みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

食物アレルギーでは学校との連携が重要

2013-02-20 15:46:28 | 医療一般
食物アレルギー、学校と連携を 先生・友だちに説明

時には命にかかわる事態になりうる食物アレルギー。
東京都調布市の小学校で昨年末、11歳の児童が給食を食べた後に亡くなった事故をきっかけに、その深刻さが注目されている。

■食物アレルギーの子どもは珍しくない。
文部科学省が2007年に公表した調査によると、公立の小中高生全体の2・6%。
日本スポーツ振興センターの推計では、05~08年度に学校給食によるアレルギー事故が804件あり、うち189件は、生命に危険がある「アナフィラキシーショック」に至った。
 
「何重にも対策」
■学校での食物アレルギーへの対応では、文科省が08年に指針を示している。
ただ、知識や必要な措置の列挙が中心で、給食で事故をどう防ぐかといった具体的なノウハウは乏しい。実践は学校や市町村任せなのが実情だ。
 
■対応に学校や地域で格差があってはならないが、実際はばらつきが大きい。
     *
万一、学校でアナフィラキシーが起きたら、どう対応すればいいのか。

エピペン、備えが肝心
■注意すべきは症状の進行が速いこと。
食べてから数分でショック状態になることもある。対処も時間との勝負になる。
 
■応急処置で役立つのは自己注射のエピペン。
重い食物アレルギーの人に処方され、血圧を上げ心停止を防ぐ効果がある。
重い症状が複数みられる場合、ショック状態になる前に使い、本人が打てないなら周りの人が打つ。
速効性があるが10~20分しか持たないので、すぐ医療機関に連絡することも忘れないでほしい。
 
■エピペンを適切に使うには事前の練習はもちろん、態勢づくりが大切だ。
打つべきかをとっさに判断するのは難しいので、あらかじめ保護者と学校とで、起こりうる症状ごとに対処法を話し合っておくといい。
また、本人が携帯し忘れる場合もあるため、家族や医師と相談して学校でも予備のエピペンを管理することをすすめたい。
救急対応に通じた教職員を増やすことも必要だ。



http://digital.asahi.com/articles/TKY201302150534.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201302150534


出典  朝日新聞・デジタル 2013.2.16
版権  朝日新聞社

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