ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

トイレの立ち台を斜面にしてみる

2013年08月17日 | Weblog
まぁ、どうでもいいといえばどうでもいい話。最近、うちの会社の入っているテナントビルのトイレに的がついた。ん、ちょっとわかりにくいかな。男子トイレの立小便をするところに、◎な感じの的がついているのだ。

男子トイレというのは当然、立小便をするわけだけれど、そのトイレをきちんと小便をかけずにその周囲にかけてしまうという人が意外といる。トイレにきちんと収めていれば後は水を流せばきれいになるわけで、掃除をする人などの稼働も当然減る。しかし周囲に撒き散らせば、使う側も掃除をする側も気持ちよくないし、当然、その掃除の分の作業費は上がる。

そういったこともあって、また男の本能的なところを突くような形で、トイレの真ん中に「的」を作るというのは以外と効果がある。

「デザインとはメッセージである。デザインが行動を規定する」

まぁ、デザイン工学の考え方に従えば、こういうことになるだろう。そしてトイレに的をつけるというのはまさにそうした考え方を踏襲している。的をつけることで、そこを目指して男たちはおしっこをかけ、ビルオーナーはメンテナンスコストを削減することができるのだ。

でも、ちょっとまて。そのつける位置はあまりに低くないか。その位置だとそこをめがけてかけるということはない。的をつけるというアイデアはいいけれど、あまりにセンスが無さ過ぎる。

で、正直、以前から思うことなのだけれど、的をつけるアイデアに異論はないのだけれど、おしっこを周囲に撒き散らさないという観点からいくと、他にも手があるのではないか。よく男子トイレに行くと、「もう一歩進んでください」という張り紙がしてある。つまり、トイレにもう一歩近づけばそれだけ周囲にかかる率は低くなる。

そのために「もう一歩前に出る」必要は必ずしもない。男が立ち土台に前方が下がるような傾斜をつければ、自然にもう半歩~一歩トイレに近づくのではないか。そうすれば立ち位置が今と同じでも、無意識のうちに半歩~一歩トイレ側に出ることになるのではないか。

デザインが世界を変えるというのはきっとこういうことなのだろう。

デザインはメッセージである - ビールを飲みながら考えてみた…

シンプリシティの法則/ジョン・マエダ


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