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遂に見納め・JR学園都市線の一般型気動車群

2012-10-26 | 鉄道[北海道]

今月MAKIKYUが北の大地・北海道へ足を運んだ際には、学園都市線と呼ばれる愛称が付けられ、6月に電化した札沼線札幌周辺(桑園~石狩当別間:電化区間はその一駅先の北海道医療大学まで)にも乗車する機会がありました。

6月の電化時には、7割程度の列車が気動車から電車に置き換わったものの、一部列車は電化以前から用いられ、電車並みの設備と性能を誇るキハ201系気動車が充当され、所用車両数の関係でそれ以外の一般型気動車(以下一般型気動車群と記します)も、ダイヤ改正前日となる今日まで暫定的に使用されています。

学園都市線の一般型気動車群は、主に多数の車両が必要となる朝ラッシュ時間帯から昼頃にかけて運用され、他に夕方に1往復の運用が存在しています。

MAKIKYUが札幌駅から学園都市線を利用した際には、丁度夕方1往復の一般型気動車群充当列車に当たり、同線札幌近郊における気動車列車の最後の乗り納めには絶好の機会でした。

学園都市線の列車は最大6両編成で運転され、今時日本国内の優等列車を除く気動車列車では異例の長編成、それも一応都市圏輸送の一端を担うだけに、札幌市内では大半の区間が複線化され、その最大運行本数は1時間で指の数を…という気動車運行路線では破格の輸送量を誇っています。

この非電化路線では破格の輸送量を誇る事が、車両の老朽取替え時期に差し掛かった事とも重なって電化に繋がった訳ですが、MAKIKYUが乗車した一般型気動車群列車はラッシュ時間帯ではない事もあってか、やや短い3両編成でした。

それでもデータイムの札幌圏における普通列車では標準的な両数で、札幌圏を除く道内各地で走っている気動車使用のローカル列車に比べれば長編成の部類に入り、一般型気動車でワンマン運転対応車ではない事も、道内では少数派の部類に入ります。

 
ちなみに乗車した列車は、学園都市線名物とも言えるPDC化改造(客車→気動車化)車のキハ141形(キハ141+キハ142)の2両に、ありふれた存在の様な雰囲気ながらも実は少数派・道内仕様キハ48形の3両編成で、どちらも道内他線では見られない強烈な個性を持った車両です。


外観は元が客車でストレートな断面のキハ141形と、すそ絞りの大柄な断面のキハ48形では大きく異なり、非常に不揃いな印象を受けるものです。


車内に足を踏み入れると、こちらもまた個性的なもので、キハ141形ではセミクロスシート配置ながらも2+1列配置で通路幅を確保しており、デッキ空間も広めに確保されている事は、都市圏の通勤輸送で用いられる車両らしい所ですが、デッキなし3扉のロングシート通勤型電車や、これに準ずるキハ201形気動車などに比べると、長閑で「列車」の雰囲気を感じます。


キハ48形は一度急行用に格上げ改造され、エンジン換装や冷房化改造と共に特急並みの座席を装備し、急行「宗谷」などで用いていた車両を、同列車の特急化・新型車両導入と共に再改造し、通勤輸送用にデッキなしオールロングシート車としたもので、ドア付近に座席を設けていない空間があるなど、キハ141形以上に通勤輸送を意識した雰囲気があります。

PDC化気動車は下回りなどが比較的新しく、中間に付随車(キサハ144)を組み込んだ冷房車のキハ143形は、明日以降キサハを抜いた2両編成で、苫小牧地区で再活躍する事になりますが、キハ141形は下回りの古さに加え、非冷房車で2両以上でないと運用できない車両という事もあって、道内他地区での再活躍はない様です。

とはいえ一部はJR東日本が購入する事を発表しており、SLに牽引されながらも、牽引力を補うために自前の動力も…という異例の運行形態で再活躍する様ですが、通勤輸送用車両が観光向け列車として再出発するに当り、何処まで手が加えられるのか注目したいものです。

