変化を受け入れることと経緯を大切にすること。バランスとアンバランスの境界線。仕事と趣味と社会と個人。
あいつとおいらはジョージとレニー



ワタクシ、受験生の親です。
次男が大学を受験しています。
納得のいく学校を選んで欲しいものです。

そういう訳で、受験生の親として、
自らのスタンスを記録しておこうと思います。
ま、スタンスと言っても、
あくまで私が見て経験した範囲に立脚したものなので、
転職の経験もなく、重役にまで上り詰めた訳でもなく、
何とか30年間勤めて、中間管理職に甘んじて、
齢50を過ぎてもはや上を目指すこともなくなった
おじさんの偏見とも言えますが、
恐らく、標準から大きくは外れない、
多くの大人にとって腹落ちする内容と思います。

まずは、進学の目的です。
多くの各論が存在するでしょうから
どうしても総論になってしまいますが、
就職を考えて進学する人が多いでしょう。
それも、具体的な職種や企業を設定しているのではなく、
少しでも就職を有利に進める手段
と考えている人が多数なのだと思います。

現在の日本では、これまでの長い間と同様に、
大学を卒業した人から多くの人材を採用します。
これは事実ですね。
他の国のことを知っている訳ではないので、
この先も日本に限って話を進めていきますが、
大卒以外を選択した人達との比較は
ここでは話題にしません。

閑話休題。
では、就職を考えた時、
出身大学はどのように機能するのでしょうか。
良し悪しは述べませんが、
特に大手企業にとって、恐らくは、2ケタ後半以上の
社員数を抱える中小企業にとっても、
『採用対象者のフィルター』として機能します。
例外はありますが、これは事実ですし、
そうなる理由も明確です。

人員も時間も限られた企業にとって、
あらゆる応募者にリソースを割く訳にはいかないのです。
ですから、何等かの基準で、ふるいに掛ける必要が生じ、
『大卒』という基準ができあがったのです。
更にその先には、卒業した大学の『ランク』が
基準になります。
企業毎に設定した基準を満たさない学生は、
就職に挑戦する機会すら与えられないのです。

不公平な側面は否めませんが、
企業人の端くれとして言えることは、
受験という『目標』にどんな『結果』を出したか、
これが『努力』する力や意思、
『達成力』を表わすと考えることは、
そんなに間違っていないと感じています。

長い社会人人生において、
『目標』に向かって『努力』することは
求められ続ける要素であり、
結果を出す『達成力』が
人を評価する基準になるからです。

この考えでは、上位ランクの大学を出てきた人は、
高い目標を達成さしめた人、と評価される訳です。
こうなると『ランク』は、入学の難易度を示さないと
意味がありません。

難易度には様々な指標があるのでしょうが、
学生本人の力を量る基準として、
『偏差値』というのは非常に便利な指標なのです。

だから、
より高い偏差値の大学を目指すことが就職活動に利する、
というのは間違っていないのです。
少なくとも、そういう側面は実在するのです。

再び脱線しますし、少々繰り返しにもなりますが、
学歴や偏差値に関係なく、優れた人はいます。

出身大学のランクでフィルタリングされ、
機会さえも得られない学生の中に、
本来なら採用したいような人がいる、
ということです。

これは、企業にとって学歴フィルタが損失方向に
働いていることを意味します。

しかしながら、
全ての希望する学生に会う訳にはいかないのです。
『実績』は過去のもので、これからも同様に『結果』を
出せるのかは未知数なのですが、
やはり、実績の有無は説得力が違います。
マラソン選手に例えると、
予選のタイムを本選で出せる保証はなくても、予選の
上位者から本選への出場者が決められるのと似ています。

そして、上位ランクの大卒者の中には、
一定数の優れた人が必ずいるもので、
企業としては、それで良いのです。
また、実績を持つ人達から、大きく裏切られることも
少ないのだと思います。
フィルタ基準を満たさなかった学生中の優れた人は、
中小企業であったり、
個別の事業であったり、
何等かの世界で頭角を現すでしょうから、
本人が希望すれば、
その時に中途という形で採用すれば良く、
中途採用に積極的な企業が増えている一つの側面として
捉えることができるのでえす。

改めて閑話休題。
上述の通り、
企業は採用にあたって大学フィルタを設けたりするので、
少しでも上位の大学を目指しておいて、損はありません。
そして、頑張って入学した大学のランクを、
冷静冷徹に評価しましょう。それには、自分の置かれた
『立ち位置』を正確に把握する能力が求められます。
この能力は、生涯を通じて重要なものなのです。

どのように立ち位置を把握しますか?
どこかの予備校のランキングですか?

