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JR九州・特急「海幸山幸」号車内の様子~座れれば快適なものの座席数は…

2010-03-04 | 鉄道[九州・JR]

先月「MAKIKYUのページ」でも取り上げたJR九州の特急「海幸山幸」号ですが、今日は同列車で用いられているキハ125形400番台の車内の様子を取り上げたいと思います。

MAKIKYUは残念ながら高千穂鉄道で「トロッコ神楽」号として活躍していた時代に乗車した事はありませんので、「海幸山幸」号用への改造前と現在の様子を比較する事は叶いませんが、外観に劣らず車内も随分手が入れられている様です。

運転席周りを見ると、最近のローカル気動車の典型と言える半室運転台などは、運転席脇にワンマン列車でお馴染みの運賃箱が設置されていないのが不思議に感じてしまう雰囲気すらありますが、JRで現在優等列車用として活躍する車両では他に類がなく、元が第3セクター鉄道の車両ならではと言えます。
(過去の事例であれば、急行ながら北海道の「礼文」号で用いられたキハ54形などがありますが…)

 
「山幸」の南郷方と「海幸」の宮崎方(各方面行きで先頭になる部分)には、次停車駅表示装置も取り付けられており、逆側は某デザイナーが手がけた列車では御馴染みともいえる暖簾が設置されています。

次停車駅表示装置は各停車駅が並べられている中で該当1駅部分が点灯するだけの単純なモノで、これならLEDによる文字表示装置かLCDモニターでも設置した方が良いのでは…と感じてしまったものです。

客室は木材を多用した内装や随所に見られるロゴ・英文字、フリースペースや物品陳列棚の設定など、最近JR九州をはじめ、幾つかの鉄道会社で某デザイナーが最近改装した車両で良く見られる特徴の典型で、「海幸山幸」では「山幸」「海幸」の2両それぞれで車内座席モケットなどの色彩を異なるもの(赤系/青系)としているのも特徴です。

  
キハ125形400番台は車体幅が狭い事もあって、普通車にも関わらず座席を横2+1列の配置(日南線では2人掛けが海側)としているのも特徴で、座席自体は特急普通車の標準レベルとはいえ、座れればかなり快適なものです。

しかしながらこの座席配置に加え、車内随所にフリースペースなどを設け、その上「山幸」には車椅子対応型トイレまで設置したお陰で、2両合わせても座席は51席しかなく、運行当初の指定席1両・自由席1両では指定席がなかなか取れない状況となった程です。

そのため急遽指定席を増やした結果、今度は自由席が僅か9席しかない異例の事態になると共に、同一号車内に指定/自由席が混在する事になったため、背もたれのカバーは「指定席」「自由席」と印刷されたものを用いる状況です。

それでも指定席は相変わらず確保し難い状況が続いており、宮崎地区の駅では1ヶ月先までの「海幸山幸」運行日の空席状況を記したボードを見かけた程ですが、これもMAKIKYUが見た際には殆どが残席数0か1桁という状況でした。

MAKIKYUも乗車希望日が当初満席だったものの、後にキャンセル(或いは乗車変更)が発生して僅かに空席が発生し、急遽手配に動いて宮崎へ出向く事が確定した程でした。

また車内は「海幸」「山幸」の2両共に南郷方にフリースペースを確保しており、山側はロングシート形態の座席(定員外)を設置し、座席の形態が2両それぞれで異なる辺りはデザイナーの遊び心も感じられます。

  
しかしながら実態は僅か9席しかない自由席に座れなかった自由席利用者(大半は敢えて自由席を利用しているのではなく、指定席が確保できずに止む無く自由席を利用しているかと思います)の着席場所になっているのは皮肉なものです。

「海幸山幸」号の自由席特急料金は比較的割安とはいえ、特別料金を払って乗車する優等列車の座席にしては…と感じるもので、これなら車両をもう1両増やせれば最も理想的ですが、種車の経緯などを踏まえると、同種車両を増やすのは叶わない話です。

「海幸山幸」号の盛況振りが今後も続くのであれば、座席の横4列化によるグレードダウンは論外として、物理的に併結可能なキハ125形などの一般型気動車改造によってもう1両増結するのも1つの方法として考えられます。

とはいえこれも列車のネーミングや雰囲気の面では課題が残りますので、サービスカウンターを設置している「山幸」の方は厳しいにしろ、「海幸」の南郷方にあるフリースペース(陳列棚&ロングシート)をリクライニングシートに変更し、若干ながらも座席定員数を増やしても…と感じたものです。

「海幸山幸」は様々な面で異色ずくめの特急列車になっており、座席数が少ない難点はあるものの、わざわざ遠く日南線まで出向いて乗車するだけの甲斐があったと感じたもので、日南線の活性化にも大きく貢献するものと思います。

MAKIKYUも宮崎を訪問する機会があれば再び乗車しても…と思いますが、今後もほぼ現状維持で推移するのか、大きな動きが生じてくるのかも気になる所です。



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