またキハ48形は短編成での運用が多い道内において、まして都市圏用のオールロングシートでは、ローカル輸送では非常に使い難い車両で、ワンマン化されていない事等も踏まえると、そのままでは転用も厳しく、退役を余儀なくされるかと思いますが、道内の一般型気動車では少数派の冷房車です。

エンジン未換装のキハ40形も多数活躍している中で、学園都市線で活躍しているキハ40・48形はエンジンも換装済みですので、ワンマン対応装備や一部座席の取替え(クロスシートは旭川地区で大量に余剰品が発生していると思いますので、その気になれば確保は容易な気もします)などを行い、他路線で再活躍できないのか気になる所です。

様々な形態の車両で編成が構成される編成の多様さ、そして他に類を見ない比較的長編成での高頻度運行という一般型気動車群の姿も遂に見納めです。

学園都市線はダイヤ改正以降、所要時間短縮や増発で利便性は向上する反面、趣味的な面白さと言う点ではやや面白みが…という印象がありますが、客車改造気動車の運用がそれなりに成功した稀有な事例でもあり、道内他路線とは大きく趣が異なる一般型気動車群が活躍していた事を、記憶の片隅に留めておきたいものです。



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2 コメント

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さらば、札沼線のキハよ。 (6994)
2012-11-04 21:47:45
 札幌市内に身を置いていたこともあり、キハ141、142などの気動車群には通勤や通学でお世話になりました。通称PDCと呼ばれるグループは51形客車を種車に改造されたもので、ロングシートの拡大や一部ボックスの1列化が施されました。ただまだこの当時、冷涼な北海道では、近郊型気動車には冷房設置は見送られました。99年度に札沼線札幌市内の一部が高架化されると、窓を開けた時のエンジン音の反響がすさまじくなり、特に桑園~札幌間で車掌が札幌からの接続列車を案内放送しているのが、ノイズにかき消されて全く聞こえないほどだったのが印象的でした。1994年に冷房車であるキハ143形が登場しましたが、すでに将来の転用を見据えていたのか最高速度が110km/hに設定されており、今回室蘭本線にコンバートされたのも、駅間距離が比較的長い区間で711系電車程度の性能が発揮できるやもという点が買われたのでしょう。将来的には711系が残存している函館本線岩見沢~旭川間でも、札沼線電化で余剰となったディーゼルカーを転用し、ワンマン化しても構わないと思います。
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現時点でもある程度は… (MAKIKYU)
2012-11-07 13:14:06
6994様こんにちは。

711系が走っていた室蘭本線苫小牧以西は、最近になって運用がキハ143形に置き換えられ、当該区間を走る電車は僅か5往復程度の特急すずらん号と、その間合いの東室蘭~室蘭間普通電車のみと言う有様です。

多大な設備維持費用なども考えると、多くの閑散線区を抱え、酷寒地故に特殊な設備を要する事も影響して、懐具合も…というJR北海道が、この区間の電化設備を維持する必要がどれだけあるのか気になる所で、気動車もキハ183系に関しては余剰気味である事を踏まえると、今後特急すずらん号にも動きが出てこないのか気になります。

また今でも711系が主力を占めている函館本線岩見沢以北は、特急スーパーカムイ号が多数運行している状況を踏まえると、電化設備維持は必須かと思いますが、この区間の普通列車は現状でも1~2両ワンマン気動車が混在していますね。

朝晩の札幌~滝川直通列車(夕方~夜の札幌発と、朝の滝川発)は、721系などによる電車運行を継続した方が…と思います。

ただそれ以外の711系充当列車は、この車両を充当するお陰でワンマン運転ができず、非冷房車も混在する事を考えると、気動車による全面置き換えが行われても不思議でない気がしますが、既存気動車には非冷房車も多数存在しますので、キハ40形非冷房車で711系冷房車が運用される電車の運用を置き換えるとなれば問題ありと言う気がします。

とはいえ札沼線で使用していたキハ40・48形ロングシート車(元急行用)にボックス席とワンマン設備を装備した車両でも充当すれば、特段の問題は生じないかと思いますので、こちらも今後何らかの動きが出てこないのか気になる所です。

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