M・M日記~心理カウンセラーのつぶやき

アドレリアンの日常と、時どき心のお話
何があっても ちょっと一呼吸おいて違う見方をしてみたら…
人生楽しくなるかも♪

騙されても不思議じゃない「振り込め詐欺」

2015-12-11 22:29:29 | 福祉
銀行のフロアで
お客様案内係をしている友人が、
「また振り込め詐欺事件で警察が来たの」
と話してくれました。

「今回は顔見知りのお客さんだった。
私が対応したんじゃないけど
未遂に終わったらしくてよかった。

これだけ盛んに注意喚起しているのに
やりきれなくなる…。
まったく『なんで騙されるんだ~!』って
叫びたくなるわよ」
とため息…。

過去にもたびたびあったらしく、
彼女自身も以前、
お客様が被害にあうのを未然に防ぎ、
表彰されたことがあります。

日本中で今年8月までに236億円の被害!

どうしてこんなに
たくさんの人が騙されてしまうのでしょう…?

警視庁のこのサイトで
実際の被害の録音が聞けます。


 「あなたは見破れますか?
振り込め詐欺のテクニック」警視庁ウェブサイト 



ターゲットにされ下調べされて、
警察官役や弁護士役の犯人に
家庭の内情を言われれば
「そんなこと知ってるなら本物に間違いないわ」
と思ってしまうことでしょう。

息子役の
取り乱して泣きわめく声や(N元議員のように)、
切迫したオロオロ声が
電話口から聞こえれば
声が違ってもわからないかも…。

そうやって演出された非日常の状況、
身内への愛情や世間体などが絡み、
「自分が何とかしなければ!」となって
いったんカチッとハマってしまうと
思い込みを説くのは至難の業となります。

案内係の彼女も、
絶対に怪しいと確信して
お客様の振込を防ごうと
説得すればするほど
「こちらが、邪魔をする悪者になってしまう」といいます。
怒鳴られたこともあるそうです。

「早くしないと息子がたいへん!」
という思いもあり、
銀行職員の言葉は遮断してしまうのです。

丁寧に対応しながら
うまく本物の息子と連絡がつけば
ハッとして
みるみるマインドコントロールが解けるのだそうです。

それでも、電話に出た本物の息子のほうを
偽物だと言い出す方もいるそうで、
そうなると、ご主人など第三者に連絡をつけるなど
いろいろと苦労するそうです。

独り暮らしの高齢者であれば
騙されてしまうのも不思議ではありませんよね…。

中には、どうしても思い込みが解けなくて、
制止を振り切って実行してしまうお年寄りもいるそうです。
強制的に止めさせることはできないのですから…。

そして、詐欺だったと気づいた家族が
なぜもっとちゃんと止めてくれなかったんだと
銀行に訴えてくることもあったとか…。

銀行もたいへんですね。。。


「とりあえず電話を切る」

ずるずる話を聞いてしまうと
あっという間に
気持ちが巻き込まれてしまうのだそうです。


お年寄りに限りません
気をつけましょうね~~。

とはいっても、
あまり気にしすぎるのもよくありません。
「詐欺にあいたくない、騙されたくない!」
と強く思い続ければ、
逆に詐欺にあってしまいやすくなります。。。
だからヘンに怖がらないで
安全な自分をイメージしてください


おまけの話ですが、

人間というのは、
「わかりました、これからTAMに向かいます」などと
頼みごとを一度承諾してしまうと、
自分の行動に矛盾することをするのは苦手なので
少々疑問が心をよぎっても
次にまた頼まれたときには
つい「はいわかりました、振り込みます」と
言ってしまう傾向があります。
心理学では「一貫性の法則」といいます。

ちなみに、これを利用したのが
訪問販売のテクニック、
いわゆる押し売りです。

安いものを最初に買わせて
そのあと本当に売りたいものを
目の前に出せば、
仕方なく買ってしまう人が多いのです。

「ドアに足をはさんで中に入れれば
商品を買わせることが出来る」
ということで、
「フット・イン・ザ・ドア」テクニック
といいます。


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