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SPECULA #7「都市と芸術をめぐる現実(リアリティ)」川俣正vs桂英史
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巷談宵宮雨(ク・ナウカ 若手演出家シリーズ)
演劇
/
2005-06-12
蒸し暑い季節になってきましたが、そんな夜に怪談を観るのも乙な
もの...
#
ク・ナウカ
の若手演出家シリーズです...
会場の和楽荘は日本家屋。座布団に腰据えて、しばし待てば暗転。
真っ暗な闇から女のささやく声...
初演は1935年の歌舞伎座だそうです...
今日は雨が降りそうで降らない愚図ついた天気でしたが、夕暮れの
空はとても明るくみえました。会場へは護国寺から歩いていきまし
た。このあたりは住宅地。入り組んだ小道を遠くに見える聖カテド
ラル教会目標にぶらぶらと歩きます。折角、ここまで来たので教会
の敷地を散策します。傾いた陽の光を照り返す丹下健三の建築は、
燻した銀のように見えました...
和楽荘は和敬塾の敷地の中にあります。門から続くこんもりとした
深い緑。道場からは威勢良い掛け声が聞こえてきます。少し早めに
ついたので、待合いの大講堂に案内されました。講堂の廊下には多
くの先生たちの色紙。田中角栄から中曽根康弘、湯川秀樹、堺屋太
一、
植村直己
、山本小鉄なんてのもあります...その中でも目をひい
たのが
福田恒存
の色紙でした...
曰く『自由がないのが自由』
曰く『素心』
なるほどね...
入場は整理番号順、早い数字を引いた私は最前列に腰をかけました。
しばらく待つと暗転。真っ暗な闇からは女のささやく声が聴こえて
きます...じっとりと蒸し暑い闇に、絡まるような二人の女の声...
ク・ナウカはとても好きな劇団で、今年は『
山の巨人たち
』という
掟破りの芝居を拝見しました...こればっかりは観なければわからな
い掟破りな芝居...その時に印象的な演技をしていたのが諏訪智美さ
んです。いよいよここからか!と思った刹那のどんでん返しな展開に
意表をつかれた前回とは打って変わった和装の今回も、とても印象的
でした...
# 生臭坊主が化けて出た場面で、彼女と視線が合ってしまいました
# (と、思っているのですが)...
そうなのです。演者と畳一枚しか隔たらない観客席。圧倒されます。
いかにも好色な坊主演じた藤本さんはとても大柄で迫力ある演技で
した。目の前に来られた時にはどうしようかと思ったほどです...(^^;
そして好色坊主に、ある意味、振り回される甥っ子夫婦。石川さん
と諏訪さんはとても息が合っていました。この二人を主人公にした、
京極堂の『
嗤う伊右衛門
』をみてみたい...
久しぶりにお化けを観てしまいました...人が感じる恐怖も時代によ
り移り変わるのでしょうが、いまどきのホラーと言われるものより
も、こうした日本の風土から生まれる怪談なお話の方が、よっぽど
気が利いています。
また、真夏に観たいと思いました...納涼に...
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