金が無い給料日前。
我が家の酒が底をついた。
これは由々しい。
酔い潰れないとまともに眠られなくなってから早3ヶ月。
買いに行かねば。
蒸留酒で燃費を稼ごう。
学生時代に先輩と通ったバーがあった。
そこの店長さんに飲ませてもらったのが、シングルモルトとの出会いだった。
当時は基本的にバーボンばかり飲んでたいた。
味が分かっていたわけでもなかろうに。
あれから20年近くの歳月が流れた。
今はちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、シングルモルトの魅力が分かる。
あの店長は既に亡くなられていて、そのバーも変わってしまったが。
とうわけで、シングルモルトを買うことにした。
今回はどんなのにしようかなぁ。
恐らく、酒の中でも最も幅が広い世界のひとつ。迷いだしたらキリがない。
しかし、財布の中は極めて寂しい状態。
晩酌用だ。クセの少ないものにしよう。
因みに、「学生」とは大学生(短大を含む)の呼称であって、高校生は学生
では無い。敢えて呼称するなら「生徒」である。
おいらが「生徒」だった時代は、今よりも子供が酒を飲むことに寛容だった。
あの頃は、安いけど旨い、をウリにした銘柄が国産メーカーから続出し、
伝統のブランドが一時的にせよ消えて行く直前だった。
おいらの机には、いつもトリスとNEWSがが入っていたもんだ。
安かったから。
一人の時はトリス。友達がいる時はNEWS。子供なりの見栄張り。
我ながら微笑ましいではないか。
などと考えながら酒屋に行ってみると、廉価でちょっと洒落た銘柄が結構
出ていた。
これは買わねばなるまい。急遽シングルモルト購入を中止。
グレン原酒の小瓶が付いて来る洒落たものがあったので、それを購入。
今、それを飲んでいる。
大学入学のために上京するおいらに、今は亡き親父がウイスキーセットを
くれた。それも今は無きOld Club House。
その時のグラスで飲んでいる。
何か懐かしい感覚。
将来、息子にも酒を贈ることにしよう。
とっておきのシングルモルトを。
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