文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

考えるレッスン

2024-08-23 13:12:08 | 書評:学術・教養(人文・社会他)

 本書は2020年に亡くなられた外山滋比古さんのエッセイ集である。外山さんは1923年生まれというから、享年96歳。そのお歳まで知的活動を続けられるのはうらやましくもある。

 本書は2012年1月に集英社インターナショナルから刊行された「考えるとはどういうことか」を改題して再編集したものである。だから元の本は90歳近くで書いたことになり、その年齢になっても本を書くことができるというのは本当に頭が下がる思いで、私などまだまだひよっこのようなものだ。

 ただ、外山さんの言われることが十分理解できるかと言われると良く分からないというのが正直なところだ。外山さんは知識を詰め込み過ぎるとクリエイティブでなくなると言っているが、これは人によるとしか言えないと思う。むしろ功成って研究や勉強をしなくなるというのが大きいと思う。教授になると学内政治にばかり精出し、研究や勉強をしなくなる人がいるというのはよく聞く話だ。

 また、球面思考だとか第4人称と言うのも良く分からない。日本語が曖昧だと言うのも異論がある。日本語でも十分論理的なのだ。私のような理系人間からは、ロジックを記述するのに大切なのはアルゴリズムであり、プログラム言語ではない(もっとも使いやすいものと使いにくいものはあるが)と思う。だから論理的かどうかは言語に寄らないのではないか。あまり理解できないのは、文系と理系の差なのであろうか。
☆☆☆








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