間にかサチコさんも毎回買うようになって
前に出て動いて説明するおばちゃんと
中から時々合いの手を入れるおばちゃんがいて

その時ふと昔の光景が浮かんだ
ここから道を挟んで西にマーケットがあった頃
幼児の私は母について買い物に来ていた
その中のお魚屋さんには威勢のいい若いお姉さんが二人いた
私はままごとでそのお魚屋さんを真似していた

そしておばちゃんたちの顔をよく見たとき
あーーーーっ
「もしかして、あそこでお魚屋さんをなさっていた」
「そうよ、もう五十年以上。テレビも取材に来る」
わーーーーっ
子供心に怖いとまで思う男勝りのお姉さんだった
        

お元気で何よりです
また来ますからね