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SPECULA #7「都市と芸術をめぐる現実(リアリティ)」川俣正vs桂英史
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アート・スコープ 2007/2008 (原美術館)
美術
/
2008-08-10
久しぶりに原美術館に行ってきました...
アート・スコープは日本とドイツの間で作家さんを派遣して、それ
ぞれの国で制作させる交換プログラムです。今回の展示は日本の作
家二名とドイツの作家二名の成果発表。やっぱり気になるのは日本
の作家です...
その壱. 照屋勇賢さん...
エコとか平和とか、そんなことを感じさせるところもあるけれど、
決して声高には語らない...照屋さんはユーモアの人ではないかと思
います。そうしたテーマを前面に出す人もいるけれど、照屋さんの
作品は、そうしたことを意識せざるを得ない世の中や、自然や平和
に対する小さな気付きを与えてくれます...
今回も樹の枝で描かれたメッセージや、トイレットペーパーの芯で
作られた森...
この二つの森を中心とした二階の空間は宮島達男さんのデジタルカ
ウンターや須田悦弘さんの『此レハ飲水ニ非ズ』などともよく調和
していました。照屋さんの作品も常設されないかなぁ...
そして、刃物に寄り添う沖縄の蝶...このサナギを使ったシリーズは
代官山のヒルサイドフォーラムで開催されている『
アトミック・サ
ンシャインの中へ
』でも写真の作品が展示されています。そこでは
ピストルとサナギのオブジェなのですが、そこには武器を武器でな
くしてしまおうという、どこか平和に対する希求のようなものが感
じられます。そういう視点で見ると、原美術館のエントランスに展
示されている浮輪なんかもどこか象徴的。普段はあまり考えない色
々なことを気づかせてくれる展示でした...
照屋さんの作品は何度か観たことがあります。
中でも2005年の横浜トリエンナーレで観たハンバーガー屋さんの紙
袋が印象的でした。袋の側面を樹の形に切り抜いて小さな箱庭にし
たような作品。薄い紙を通して樹の上にふりそそぐ光が何とも言え
ませんでした...
・
横浜トリエンナーレ 2005
あと、墨田区の個展とか...
・
「照屋勇賢―水に浮かぶ島」展 (すみだリバーサイドホール・ギャラリー)
横浜美術館の水の情景展のエンディングもなかなかだったな...
・
水の情景 (横浜美術館)
その弐. 加藤泉さん...
加藤泉さんの作品はちょこちょこ目にしてます。昨年まではその作
風を苦手にしていました。木で彫られた人型からはデモーニッシュ
なものを感じていたので...そう、それはどこか悪意に繋がりそうな、
恐ろしげなもの...
それが今年に入ってからの何度かの展示(上野のVOCA展に合わせたギ
ャラリーでの展示とか、丸の内アートウィークスの新丸ビルの展示
とか...)で印象が変わりました。これまでにない軽さのようなもの。
特に今回の展示では一番奥の部屋に飾られていた家族像がよかった。
はじめてこの作家さんの作品を好きだと思ったし、そもそも新しい
彫刻に面白さを感じたのはとても久しぶり...
作風がマイルドになっているのでしょうか、あるいは観る人の視線
を意識するようになってきたのでしょうか、あるいは私の心境の変
化なのでしょうか...(^^;
そんなことを考えながら、ものを作る時には作るという衝動に突き
動かされるにせよ、作家としては観る人を意識しながら作らないと
いけないのだろうと思いました。そのバランスが大切なのではない
かと...
・
アート・スコープ 2007/2008 (原美術館)
- 8/31 まで...
おまけ
・
[美術]加藤泉、苦節15年ののちの栄光! (mmpoloの日記)
・
「アトミックサンシャインの中へ」渡辺真也・照屋勇賢インタビュー vol.1
・
「アトミックサンシャインの中へ」渡辺真也・照屋勇賢インタビュー vol.2
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