今日もミューズが微笑んで

歌うように暮らしたい。アートの道探しを楽しむJasmineのきままな日々。

1音の物語

2008-01-11 | レッスン日記

12月の二期会の勉強会に出られずみんなの歌を聴けなかったので、今日は1部から聴講することに・・・。
今日は主任のM先生とみーな先生。広いスタジオのM先生のクラスを聴講しました。去年の4月から始めたという人も多いのだけど、みんな上手くなっている

プロの歌手になるためには、選曲も「順番」があったりするけれど、愛好家に関してはまずは自分が楽しく歌えることが先決なので、自分が歌いたい曲を歌う人がほとんど。これがプロなら、それを歌うのはまだ先!みたいな曲でも、果敢にチャレンジしたりする。


M先生は、「楽しんで好きな歌を歌ってください」と優しい言葉をかけたと思ったら、「言葉、適当に歌うのではなくちゃんと調べて読んでおくように」とか「CD聞かないでちゃんと自分でリズムとって練習するように」「どうしてこの曲歌うんですか?低すぎますよ、もっと高いものを・・・」。結局、先生というより芸術家としてスタンスが優先になるので、なかなかキビシイお言葉。でも、おっしゃる通り、、、ということで。

 
2部に入り、私はM先生のクラスとなりトップバッター。
予定通りVerdiのリゴレットよりジルダのアリア「Caro nome」を歌いました。

歌い終わって、まず第一声から指摘を受けました。ま、歌いながら上ずったので言われるとは思ったのですけど。

「Guartier Malde!」(←人の名前です)
Guarの音はE・・・天井をもっと高く、上の響きで歌うこと。
それを言われ、ハっとしました。

私が取り組んでいるアリアの女性2人。
ジルダにジュリエッタ、同じような年頃の女性で好きな男性を思って、という意味あいでは似ているのだけど、ジルダは憧れの人への思いであり、高ぶる気持ちで相手の名を呼ぶ一声。
そしてジュリエッタは、好きでもない人との婚礼間近な中で、恋人ロメオの思う切羽詰まった半狂乱での一声。


そもそもCaro nomeはCDur~EDur。Oh! quante volte はEsDur~GMoll(だよね?)。
物語を考えれば納得してしまう。ジルダは希望に満ちてジュリエッタは失望感。
ジルダの歌に入る前の最初のこの部分は、CDurと言っても1オクターブ上だし、途中も#がたくさんある。気持ちの高揚が現われているのですねー。
ArdoのEsはEsDurのオクターブの最高音でもある。感情が高まった状況での「Ardo!(焼けるような思い)」。こみ上げるような思いだから下に重心がくるんだな。


先日歌ったOh! quante volteの第一声の「Ardo」のArはEs。GuarのEは半音違いなので、私は先日ゆーき先生から指摘されたように、重心を下におくつもりで歌ったら、喉が上がってしまったのです。音に逆らう歌い方になってしまったんですね。
そう、たった半音だけど、歌い方が違うんですね。

そして半音しか違わないのに、響きは全く違う。それは言葉(その人物の感情)が異なるから。だから歌い方も変わる。


なるほど、すごいなぁ、音符のチカラ。1音1音に物語が、登場人物の気持ちがつまっているのだ!よくオペラは楽譜に全て物語があるといわれるけど。。。。
作曲家ってすごい!歌手にはこのように1語ずつ(1音ずつ)音符を物語として瞬時に歌うことが求められるわけですね。


そんなことに気付いてしまうと気が遠くなってしまう。。。。
ま、いいや。この調子でやっていたら一生かかっても終わらない
まずはできるところまで。
たった1音のことであり、もしかして、歌っている人にとって常識のことかもしれないけれど、こんな発見を自分でできたときは本当に楽しい。



というわけで、あとは師匠の個人レッスンのときに指摘されたこととほぼ同じ。
この曲は、低音~高音という音の高さの差の変化も急な部分が多いので、ポジションが変わらないように支えることが1番のポイント、これが緩むと音も外れてしまう。そして休符でのブレスの使い方、16分音符や8分音符刻み過ぎずレガートに、半音上がるところの音程を確実に、カデンツァの高音は太くならないように。。。など。
何と言っても、Verdiの曲、重いです・・・・。それを軽やかに歌わなねばならない。


汗だくでレッスンは終わりました。
そして会社の送別会に顔を出すために早退。みんなの歌はまたもや聴けなかったのでした。残念

師匠は、私の本番直前に新国立の仕事が入っているため当分個人レッスンはままならず、2ヶ月の愛好家クラスのレッスンだけで発表会の曲を仕上げなければなりません。だから今日はどうしても休むわけにいかず、と出席したのですが、出席して正解。どこまで仕上がるかなぁ。
帰り道の電車で録音を聴いてみると、音程悪過ぎ。ポジションと共に音がずれているようです。


正反対の2曲に取り組むことになりますが、この2曲歌うに必要なチカラは今の私にとって、大きな意味がありそうです。大変だけど、私にとってはよい勉強になりそう!と思ったら、ちょっと楽しみになってきました。スランプ気味でしたが、抜け出すよいきっかけになりそうです。




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