先日「MAKIKYUのページ」では、仙台~新庄間を走る観光列車「リゾートみのり」号に関して取り上げましたが、MAKIKYUが先月この列車には新庄からの上り列車に乗車し、それまでの時間が結構ある事から、幾つかの寄り道をしており、その一つとして奥羽本線(山形線)の米沢駅から出ている米坂(Yonesaka)線にも一部区間を乗車する機会がありました。
米坂線は名前の通り、米沢と日本海側の羽越本線に接続する新潟県の坂町を結ぶ路線で、山形・新潟の県境を跨ぐ同線は単線・非電化の典型的なローカル線で冬場は豪雪に見舞われる山間地域を走り、MAKIKYUが先日米坂線に乗車した際も、除雪の為に一部区間が計画運休(代行バス輸送)となる列車が存在する程でした。
路線条件が影響してしてか、比較的最近まで2エンジンという事で旧式のキハ58形やキハ52形といった気動車が活躍していた事でも有名で、この様な車両を用いているが故にワンマン運転も実施されないなど、旧態依然とした国鉄ローカル線の雰囲気が色濃い状況でした。
しかしながら老朽気動車をいつまでも使い続けるわけには行かず、昨年春のダイヤ改正で新系列気動車への車両取替えと、ワンマン運転(JR東日本では極一部の列車に限定してのワンマン運転を行う路線が多いですが、米坂線では大半の列車が対象となっています)の実施という大刷新が行われています。
米坂線大刷新に伴う新系列気動車は、新潟地区配属の既存キハ110系列も用いられるとはいえ、これだけでは所用数が不足する事から、キハE120形と呼ばれる新鋭気動車が導入され、米坂線大刷新が行われる少し前の一昨年秋頃から新潟地区で走り始めており、MAKIKYUは先日同形に初めて乗車する事になりました。
この車両は水郡線に導入された新型気動車・キハE130系列と殆ど変わらず、同形との構造上の違いは客扉数(キハE130系列は3扉・キハE120形は2扉)と、これに伴う座席数や配列の違い程度で、現段階ではキハE130系列とは異なり、単行運転可能な両運転台車のみが存在します。
車内の様相なども外観と同様、キハE130系列とほぼ同じですので、キハE130系列同様の黄色く塗られた客ドアを除くと、最近のJR東日本新鋭車両の典型といった雰囲気が漂っており、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」に乗り慣れたMAKIKYUとしては、余り目新しさはないと感じたものです。
しかしながら水郡線のキハE130形に負けない派手な装いと、側面中央付近にあるロゴが、米坂線をはじめとする新潟地区用の新型車である事を強くPRしており、水郡線のキハE130系列と同様にキハ110系列との併結も可能で、水郡線では車両入れ替え時に一時的に見られただけの異車種併結が頻繁に見られる点も、新系列ながら見ていて面白みを感じるもので、MAKIKYUがキハE120形に乗車した際も、キハ110形と併結した2両編成でした。
またほぼ同様の車体を持つ両運転台の新型気動車でも、小海線を走るハイブリッド気動車・キハE200形(実態は発電エンジン搭載を搭載し、非電化区間自力走行可能な集電装置なし電車いった方が良い車両です)はキハE120形の様な扉配置ながら、キハE130系列やキハE120形とは異なり、ローカル線向けワンマン運転用気動車では一般的な片開き扉となっていますので、車両端に2つの両開き扉という形態は独特です。
同種の事例は特殊用途の改造車(JR九州のキハ220形「なのはなDX」指定席車)を除くと、他にはJR西日本の姫新線用新型気動車・キハ127系列程度で、今後この手のローカル用車両が各地で増殖するのかも気になる所です。
ただJR東日本では構造上多客線区での乗降性に難があり、混雑時間帯における列車遅延が常態化して問題となってキハ110系列が他線区転出となった水郡線以外にも、3扉の気動車が走っても良さそうな路線が幾つもあるだけに、この形式を増備するのであれば、むしろキハE131・132形の増備→キハ110系列の捻出の方が、老朽気動車の取替えには有用と感じるだけに、今後キハE120形の増備が行われるのか、それとも少数派に留まるのかも気になる所です。
それにしてもキハE120系という形式は、「E」を外してしまえばJR各社の中でも貧相の極みと言っても過言ではない車両(運行路線やその運行形態が、尚更問題ありなのですが…)と同形式になってしまい、紛らわしい事この上ない形式名ですので、形式付番も何とかならないかと感じるのはMAKIKYUだけでしょうか?
(キハE130系列は現役のJR他社車両との番号重複はないにしろ、キハE200形も同様で、「200」の方は結構好印象な車両だけにまだしも、「120」というのは余り好印象を持てない事から尚更です)
ちなみにこの記事中で触れてい水郡線用の新型気動車キハE130形、キハE131・132形と、小海線用ハイブリッド気動車キハE200形に関しては、以前取り上げた記事がありますので、これらの車両がどんな車両?と思われた方は、こちらの記事も併せてご覧下さい。
(各形式名をクリックすると、該当記事にリンクします)
キハE120形は3扉のキハE130形はおろか、米坂線で同形と共に活躍するキハ110形よりもボックス数が多い事は、確かに注目点の1つと言えますね。
またJR東日本では、過去にキハ110系列を運用して乗降性の悪さ故に運行遅延を招いた水郡線以外にも、3扉車の運用が妥当と感じるキハ110系列運用線区が幾つかありますので、キハE120形を増備する位ならば、むしろキハE131・132形増備→キハ110系列の玉突き転配を期待したいものです。
それとご指摘の通り八戸線をはじめ、JR東日本では幾つかの線区で未だに非冷房の気動車が残存しており、これらは早急な置き換えを望みたいものです。
(さすがに今頃になってエンジン換装すら行っていない旧式車両に、冷房改造を行う可能性は低いと思いますので…)
ただ個人的にはこれらの淘汰に直接新形式を導入するよりは、国鉄型と新系列が混在する新潟や小牛田に新車導入(或いはキハ110系列導入の他線区にキハE131・132形を導入して110系列を捻出)し、これらの地域の車両で互換性を持たせ、それ以外の線区にキハ40系列の冷房改造車を回した方が良いのでは…と感じています。
北にも キハ130 が居て キハE130 と紛らわしいですね。
あと八戸線には キハE130-500番台 が導入されましたね。
JR東日本は自社導入車両に「E」を冠すれば他社との形式番号調整が不要という考えがあるのか、キハだけに限らず「721」などの電車における同種事例も存在しますね。
運行管理上特に問題がなく、また一般客からの混同を招く事もないのであれば、これも一つの方法なのかもしれませんが、形式番号が被る車両を運行しているJR他社はどう捉えているのかも気になる所です。
また八戸線はキハ40系列の非冷房車がゴロゴロしていた時期には何度か乗車していますが、車両代替後はまだ足を運んでいませんので、機会があればその内再訪問し、キハE130系500番台にも乗車&ブログ記事化もできれば…と思います。