M・M日記~心理カウンセラーのつぶやき

アドレリアンの日常と、時どき心のお話
何があっても ちょっと一呼吸おいて違う見方をしてみたら…
人生楽しくなるかも♪

帰化するということ

2016-07-06 01:02:30 | 福祉
日本に移り住んで四半世紀を過ぎたKさん。
「日本国籍を取得したい」というので、
法務局への申請手続きに同伴しました。

日本人男性と結婚し、
子どもも育て上げ、
税金を滞納することもなく
品行方正に生きてきたかたなのですが…。

彼女は物心ついたころに
祖国の政治情勢に家族が翻弄され
国を転々としたという経緯があります。

そのため彼女の人生の軌跡を担当者に説明するのは
容易ではありませんでした。

結局、必要書類をそろえることは
相当難しいとわかり、
彼女は途方に暮れてしまっています。

永住権で長いこと生きてきて
子どもたちも頼れる年齢に育ち、
なぜ今になって帰化する気になったのでしょう。。。

「帰化するとどんなメリットがあるの?」

聞けば、戸籍が持てたり、
海外旅行の時にビザなどの手続きが楽になるとか・・・

ってことは、
日常生活自体は、
それほど変わらないなぁと思い、
帰化するのが難しいと知った彼女の落胆ぶりに
少なからず違和感を覚えました

でもよく考えてみると、
自分のルーツがしっかりと他人に示せないもどかしさや、
この国で生きていながら自分の国ではないという
「居候感」がぬぐえないことなど、

自分自身の「存在」が心もとないというのは
人間にとって最も恐ろしく不安なことなのかもしれませんね。。。

安全な島国で、ぬくぬくと生きてきた私には
きっと実感としてわかり得ない、
心の深い部分に触れることなのだろうなあと感じました









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