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JR北海道 733系電車~幾分「マシ」と感じる新型通勤型電車

2012-10-29 | 鉄道[北海道]

今月MAKIKYUが北の大地・北海道へ足を運んだ際には、6月の札沼線札幌周辺区間(通称学園都市線:桑園~北海道医療大学間)の電化にあわせて導入された新型の通勤型電車・733系にも初めて乗車する機会がありました。

この電車は一世代前の通勤型電車で、札幌圏の普通・区間快速列車の主力となっている731系電車をベースに、時代の流れに合わせた改良を加えた車両で、学園都市線に限らず、札幌圏の電車運用区間全般で運用されています。

片開き3扉デッキなし、収容力重視のオールロングシートで、先頭車前面は特徴的なスタイルの高運転台を採用しており、余り音が聞こえない(防音性に長けている?)電動車や、内側が黄色く塗られた客ドアなども、731系の特徴を踏襲しています。

 
ただ731系とは異なり、731系とほぼ同スタイルで性能的にも近似の通勤型気動車・キハ201系との併結による電車・気動車協調運転には対応していない様で、3両編成単独での運転、もしくは711系を除く各種一般型電車3両と併結した6両編成で運用されています。

行先・種別表示がようやくLED化された事と、ステンレス車体ながらもビードが廃された事などが、731系とは異なる特徴と言えますが、731系導入当時でも既にこの様な仕様の電車は他地域で導入されていた事などを踏まえると、最初から733系レベルの車両を製造できなかったものなのか…と感じてしまいます。


JR北海道の一般型電車ではようやく本格採用となったLEDも、今頃3色LEDでの導入は…と感じ、客室内に足を踏み入れても、次駅や行先の案内はLCDモニターではなく、ドア上に設置されたLED文字案内でのなっている辺りは、最新車両ではなく一世代前の車両と錯覚しそうになります。

とはいえ曲線走行時の車体傾斜を行わない為に、車体断面が台形ではなくなった事で、外見が少し見栄えする様になっただけでなく、車内空間も731系に比べて広く感じられる様になったのは大きな改善点で、客ドア部分のステップ廃止と合わせ、大きく評価できる所です。

座席も通勤型電車だけあって、相変わらず収容力重視のオールロングシートながらも、片持ち式で詰め物の厚みが増しており、731系では中途半端な感が否めなかったドア付近の座り心地が悪い折り畳み式座席も廃されるなど、「某社レンズ付きフィルムによく似た名称」で呼ばれる事が首都圏JRの標準車両において、先代より新鋭車が幾分改善されているのと同レベルの改善が見受けられます。


また内装も731系は「某社レンズ付きフィルムによく似た名称で呼ばれる事が多い電車」を意識したとしか思えない安っぽい雰囲気の天井板や、薄暗く酷寒の地には相応しくない印象を受ける座席モケットなどが、幾分見栄えする様になった事は評価できる点で、座席モケットに関しては今後731系においても、取替えの動きが出てこないのか気になる所です。

この733系は気動車(キハ201系)との協調運転が出来ない事と、車椅子対応トイレの空間拡大で、隣接車両からの移動時に通路が狭まり、少々圧迫感を感じる点を除けば、ほぼ全ての面で731系と同等かそれ以上の車両に感じられるのは評価できる所です。

とはいえ快速エアポートをはじめ、普通・区間快速列車での充当も多い転換式クロスシートを装備した721系電車に比べると、1時間以上の長時間乗車になれば、座席や内装などの設備は大きな格差を感じてしまい、空いている時に733系と721系を併結した6両編成が来た時などは、個人的には多少古くても721系の方が…と感じてしまいます。

札幌圏の普通・快速系電車は、旧式の711系とキハ201系気動車併結列車、指定席(uシート)連結列車を除けば、運用上はある程度の互換性があり、列車によっては日によって充当車両が…という事もあります。

また函館本線の札幌を跨いで運転する列車は、札幌を境に東西どちらかだけを快速運転する運転形態をとっており、札幌を跨ぐ郊外相互間の流動に対する配慮という点では…と感じてしまいます。

設備的にはデッキ付き転換式クロスシートの721系の方が、長時間乗車には優位な反面、混雑時のデッキなどは相当悲惨な状況になりますので、733系や731系の様なデッキなしオールロングシートの通勤型電車と721系を上手く使い分けて欲しいものです。

快速系や長距離運行列車(苫小牧行きなど)には主に721系を充当し、一方で手稲や江別などの近距離区間を運行する普通列車には、主に乗降性に優れた通勤型電車を充当するなどの配慮が欲しいもので、特に札幌から小樽・岩見沢・苫小牧などは高速バス(座席定員制:整理券方式運賃後払い)が頻発し、これらの区間の運賃面ではJRが不利な状況に陥っているだけに、今後運用改善の動きが見られないのかも気になる所です。



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2 コメント

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確かに近代的とは言えませんね (6994)
2012-11-04 21:10:46
 733系には夏に、北海道&東日本パスで乗ってきました。仰る通りロングシートながら車内が、幾分明るい緑色系の座席になり、掛け心地も近年硬くなりがちであることを踏まえれば、上出来です。しかしながら、この時期の車両としては3色LED表示はあまりに質素で、首都圏ではフルカラーLEDが怒涛の勢いで普及していることを考えると、やや時代遅れの間が否めません。ドア上がLCDでないのも10年代生まれの電車としては物足りなさを覚えます。札幌地区の区間快速「いしかりライナー」は通過区間が2パターンあり煩雑なので、フルカラーLEDを用いて種別表示の色を変えて、乗り間違いを防ぐ努力をして欲しかったです。さらに、今年は札沼線も電化されたので運用車両が函館本線や千歳線と混用されることもあり、やはり「学園都市線」の列車であることをアピールできる工夫が求められるのではないでしょうか。これは3色LEDの問題のみならず、731系以降気になっていた全面表示器の狭い顔立ちからの脱却ができていないのが残念でした。さすがに九州のベンチ座席電車のようにしてくれとは申しませんが・・・(笑)。
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ご指摘の通りで… (MAKIKYU)
2012-11-07 12:49:21
6994様こんにちは。

733系に関しては概ねご指摘通りで、先代の731系に比べれば上出来と言えるものの、3色LEDの行先表示や車内LED文字案内などはやや時代遅れと感じるのは同感です。

ただ札幌圏の電車運行は、首都圏や関西などに比べると遥かに単純明快で、函館本線の区間快速「いしかりライナー」の停車駅パターンをもう少し分かりやすくする(札幌を挟んで一方だけを快速運転するのではなく、基本的に手稲~江別間を快速運転化)すれば、さほど込み入った案内を行う必然性が乏しい気がしますので、コスト低減を兼ねて最小限の装備に留めたのでは…とも感じています。

札沼線では気動車時代、非冷房車も混在していた事などを考えると、静かで空調完備、加減速性能も優れた電車で所用時間短縮・運転本数も増えるとなると、それだけでも大きなサービス向上と言えます。

とはいえ733系は設備面では通勤電車同然のオールロングシート、内装も比較的質素な印象を受けるなど、721系に比べれば見劣りは否めず、苫小牧など遠方へ足を伸ばす運用を設定するのであれば、せめて一部車両にボックス席を設定する程度の配慮は欲しい気がします。
(ロングシート車の利点を活用し、足の短い普通列車に特化する使い方であれば、悪くない車両なのかもしれませんが…)
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