先日お知らせしたチャリティコンサートに行ってきました。
音楽を聞くことが被災者の支援につながるのでしたら、そんな幸せなことはありませんので。
15時の部のプログラムはブリテンの歌曲。
演奏 テノール 鈴木準さん 伴奏 山口佳代さん 朗読 武田竹美さん
◇カンティクル第1番 「私の愛する人は私のもの」
◇「ジョン・ダンの聖ソネット」全曲
1.ああ、私の黒い魂よ
2.私の心を打ち砕いてください
3.ああ、あの溜息と涙が
4.ああ困ったことに
5.この今が世界の最後の夜だとしても
6.私の愛したあの人は
7.丸い地球の仮装の隅々にあって
8.あなたが私を創られた
9.死よ勝ち誇るな
私は初めて聞く曲でしたが、ちょっと重い宗教曲です。
鈴木さんはこの曲の7番のレッスンを受けるために練習をしているときに地震に遭ったそうで、それだけに歌詞の重みをとても強く感じたとおっしゃっていました。
「魂よ死より起き上がれ・・・」という内容。
心にずっしりと響き、今ここにいることの意味を考えた瞬間でもありました。
続く17時からのプログラムはフレッシュなソプラノ歌手たちによる、日本語の歌。
ディズニーソングから日本歌曲、オペレッタ、ポピュラーと様々なジャンルから明るく元気が出てくるような曲を溢れる笑顔と共に聞かせていただきました。
出演 絹川千尋さん 中川越百さん 西尾仁美さん 横内桂子さん 伴奏 真島圭さん
先日の題名のない音楽会で指揮者の佐嶽豊さんが「音楽は無力だ」ということを涙ながらにおっしゃっていました。
おそらく、震災直後の収録だったのでしょう、住むところもなくなり食べるものもない状況で必要なのは、まずは瓦礫のヤマを取り除く仕事に耐えうる力、水や食料。
命を賭けて音楽に向かっている人たちにとっては、でも自分にはできることが音楽しかない、と止まってしまった「時」が動くのを待っていたと思います。
その止まっていた時間が少しずつ動き出しました。
地震前の普通の生活を取り戻すには、まだまだ時間が必要です。その前に向かって進むエネルギーとして音楽が力を貸してくれると思うのです。
歌詞の持つ意味をもっともっと考えて歌わないとなぁ、と歌い手としての私は反省・・・
手作り感あふれる心温まるコンサートでした。
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