みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

新型コロナ、免疫は長期間持続か

2021-03-27 23:03:20 | 感染症
新型コロナ、免疫は長期間持続か=米新研究
2021年1月に発表された新たな研究で、新型コロナウイルスに対する免疫が長期間持続する可能性が示唆された。感染またはワクチン接種による免疫の獲得が、集団免疫の実現に有効となる兆しが見えた。
・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した元患者に、感染から8カ月経過した後でも強い免疫が残っていることが、新たな研究で分かった。
この結果は、論文の著者が新型コロナウイルスに対する免疫はおそらく何年も持続するだろうと解釈する心強い兆候である。


・元々、新型コロナウイルスは免疫記憶をあまり誘発しないのではないかという懸念が多かった。
しかし、免疫記憶はむしろかなり良好なようだ。

・2021年1月6日にサイエンス誌で発表されたこの研究は、これまでの研究結果とは対照的な内容となっている。

・(新型ではない)従来のコロナウイルスの感染時には、かなり急速に衰える抗体が生成されることから、新型コロナウイルスに対する免疫も短命だという厳しい見方はそれほど意外ではなかった。
しかし、この新しい研究では、再感染が問題になるのは、免疫の獲得が最初の感染によるものであろうとワクチン接種によるものであろうと、免疫を獲得したごく一部の人々に限られることを示している。

・この新しい論文では、新型コロナウイルス感染症から回復した男女185人の血液サンプルが調査された。
調査を実施した研究チームは、(再感染を防ぐために連携して働く)複数の免疫の担い手の水準を測定した。
この免疫の担い手とは、抗体(免疫系が破壊できるよう病原体に結合する、あるいは病原体の活動を中和する)、B細胞(抗体を作る)、T細胞(感染した細胞を死滅させる)のことである。

・この研究チームは、発症から8カ月後に抗体がやや減少するものの、減少の程度は個人間で大きく異なることを発見した。
しかし、T細胞の減少数はごくわずかで、B細胞の数は安定を保ち、どういうわけか増加していることもあった。
これはつまり、自由に漂う抗体の数は減少するものの、抗体の産生を再開し、新型コロナウイルスへの攻撃を調整する成分は、かなり高い水準で残存しているということである。

・2020年8月に発表された研究では、SARSコロナウイルスに特異的なT細胞は少なくとも17年間血液中に残る可能性があることが示されており、新型コロナウイルスに対する免疫についても、数十年持続する可能性があるという期待が高まっている。

参考・引用一部改変 
MIT Technology Review 2021.1.13
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