美術と本と映画好き...
徒然と(美術と本と映画好き...)




日経新聞主催で二年に一度開催されている日本画の表彰展。前回も
よかったですが、今回もなかなかのものです...

岩田壮平さんの『花泥棒』。岩田さんは花の絵しか記憶になかった
のですが、この自転車はいいと思います。長沢明さんの『イエロー
エッジ』もいい感じ。だけどゴツッとした動物モチーフは大賞を受
賞した岡村桂三郎さんとかぶるかな。

フジイフランソワさんの『鶏頭蟷螂図』。大型の作品の中では損し
ている感じ。町田久美さんもこういう文脈ではちょっと気の毒...

で、一番良かったのは奥村美佳さんの『いざない』でした...

左手に樹木があって遠景に川が流れています。このイメージは奈良
の風景だと聞いたことがあります。しかし、この作品は色が違いま
す。

実は観るのは二度目...

そう、この作品を初めて観たのは京都のギャラリー。四月末の新緑
の季節には渋すぎると思った色合いも、秋の深まる東京ではぐっと
落ち着いた印象に映ります。広い会場で少し離れて観られたのもよ
かったのかもしれません。右手の木立を抜けていくトンネルはどこ
かへ繋がっていきそうで、不思議な余韻を残してくれます...

奥村さんの作品を初めて観たのは二年前の日経日本画大賞でした。
とても端正で大賞の受賞は順当だけど、どこか遠くにあるような...
そんな印象を受けたのでした。正直、好みではありませんでした...

それが一変したのが『入江のいざない』に出会った時。画廊の入口
から魅かれるように吸い寄せられてしまったのでした。それ以来い
つも気にしていたのですが、新作でこんなに惹かれたのは初めてで
す。シュール...というのとはちょっと違う、日本画だからこその感
覚表現。これからもとても楽しみです...

第四回 東山魁夷記念 日経日本画大賞展 (ニューオータニ美術館) - 2008/12/14まで...

おまけ
奥村美佳展『いざない』 (ギャラリー青い風)
入江のいざない
薄暮の航路
雨あがり
第三回東山魁夷記念 日経日本画大賞展 (ニューオータニ美術館)

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