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SPECULA #7「都市と芸術をめぐる現実(リアリティ)」川俣正vs桂英史
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中平卓馬展『なぜ、他ならぬ横浜図鑑か!!』(シュウゴアーツ)
美術
/
2007-04-20
透過の光に投射される、原色のポジの色...
昨日は若手女性カメラマンのことを書きましたが、今日は中平さん。
ベテラン中のベテランです。そういえば昨年末にも中平さんのこと
をちょこっと書きました。
・
中平卓馬
中平さんは二十代前半に、世相を映した白黒の写真を撮っていたの
ですが、あるとき、それまで撮りためたネガを焼いてしまい、その
後は作風を変えながらカラーを中心に作品を撮り続けています...
そのネガを焼くという行為が強烈に印象に残っていて、何度か作品
集を手に取ったこともありました。だけど、どこか暗さを感じる作
風が、どことなく苦手な写真家さんでした。それが転換したのが横
浜美術館で開催された個展の図録を手に取ってからです。
・
原点回帰-横浜
(中平卓馬)
私は残念ながら横浜の展覧会は知らなかったのですが、この図録を
手に取ると観たかった気持ちでいっぱいになります。何だろう、こ
の感覚は...
若い頃に撮った、古い、ギザギザしたモノクロ写真はもちろんいい
のですが、横浜から鎌倉、葉山あたりをモチーフにした近作に不思
議と惹かれます。ここら辺は私の行動半径のはずなのに、そこには
見たことのないイメージがあふれています。
今回のギャラリーの展示もそんな作風の現在進行形でした...
公園のベンチで寝ているおじさん、そこら辺で遊んでいる子猫、こ
こはどこなのだろう、畑仕事をするおばさんの後姿...どの作品も、
ギラギラした日差しにあふれています。横浜の空はポジの空...青が
目にしみる...
スライドを使った展示のおかげでギャラリーの空間で百枚あまりの
作品を観ることができます。カメラになった男と言われる中平さん
の、野良犬のように歩き回る迫力が感じられる展覧会でした。
# しかも美しいスライドで...
・
中平卓馬展『なぜ、他ならぬ横浜図鑑か !!』
(シュウゴアーツ) - 5/12 まで...
おまけ
三年前に横浜美術館で開催された、中平さんの個展です...
・
中平卓馬展『原点回帰-横浜』
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