美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




鴻池さんの作品は何度か観たことがあったのですが、個展は二月の
高橋コレクションが初めて。そこで読んだテキストが印象に残りま
した。
ギャラリー不定点観測 (目黒・白金篇)

私にとって作家さんは未知なる存在で、創造力のない私には、その
言葉が眩しく映ります。

また、先日のアートフェアで観たまっしろい飛ぶものもよかった。
半ば即売所と化してたあの場所で、輝きを放つ数少ない作品のひと
つだと思いました。
アートフェア東京2008 (東京国際フォーラム)

今回のコンセプトは登山。

ベースキャンプに展示されている襖絵、この瞳を持った山容は、何
といったらいいのだろう...
# 手をかけそうになってしまいました...(^^;

登山口から登って森林限界を超えた素晴らしい世界、この書物をモ
チーフにした絵本の原画がとてもいい。思わず絵葉書を買ってしま
いました。そして屋外に出ればテント、屋内の黒いベールをもぐれ
ば天から見下ろすの山の姿...

二つの会場をとてもうまく使っています。

ベースキャンプに鴻池さんの言葉が綴られています。
> 私は一番いいたいことをいつも隠している。芸術はいつも言葉で
> 語れないものを、その背後に隠している。しかし今日も観客は作
> 品の前に立ち、作品を観ている。描かれた山の絵を眺め、山はい
> ったい何を表し、あの山の向こうには何があるのだろうかと想い
> を馳せる。しかし作品と観客の間に立ちはだかる深い深いクレバ
> スに、ただ一つ架けられることのできる橋があるとすれば、それ
> は作家の言葉でもなく、誰かの解説でもなくて、それは観客とい
> う観る人の体験によってのみ培った、そして、粘り強い直感力に
> 裏づけされた、たったひとつの想像力なのだ。
# 転載する旨、ギャラリーの方に断っています

これを読んで、私は作家さんが観客に寄せる信頼のようなものを感
じました。これまでいろんな作品を観る機会がありましたが、観る
側への信頼を意識したのは初めてで、少しどぎまぎしました。作家
さんから見た時に、観客ってどういう存在なのだろうな...こういう
ことが考えられるのも、同じ時代の作家さんだからなのだろうな...

風薫る五月、がたぴしいってる建屋の中にも外の風が入ってきて、
とても気持ちのいい休日でした(5/1)。

鴻池朋子展「隠れマウンテン&ザ・ロッジ」 (ミヅマアートギャラリー) - 5/28

コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
見る側への信頼 (あおひー)
2008-05-03 08:37:30
lysanderさん、「見る側への信頼を意識」ってくだりがぐっときました。

そっか~、そうなんですよね。
作品のクオリティだとか自分の好みと照らして合うか合わないかといった観点でのみ判断してので、こういう視点を提示されてはっとなったのです。

他の作家さんでそういうことを言われてるのって聞いた覚えがないように思いました。
 
 
 
Re: 見る側への信頼 (lysander)
2008-05-04 01:01:46
あおひーさん
コメントありがとうございます。

> 作品のクオリティだとか自分の好みと照らして合うか
> 合わないかといった観点でのみ判断してので、
それでいいのだと思います。
結局、その信頼を受けられるかられないかは、観る側の
作家さんに対する信頼だと思うからです。
 
 
 
Unknown (Tak)
2008-05-11 01:07:39
こんばんは。

ブログには書きませんでしたが
lysanderさんの為にしっかり
メモしてきました!!
また飲んだ時にでも。
 
 
 
Unknown (lysander)
2008-05-12 00:24:40
Takさん
こんばんは

> lysanderさんの為にしっかり
> メモしてきました!!
ありがとうございます...(^^)
 
 
 
Unknown (Tak)
2008-05-14 22:26:09
こんばんは。

忘れないうちに記事にしました。
 
 
 
Unknown (lysander)
2008-05-14 23:06:19
Takさん
こんばんは

> 忘れないうちに記事にしました。
感謝、感謝です。
 
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