美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




作品は観たことあるのですが、私には未知の作家さんでした。はじ
めは十代の作品から晩年の作品まで、幅広く観られます。

十代の頃は写実的な表現、そこから少しずつ自分の色を見つけて行
きます。三十代にはいってすぐの『海岸の牛』には独特の色使いが
芽生えています。また通路の左右に並べられていた黒い牛、右手は
柵の向こうにどっしりとした存在感がある牛、左手は柏の樹の向こ
うにのんびりと横たわる牛、この二幅対には底から湧き出るような
力強さを感じました。

渡欧してから色っぽい絵を描いたあと...

帰国してからの『放牧三馬』はチラシの表紙の作品。エメラルドグ
リーンがとても美しい。エメラルドグリーン...

子どもの頃に持ってた絵の具の色に、エメラルドグリーンがあった
ように思う。エメラルド、という言葉の響きとともに、好ましいイ
メージを持っていた気がする。一番好きだった色は、群青かな...

今回の展示作品には馬の大作が多く、特に『松間馬』は林の中に繋
がれた二頭が寄り添う美しい絵。坂本は同じモチーフを繰り返し描
くことが多く、この作品も二枚が並べて展示されていた。

そんな中、私が最も惹かれたのは坂本自身の身近な風景を描いた作
品群。

例えば『鳶形山』、どれが頂だろう、小さなカンバスにゆるやかな
稜線と、広く描かれた青い空、そして空に向かってのびてく雲は入
道雲、こういう作品は本当に好き。あるいは『熟稲』と名付けられ
た大きな作品、大きな空の下には黄色い大地が広がっています。風
通しの良さを感じる気持ちの良い絵。他、青い山容が魅力的な『暁
明根子嶽』などなど...

晩年の静物画、特に箱を描いた作品や、空を描いた作品群も、なか
なかに面白く。

坂本繁二郎展 (ブリヂストン美術館) ~ 7/8

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )



« 宮崎進の仕事... 特別展・下村... »
 
コメント
 
 
 
Unknown (ak96)
2006-06-29 03:36:51
わたしは、全く初めて作家でしたが、エメラルドグリーンの色彩が良かったですよね。
 
 
 
Unknown (lysander)
2006-06-30 00:08:31
> エメラルドグリーンの色彩が良かったですよね。

よかった...(^^)
 
 
 
Unknown (はろるど)
2006-07-06 21:29:59
こんばんは。

失礼ながら軽い気持ちで見に行った展覧会だったのですが、

予想以上に作品へ引き込まれました。



仰られる通り、独特の色を身につけてからの作品が輝いていました。

馬をエメラルドグリーンで表現する。

あまり他にはありませんよね。
 
 
 
Unknown (lysander)
2006-07-08 00:49:42
> 失礼ながら軽い気持ちで

全然おっけーです!
 
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。