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美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




写真は好きで、時々観にいきます。写真には写真ならではの表現が
あります。私がそれを感じるのはシャープなイメージ、あるいはそ
のつるつるした表面から伝わってくるあたたかさだったり、なまめ
かしさだったり...そこに写っているのは実体のあるリアルなモノな
のに、モノにはない質感・空気感を伝える写真があって、そんなイ
メージに私は惹きつけられます。

一方で写真には記録媒体という機能もあります。絵画にも記録性は
あるのでしょうが、瞬時に図像を写し取る写真には、よりドキュメ
ンタルな感覚があります。

私は前者の表現としての写真を好むので、後者のような記録的なイ
メージを観にいくことはあまりないのですが、今、東京都写真美術
館で開催されている報道写真展と昆虫写真展は、作家性のある写真
とは違った切り口で、写真の持つ魅力を感じさせる展覧会です。


世界報道写真展 2008
世界各地で撮影された報道写真の数々です。やっぱり目を引くのは
戦時下の国々の写真。文字では伝えにくい生々しいイメージがそこ
にはあります。軍服を着た女性を移した写真や、左右に銃剣を持っ
た部下を従えた革命家の写真などが印象に残りました。

プーチンを大写しにした写真がありました。あまりにも大きいので
近づくとロシアの大統領には見えません。目と鼻と口と...そこに写
っているのは、あたり前ですが顔を持つ人、そのことについては我
々と一緒なのだと思いました。


今森光彦写真展 昆虫 4億年の旅 - 進化の森へようこそ
世界最大のカブトムシとか世界最大の花・ラフレシアとか、子ども
の頃はそんなコネタをたくさん知っていたような気がします。今で
はすっかり忘れてしまったけれど、不思議な昆虫たちを見ているう
ちに、なんとなく懐かしい気がしてきました。私の好みは遠く青空
を背景に、土の上で地道に仕事をしているフンコロガシ(アフリカタ
マオシコガネというんだな)。

会場には親子連れがちらほら。昔、昆虫少年だった風のお父さんの
方が楽しんでいたりして。子どもにしてみたらいい迷惑かもしれな
いけれど、こういう不思議な写真を観ることがきっかけで、未来の
昆虫博士が生まれるのかも。


ヴィジョンズ オブ アメリカ 第1部 星条旗 1839-1917
これは写真が捉えたアメリカを特集した三部構成の企画展の第一弾。
今回は写真黎明期のダゲレオタイプなど、技法の紹介に偏ったきら
いがあって、いわゆるアメリカを感じさせる写真はまだまだといっ
た感じです。後半にスティーグリッツの写した何枚かが出ていまし
たが、面白くなるのは次回からかな。古い写真が好きな人や、順番
にこだわる人は観ておいた方がいいかも。


世界報道写真展 2008 - 8/10 まで...
今森光彦写真展 昆虫 4億年の旅 ― 進化の森へようこそ - 8/17 まで...
ヴィジョンズ オブ アメリカ 第1部 星条旗 1839-1917 - 8/24 まで...

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