「MAKIKYUのページ」では時折、韓国の首都・ソウルを走る地下鉄や相互直通運転を行っているKORAIL(韓国鉄道)の首都圏電鉄に関して取り上げており、その中でも最も歴史があり(それでも30年少々ですが…)、路線長や車両のバラエティが最も豊富な1号線と、その直通路線を走るKORAIL車両に関しては何度も取り上げていますが、今日はソウルメトロ(旧ソウル特別市地下鉄公社)に所属するVVVFインバーター制御車・(新)1000系について取り上げたいと思います。
この車両は現在もKORAIL1000系(1号線系統で使用されている抵抗制御車)と同仕様で色違いの車両が現在も走っていますので、形式名は便宜的に(新)を付けさせて頂きましたが、直流電化のソウルメトロと、交流電化の首都圏電鉄に跨って運行される事もあって、1号線系統で運行されているKORAIL車両(最近は交流専用車も出ている様ですが…)と同様に地下鉄車両では異例の交直両用車となっており、そのためパンタグラフ回りが随分派手な感じになっています。
車体はKORAILの5000系(通称:インバーター)をはじめ、90年代にソウル近郊の幾つかの路線で登場した他形式とほぼ同等のステンレス製で、日本の西武6000系ともデザイン的にはよく似ていますが、下回りのVVVFインバーターに三菱製を使用している事もあって、塗装や社名表記だけでなく走行音もKORAIL車と異なり、東京の都営三田線6300系初期車や関西の阪神5500系(通称ニュージェット:MAKIKYUは勝手に白胴と呼んでいます)などによく似たものになっている事は魅力的に感じられます。
(MAKIKYUが三菱GTOの音が好きという事もありますが…)
また車内も以前はプラスチック製の如何にも安っぽい感じが否めなかった内装が、近年進められた難燃化改造によって随分改善され、これに伴って座席も交換されていますが、座席はKORAIL車は硬いもののバケットタイプの生地が張られたものに交換されたのに対し、こちらはステンレス製に改悪されていますので、長距離の乗車には厳しいものがあります。
ただソウルメトロ車両は1号線から仁川Incheon方面へ向かう京仁電鉄線や水原Suwon方面へ向かう京釜電鉄線、そして1号線の北側・議政府Uijeonbu方面へ向かう京元電鉄線へ乗り入れる列車で使用されるものの、京釜電鉄線へ乗り入れる列車は水原の2つ南にある餅店Byeonjeomまでの列車に限られ、首都圏電鉄の中でも特に乗車時間の長い天安Cheonan(ソウルから100km近く離れています)へ向かう列車には運用されないのは幸いです。
写真は以前袴井Geumjeong駅で撮影したKORAIL線内へ乗り入れた(新)1000系・前面にはハングルで「SEO UL 地 下 鉄」という表記が出ていますが、現在「地下鉄」の部分は組織変更に伴って「メ ト ロ」に改められています。