正直に言うと、予備校が示すランキングで構いません。
企業側も、全ての大学に精通している訳ではありません。
少々の卒業生が社員にいたとしても、
それだけで大学の個性を固定化する程、人事部門は楽観的で
ではありませんが、では何処に根拠を求めるかと言うと、
所詮は、広く周知されている情報に頼らざるを得ないのです。
むしろ、そのランクをどのように理解するか、が大切なのです。

一つの可視化例として『学生の数』を下表に整理してみました。
ネット上から拾った情報ですし、
特に中堅未満の大学のランクは正確性を欠くかもしれませんので、
概観として捉えてください。

日本には、762の大学があり、2,606,531人の学生がいます。
この数字に、短大は含んでいません。
因みに、『学生』とは大学生と短大生の呼称であって、
高校生や予備校生は含みません。
それはさておき。
国公立大学だけで、58万人以上の学生がいて、
医療系専門を除く私立大学だけで、200万人弱の学生がいます。
凄い数ですね・・・。

例えば、あなたが早稲田、慶応、上智、東京理科のいずれかに
合格したとします。
即ち、Sランクの私立大に入った、ということになりますが、
それはどういう立ち位置になったということでしょうか?

学生数を基準に考えると、
Sランク大学の学生は10万人弱ですから、
私立大学生200万人弱の上位5%に入った、
ということを意味します。

誇りを持っていいですね。

Aランクで見てみると、学生数は27万人弱。
Sランクと合わせると37万人弱ですから、
私立大学生の上位19%弱に仲間入りしたことになります。

このように考えると、本当に優秀な結果ですね。

一つ罠があるとすれば、最下段のグラフに明らかですが、
『大学数』と『学生数』の関係です。
イワユル上位大学は、学生数も多いのです。
Fランクの大学数は60%弱(456大学)を占めますが、
学生数は36%強しかいません。
Aランク以上だけで、40%弱の学生がいるのです。
気を付けましょう。

改めて企業の採用目線で見ると、
大学のランクはフィルタですから、
上位何割の学生をターゲットにするか、
ということになります。

例えば、
半分以下の学生には会う必要無し、
と判断する企業があれば、D若しくはEランク未満は
切り捨てられます。

大学フィルタとは、こういうことなのです。

人手不足の昨今、余程の大企業でもない限り、Sランクだけ、
といったフィルタは設けないでしょうし、
巷ではマーチフィルタなるものがあるやに聞きますが、
それは上位20%程度までで絞りたい、という意思なのです。

ここで重要なのは、大学のランクは、
あくまでフィルタでしかない、
ということです。

フィルタを突破しても、チャンスを得られたに過ぎません。
採用するか否かは、人を見て決める訳ですから、

結局、採用されるか否かを決める要素は、入学してからを
含めて醸成された『人間性と能力』に依存するのです。

ですから、自らが入学した大学のランクは、
チャンスを得る
という意味で重要ですが、就職活動のスタートライン
でしかない訳です。

という訳で、大学入学後は、自分磨きを怠ってはなりません。
知識の専門性でもいいし、
コミュニケーション力の強化でもいいし、
ある程度はその両方が必要ですので、
与えられた期間を能力向上に有効利用してください。

以上が、とある大学に合格した息子に、私が話した内容です。

高校時代まで、受験を強要したことはありません。
可能な範囲で自由に高校生活を送らせました。
それは、こういった話を理解するには、それなりの人間性と
経験が必要と考えたからであり、
受験の為の受験は意味が無い、というスタンスからです。

そして、
自らの意思で進学を選択し、
自らの努力を合格という
成果で示した我が子を誇りに思います。
所詮、親のできることはこの程度であり、
また、これができるのは親だけなのかなとも思います。

彼とみなさんの学生生活が有意義であることを祈っています。
















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