みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

O157に「猛毒型」

2012-06-30 00:21:34 | 感染症
O157に「猛毒型」 千葉大チーム、識別方法も解明
■病原性大腸菌O(オー)157の中に、健康な人でも死に至るほどの重い症状を引き起こす「猛毒型」があることを、千葉大学の野田公俊教授(病原分子制御学)の研究チームが発見した。
■O157は溶血性尿毒症症候群や脳症など非常に重い症状になる場合があるが、その確率は日本では1.4%とされる。
これまで、同じ菌なのに症状が大きく違う理由は不明で、「患者の体調による」など様々な説があった。

出典 朝日新聞・朝刊 2012.6.27
版権 朝日新聞社


<私的コメント>
7月1日から生の牛レバーが食べれなくなります。
もともと食べたことのない私には関係ないことですが、いかにもタイミングのよいニュースです。

解明されたメカニズムはまさしく矛と盾です。

体内に細菌が入ると、マクロファージが殺菌物質の一酸化窒素(NO)を放出して細菌を攻撃します。
そのNOを破壊する酵素を持った猛毒型のO157が存在するということが確認された、という内容です。

この研究では、猛毒型かどうかを1~2時間で判定するという遺伝子解析法も発表されました。
O157に感染した場合、速やかに遺伝子解析を行って猛毒型と判明すれば治療の参考になるということです。





雨の横浜・旧横浜正金銀行本店(現神奈川県立歴史博物館) 
2012.6.16撮影
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%AA%E6%B5%9C%E6%AD%A3%E9%87%91%E9%8A%80%E8%A1%8C



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