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惜別・交通科学博物館(3)

2014-04-09 | 博物館・保存施設等

先日50年以上に及ぶ永年の歴史に幕を下ろした大阪・弁天町の「交通科学博物館」、展示車両の数々だけでなく屋内展示も相当なものの、じっくり見学するのであれば丸1日費やしても…と感じるレベルで、先月の訪問時は開館から2時間強の滞在でしたが、それでも駆け足で回った程度と感じたものでした。


車両展示は屋外だけでなく、屋内でも新幹線0系数両をはじめ、車両の一部分のみを展示した「カットボディ」も幾つも存在しているのですが、展示車両は国鉄~JR系の車両だけに限らず、中には海外のケーブルカーという一風変わった車両も存在します。

交通科学博物館では単に鉄道車両を収蔵・展示するだけでなく、実際の運行に関わる仕組みなどを説明する展示なども多数存在し、中には自動改札機や列車の発車案内装置の展示などもあったのですが、この展示物も設置当初は時代の状況に即したものだったと思いますが、現代では自動改札機や発車案内装置自体も何世代も前の旧式、実用に供されているものはまず見かけない骨董品と化しています。


今後京都に移転・リニューアルした暁には、体験型の展示を充実させる旨も発表されていますが、この骨董品と化した自動改札機や列車発車案内装置なども、最新鋭のモノと並べる事で進化過程を示す1アイテムとして活用されるのか気になる所です。

交通科学博物館はJR系の施設ながらも、館内では在阪5大手私鉄(近鉄・京阪・南海・阪急・阪神)や大阪市交通局(市営地下鉄など)といった鉄道に関して取り上げたコーナーもあり、自社や系列だけにとらわれず地域の鉄道に関して幅広く取り扱うという観点でも、この手の展示は好感を感じたもので、京都に移転・リニューアルオープンした暁にも、この種の展示が継続され、出来ることなら更に発展した形で行われれば…と感じたものです。

 
また「交通科学博物館」と名乗っているだけに、鉄道が主体ながらもそれ以外の交通機関に関しても様々な展示物などが見受けられ、国鉄ハイウェイバスでかつて用いられていた車両の実車展示などは、バスファンの一人としても注目と感じたものでした。

このバスはタイヤを少しだけ浮かせた状態で展示されていたのも気になり、左側が壁に迫る形での展示であるが故に、俗に公式側とも言われる前面と車両左側全体を写した写真が綺麗に撮影できない状況だったのは少々惜しいと感じたものです。


館内で公開されている屋外保存鉄道車両の大半などと同様に、車内へ立ち入っての見学などはできない状況での展示でしたが、外部からも若干ながら車内の様子を伺う事ができ、現代のバスに比べれば大幅な見劣りは否めませんが、年代なども考慮すれば設備面ではそこそこのレベルを誇る車両と感じたものです。


車内に設置された幕式の運賃表示器などは、今や電光表示式の運賃表示器すらLCDモニターへの切り替えが進んでいる状況では、見かける機会も極めて少なくなっており、MAKIKYUも先月この運賃表示器とよく似た運賃表示器を用いている路線バスに乗車した際には、乗務員の方に断りを入れて運賃表示器を撮影した程でした。
(余談ながらこの路線バスでは、車内放送も音声合成装置ではなくテープによる放送となっており、この点も今ではかなり貴重な部類かと思います)


路線バス以外にクラシックカーの展示などもあり、今日では見かける機会も少ない車両が何台も・・・という状況でした。
(中にはMAKIKYUの勤務先でも似たような車が…という車両も目撃しているのですが…)


それ以外の車両でも、数年前に旅行先某所で比較的良く似た形状の車を多数目撃していますので、場所によっては特に珍しい存在ではなく、中には「これはウチの車と同じ…」などと感じ、わざわざ展示・収蔵対象にする程では…という方も居られるかもしれません。

かつて東京の神田にあった「交通科学博物館」がさいたまに移転し、「鉄道博物館」としてリニューアルした際には、鉄道系以外の展示物は倉庫保管の様な状態で陳列・収蔵され、あまり活用されていないと感じるものも多いのが現状ですが、「京都鉄道博物館」では大幅に充実させる事を謳っている鉄道系展示物だけでなく、鉄道系以外の展示物をどの様に取り扱うのかにも注目したいと感じたものでした。