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JHフェリー・オレンジ1号(1)~済州島へ向かう高速フェリー

2014-11-11 | 船舶[海外関連]

先日「MAKIKYUのページ」では、長興(Jangheung)郡の老力(Noryeok)港へ向かう郡内バスに関して取り上げましたが、MAKIKYUが6月にこの郡内バスに乗車して老力港へ到着した後は、ここから発着するフェリーに乗船したものでした。


老力港は全羅南道の田舎町・長興郡の中でも、中心部から郡内バスで1時間強を要する街外れですので、周囲は海とフェリーのターミナルを除くと、何もないと言っても過言ではない所です。

そのため地元の人間を除くと、非常に足を運び難い所で、観光で訪問する外国人の単独行動ともなれば尚更です。

フェリーターミナル内は充実しているという程ではないものの、乗船券売場以外に売店や軽食コーナーなどもありますので、郡内バスや無料シャトルバスと、フェリーの乗継時間に腹を満たす程度の事は可能です。


ちなみにこの老力港を発着する旅客航路は、JHフェリーという事業者が運行する「オレンジ1号」というフェリーで、済州(Jeju)島の城山(Seongsan)港へ向けて運航しています。

「オレンジ1号」と言う名称や、オレンジを連想させる装いは、韓国の中では温暖な気候を生かし、オレンジの生産で有名な済州島へ向かう船らしいと感じます。


車両航走も行っているものの、航行速度は最高で50km/hを超える高速航行を行っていますので、スタイルも一般的なフェリーとは随分異なり、車両積載対応の超大型双胴高速船とも言えます。

日本で現在就航している高速フェリーは、熊本~島原間を結ぶ熊本フェリーがあり、MAKIKYUはこの航路にも一度だけ乗船した事がありますが、見た目は何となくこのフェリーにも似ている様に感じたものでした。

ただJHフェリーの「オレンジ1号」はオーストラリアのIncat製で、熊本フェリーで使用している高速フェリーとは別タイプ、以前大きな話題になったものの、燃費の高さなどが災いして海外売却されてしまった青函航路の「ナッチャンrera」や、その姉妹船の「ナッチャンworld」などと同種のフェリーです。

「ナッチャンworld」などに比べると、「オレンジ1号」の方が船体はやや小さいものの、それでも4000t以上・全長80m超を誇り、来年佐渡汽船が導入を発表している直江津~小木航路向けの高速フェリー新船も、オレンジ1号と似た様な外観・大きさの船となります。

韓国ではシーワールド高速フェリーが、海南(Haenam)から済州へ向かう航路で使用している高速フェリーとは別タイプですが、韓一高速フェリーが莞島~済州間で使用している高速フェリーも同種で、他にも世界各地で同種の高速フェリーが多数就航しています。
(Incat社HPでも、世界各地の船会社で活躍する同社製高速フェリーを紹介しており、興味のある方はこちらをクリックして下さい)

この「オレンジ1号」は高速フェリーならではの高速航行を行い、長興・老力港~済州島・城山間を2時間20分で結んでおり、運賃は日本円相当額で片道4000円弱、一般のフェリーよりもやや高めに設定された運賃は、韓国の物価を考えると少々高めな気もします。

また高速フェリー故に所要時間が短い事もあり、訪問前は遠い離島と感じた済州島も、韓国本土からは意外に近いと感じたものでした。

しかし本土側が辺鄙な老力港発着と言うだけでなく、済州側の発着港も済州市中心部から自家用車や市外バスを利用し、1時間はかかる城山港ですので、少々マイナーなルートと言っても過言ではありません。

そのため済州市中心部に用がある場合などには、やや使い難い航路ですが、城山には済州島内にある観光地の中でも、特に有名なスポットの一つとなっている「城山日出峯(Seongsan-Ilchulbong)」などもありますので、城山を絡めた済州島周遊旅行の足としても、JHフェリーの利用価値は大きいと感じたものでした。

このJHフェリーに関しては、近日中に船内の様子などを取り上げた続編記事も公開したいと思います。



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