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中国・東北地方で活躍するキャブオーバーバス

2012-10-13 | バス[中華人民共和国]

MAKIKYUが7月に中国を訪問した際には、訪問各都市で地鉄や有軌電車(路面電車)などの軌道系交通機関をはじめ、市内公交汽車(路線バス)にも多数乗車しています。

最近BRT(快速公交)や有軌電車(路面電車)の記事を取り上げた大連でも、BRT乗車の後に軽軌(郊外電車)の駅へ向かうために、一般の公交汽車にも乗車しているのですが、その際にやって来たバスは、今や日本や韓国の大型や中型の路線バスではまず見られないキャブオーバーバス(エンジンが車体前部に装備されており、ボンネットバスのボンネット部分まで客室を延長し、この部分に運転席が存在するタイプ)でした。


近年北京や上海などでは、この手のバスは見る機会も随分減っていますが、大連ではまだまだ多数活躍しており、中国で前後扉配置の公交汽車となると、大抵はキャブオーバーバスになります。

それでも最近良く見かけるキャブオーバーバスは、外観はそこそこ近代的な印象の車両も多く、車内にある銘板を見ると、2004年製造などの標記が見られますので、一応21世紀に入ってから製造されたバスが主流を占めている状況です。

そのため日本の地方都市で、多数活躍する大都市圏中古の路線バスなどに比べると、年式的には新しい部類に入るのですが、中国東北地方では最新のワンステップバスでもまだ非冷房車が主流を占める状況ですので、当然ながらこの手のバスに空調を期待するのは無理な話です。
(日本でもMAKIKYUの知人の中には、非空調の路線バスに頻繁に乗務している者が居り、夏場は…と言っていますが、こんな事例は日本国内に限ればかなり少数派かと思います)


居住性は日本では観光用などで僅かに活躍する程度のボンネットバスレベル、その上座席はプラスチック製という状況ですので、居住性も良好とは言い難く、アクセル全快で凄まじいエンジン音を放ちながら運転しても、上り坂では喘ぐ様な走りで並行する車線を走る車に次々と抜かされ…という有様です。

おまけにほぼ満員状態で運行している事が多いともなれば尚更で、日本国内では「走らない」「力がない」などと酷評されているハイブリッドバスや、地方ではまだ時折やってくる昭和製の古参車でも、こんな車両に比べれば遥かに程度は良好と感じる有様です。

 
またMAKIKYUは大連だけでなく、同じ遼寧省の瀋陽でも市内公交汽車に乗車した際、車種こそ異なるものの同種車両に何度か当たっており、こちらも乗車した際の印象は似たようなものでした。

この手のバスは快適さとは程遠く、日頃通勤・通学や用務などで定期的に利用するとなると…という感もありますが、運賃も非空調車では1元均一程度(日本円換算で15円以下:日本の路線バスの1割程度という激安運賃です)と非常に割安な上に、土地の日常を容易に垣間見る事が出来るという点でも魅力的です。

まして日本ではマイクロバス以外で、キャブオーバーバスに乗車する機会自体がまずないかと思いますので、業務や留学などで中国に滞在されているかたは別として、観光で中国を訪問する機会があるならば、斬新な印象を受ける車両だけでなく、この手の車両に乗車されるのも面白いかと思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方は如何でしょうか?