MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

中国鉄路乗車記:4419次

2006-08-15 | 鉄道[中華人民共和国]

  

(この記事は乗車日に合わせた過去ログ投稿です)

8月15日、この日MAKIKYUは北京に滞在していましたが、天津に地下鉄が開通し、これに乗車したいという事で天津へ向かう事に。

北京~天津間は「神州号」と呼ばれる、この2都市間をダイレクトに結ぶ城際列車(特快)が10往復程度運行され、この列車には両端にディーゼル機関車を配した専用の2階建て車両が使用されており、乗車券の購入は当日でも容易ですが、この列車には以前に一度乗車しており、これとは違った列車を…という事で乗車する事になったのが4419次です。

4419次は北京站を940に出発し、終点の唐山には1349に到着する「普快」(日本では快速辺りに相当)で、中国では比較的短距離の部類に入るローカル列車です。

この列車の乗車券は当日の9時過ぎに北京站の乗車券売り場で購入、中国語の話せないMAKIKYUは当然メモを渡してという事になりますが、発車時間が近いにも関わらずあっさりと購入です。

ちなみに購入した乗車券は北京→天津北の空調軟座で21元、これは4419次は天津站を通過してしまうので天津北站までの購入となり、また旧型車両(緑色:新空調でない車両)の軟座にMAKIKYUはまだ乗車した事が無く乗車する機会も少ない上に、今回の旅行ではまだ硬座以外の車両には乗車していないという事もあって、敢えて軟座の乗車券を購入です。

乗車券を購入した後は、北京站始発列車で発車まで30分も無い事もあってか站構内に入ると既に検票(改札)が開始されており、そのままホームへ。

ホームには既に列車は入線しており、まず最初に最後尾へ向かいましたが、MAKIKYUが乗車する軟座車は17号車に連結されているRW25B 110552の1両のみ、そしてその後ろに1両行李(荷物)車が連結されています。

これらを確認した後は、北京站のホームが頭端式で、最後尾は各ホームが行き来できるので、ここで停車中の機関車などを数枚撮影した後、今度は列車の最前部へ。

この4419次は行季車も含めて18両の客車が連なり、これは中国ではごく一般的な編成ですが、16号車から前は全て硬座車、それも改修された車両とはいえ全て非空調・緑色の旧型客車YZ22形なので、なかなかインパクトがあり、中国鉄路の玄人の方々からは感嘆の声が上がりそうな編成ですが、軟座車だけ別形式の車両というのは惜しまれそうです。

そして先頭にはディーゼル機関車が連結されていますが、車号を良く見るとDF4D 0001、偶然にもトップナンバーの機関車で、ローカル列車に華を添える様な感じでした。

列車の先頭を視察した後はまた最後尾近くの軟座車に戻り、ようやく乗車しますが、入口を入ってすぐの指定された005号席は服務員が使用しており、「後ろへ行け」と合図するので車内後方へ。

日本ではこんな事はまず考えられない話ですがこちらでは当たり前の様で、また005号席はMAKIKYUが好まない進行方向と逆向きの座席という事もあり、後ろの方の空席へ。

この列車の軟座は1両しか連結されていないにも関わらず、発車直前でも容易に買えるだけあってあまり人気は無く、発車の時点でも軟座車内には十数名、それも半分位は服務員や乗警(鉄道警察)といった状況で、定員80名の客車に乗客は下手すると1桁…という有様でした。

ちなみにこの軟座車ですが、車内は通路を挟んで両側に2人掛けのボックス席が並び、グレードは日本の普通列車並といった所ですが、人で溢れるこの国ではとにかく人を詰め込む為の硬座車が多数運行されており、これと比べるとかなり上等な部類に入り、乗車券に「空調軟座」と表記されている通りこの車両は空調も効いています。

ただ新型車両ではないので新空調料金は適用されず、料金的にほぼ同程度の新空調硬座に比べると乗り得な感じで、またこの列車の様に硬座車に非空調車が使用されている列車では、空調付きというだけでも軟座車に乗車する価値はある気もしますが、日頃乗務されている方々はこの事を熟知されて軟座車に居られる様で、この車両は服務員の控車を増収対策の為に一般乗客に開放しているといっても過言ではないかもしれません。

列車は北京站を出発するとしばらくして北京南站を通過、ここは新装開業に向けて現在は閉鎖されており、派手に工事している姿が目に付きます。

北京南站を過ぎてしばらくすると最初の停車站・豊台で、この辺りは配線が非常に込み合っている所で、特快などでは通過してしまうのであっという間ですが、この4419次の様なローカル列車だと様子をゆっくりと観察する事ができます。

豊台を過ぎて少々走ると、北京の街中を抜けて列車は快調に飛ばしますが、北京~天津間をノンストップで掛けていく特快の様な優等列車は停車しない站にも幾つか停車し、途中の廊坊では瀋陽北行き特快と貨物列車、その先の揚村では天津行き特快(神州号)の通過待ちを行い、優等列車では味わえないローカル列車ならではのんびりとした旅が楽しめます。

揚村を過ぎ北京から2時間程走ると列車は天津北站へ、ここは天津の街外れといった感じの所ですが、4419次は天津站には停車しないのでMAKIKYUはここで下車、站はあまり大きくないですが、一応特快も一部は停車する站です。

ちなみに4419次は天津北を出た後も、天津の臨海部を経て終点の唐山を目指し、幾つかの站に止まって行きますので、唐山へ行く際や、天津の市内から臨海部へ向かう軽軌乗車へ行かれる際などにも活用できる列車です。

MAKIKYUは天津北站で下車した後、903路の路線バス(1.5元)を利用して西北角站(天津西站の一つ南側)へ行き晴れて天津地鉄乗車となりましたので、地鉄利用の際はこの站からでも問題ありませんが、あまりアクセスの良い站ではありませんので、利用される際は注意が必要で、天津は初めてで中国にも慣れていないという方には少々厳しいかもしれません。

ただ北京→天津へ行かれる際にこの4419次を利用すると、利用機会が少ないと思われる天津北站を視察でき、また軟座でも21元と特快の硬座より安く(この列車の硬座は更に安いです)、それでいて軟座はそこそこ快適なので、時間に余裕があって既に神州号にも乗車した事が…という方にはオススメの列車です。

ちなみにMAKIKYUは天津→北京の帰路はポピュラーな城際特快・神州号を利用しましたが、こちらは早くて分かり易く、中国鉄路初心者でも難なく乗車できる列車である反面、硬座でも25元かかり、また両都市間をノンストップで走ってしまうので、4419次の様なローカル列車に比べると旅の印象も薄い感じがします。
(この列車の旅行記は割愛させて頂きます)

北京~天津間の列車は名物の2階建て車両を用いた神州号を利用するのも良いかと思いますが、時には(特に往復される場合)4419次の様なローカル列車に乗車されるのも如何でしょうか?
(北京~天津間のローカル列車は、今回取り上げた4419次以外にも数本運行されていますので、興味のある方は時刻表などで研究されると良いかと思います)


写真は4419次列車(北京站にて)とその車内(軟座車)、サボです。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。