8月に再会を果たした、小学校教頭をされているS先生。
彼にお会いした時に勧められたのが
この「下流志向」内田樹(たつる)著・講談社文庫。
読み応えありました~。
この本は3年ぐらい前に書店に平積みされていましたね。
副題が「学ばない子どもたち・働かない若者たち」。
テーマは「学びからの逃走」と「労働からの逃走」というもので、
著者の内田先生は、このふたつはそれぞれ単独の現象ではなく、
同一の社会的な地殻変動のなかで起こってきたことであるとして、
くわしく解説しています。
自分からすすんで教育を受けることを拒絶し、
それを誇りにすら思う学生たち。
その先にある労働の拒絶。
ニートの心理。
そこには、
下へ下へと向かう若者が
自分でその道を選んだと思わせる社会構造が潜んでいる…。
その大きな要因として、
子どもたちが生まれた時から「消費者」として育ったこと、
人間的な成長もしていないうちから
お金さえ払えば「お客様」として一人前に扱ってもらえること、
だから金額に見合う等価交換を教育にも要求する…。
というのが「納得!」でした。
私は職業柄、後半の「子どもの成長を待てない親」と、
「育児と音楽」の章に非常に共感しました。
子供が不快やストレスの表現として発信するメッセージを
「ノイズ」としか感じられない親。
「子どもという製品」から発せられる「ノイズ」
としか感じられないわけですから、
何とかして、
それを消すことにエネルギーを消費するけれど、
子どもは未熟だから自分の不快を上手に表現できないだけなので、
きちんと子どもを見つめて過ごしていれば、
その「ノイズ」を「シグナル」に変換できるのです。
子どもの成長はひとつの音楽を聴くことと似ていて、
ゆったりとした目で「ノイズ」を観察し、
メロディーの構造がわかった時、
初めてシグナルとして理解でき、
それを「ノイズ」ではなく、
ダイナミックな旋律の中の
ひとつの音であるとわかるのだという部分には
著者の子どもへの愛と尊敬が感じられました。
神戸の大学の教授であり
武道場も開かれている著者は、
いずれ、その武道場を
理想的な教育システムをプログラム化した
「道場共同体」として、
寺子屋のようなコミュニティーを
つくりたいとおっしゃっています。
「共同体」という言葉を
アドラー心理学の「共同体感覚」という考え方と
同じ感覚で使っていらっしゃるなあと思いました。
また、著者が「ニートの未来」で語っている
ニート対策が、目からウロコでした。
学術的なので読むのに時間がかかりますが、
面白いので興味があれば読んでみてくださいね♪
彼にお会いした時に勧められたのが
この「下流志向」内田樹(たつる)著・講談社文庫。
読み応えありました~。
この本は3年ぐらい前に書店に平積みされていましたね。
副題が「学ばない子どもたち・働かない若者たち」。
テーマは「学びからの逃走」と「労働からの逃走」というもので、
著者の内田先生は、このふたつはそれぞれ単独の現象ではなく、
同一の社会的な地殻変動のなかで起こってきたことであるとして、
くわしく解説しています。
自分からすすんで教育を受けることを拒絶し、
それを誇りにすら思う学生たち。
その先にある労働の拒絶。
ニートの心理。
そこには、
下へ下へと向かう若者が
自分でその道を選んだと思わせる社会構造が潜んでいる…。
その大きな要因として、
子どもたちが生まれた時から「消費者」として育ったこと、
人間的な成長もしていないうちから
お金さえ払えば「お客様」として一人前に扱ってもらえること、
だから金額に見合う等価交換を教育にも要求する…。
というのが「納得!」でした。
私は職業柄、後半の「子どもの成長を待てない親」と、
「育児と音楽」の章に非常に共感しました。
子供が不快やストレスの表現として発信するメッセージを
「ノイズ」としか感じられない親。
「子どもという製品」から発せられる「ノイズ」
としか感じられないわけですから、
何とかして、
それを消すことにエネルギーを消費するけれど、
子どもは未熟だから自分の不快を上手に表現できないだけなので、
きちんと子どもを見つめて過ごしていれば、
その「ノイズ」を「シグナル」に変換できるのです。
子どもの成長はひとつの音楽を聴くことと似ていて、
ゆったりとした目で「ノイズ」を観察し、
メロディーの構造がわかった時、
初めてシグナルとして理解でき、
それを「ノイズ」ではなく、
ダイナミックな旋律の中の
ひとつの音であるとわかるのだという部分には
著者の子どもへの愛と尊敬が感じられました。
神戸の大学の教授であり
武道場も開かれている著者は、
いずれ、その武道場を
理想的な教育システムをプログラム化した
「道場共同体」として、
寺子屋のようなコミュニティーを
つくりたいとおっしゃっています。
「共同体」という言葉を
アドラー心理学の「共同体感覚」という考え方と
同じ感覚で使っていらっしゃるなあと思いました。
また、著者が「ニートの未来」で語っている
ニート対策が、目からウロコでした。
学術的なので読むのに時間がかかりますが、
面白いので興味があれば読んでみてくださいね♪