以前「MAKIKYUのページ」では日本国内や韓国で使用されている自動改札機に関して取り上げた事がありますが、今日はその続編として中国(中華人民共和国)の鉄道で使用されている自動改札機に関して少々取り上げたいと思います。
中国は広大な国で人口も12億人を超える程の大国で、国鉄(中国鉄路)の路線は日本のJRとは比べ物にならない程の路線長を誇っていますが、国鉄はほぼ長距離輸送に特化しており、人海戦術を得意とする国柄だけあって自動改札機の導入・運用もこれから(自動改札機の機械だけ設置してあり、まだ使われていない姿は時折目にします)といった所です。
また都市鉄道の発達もまだこれからという感があり、一部の例外(東北地方で満州国時代から走っている路面電車など)を除くと現在運行している地鉄(地下鉄)や軽軌(日本の路面電車の様なモノもありますが、この言葉は都市鉄道全般を指す意味で使われ、郊外へ向かう電車やモノレールなども軽軌と呼ばれます)は比較的近年になって運行開始した路線ばかりという状況ですが、こちらは比較的新しい路線が大半を占める事もあって、運行開始当初から自動改札機を導入した路線が大半を占めています。
そのため今回取り上げる自動改札機は皆都市鉄道で用いられているものばかりで、写真は1枚目から順に重慶軽軌(モノレール)、上海地鉄、南京地鉄、天津地鉄、そして香港のKCR(九廣鐵路・参考)で用いられている自動改札機です。
中国の都市鉄道は日本の都市鉄道の様に様々な線区が繋がっている訳ではなく、1~数路線程度のネットワークとなっている事や、比較的近年になって営業開始した路線が多い事(今回取り上げている大陸本土の4都市は、天津を除き90年代以降に営業開始しており、天津地鉄も近年長期の運休を伴う設備更新で新線同様の状況です)もあって、大陸本土の自動改札機を導入している線区では再利用可能なカードタイプの乗車券(接触式と非接触式の双方が存在)や、韓国などでも流行していて同様に乗車券に再利用可能なICチップ入りトークンなどを用いている事例が殆ど(どちらも券面に乗車駅や運賃などの情報記載はなし)という事もあって、乗車券も非接触式(IC)で統一されている路線が多い事から、乗車券投入口は出場時の回収用のみとなっている機械が多い事も特徴です。
また自動改札機自体も中には日本製(北京13号線で使われていた日本信号製新型機:現在は使用中止の模様)もあるものの、殆どは日本では見かけないタイプの機種で、これも写真の重慶や上海などで用いられているターンバー付きと、南京や天津などで用いられているターンバーなしに分けられ、良く見るとどれも形状が異なっていますので、色々なタイプがしている事が分かるかと思います。
また今後も都市鉄道の延伸や新規開業が相次ぐことは確実で、それに伴って自動改札機も多数導入される事になり、利用者の立場からすればターンバーなしの方が有難いですが、今後中国の都市鉄道においてどの様なタイプが主流を占めていくのかも気になる所です。