マダコは8度目の出産を控えていた。
仔猫が生まれることは困ることでもあるが、嬉しいことでもある。
そろそろ生まれるかなあと思っていると、出血が見られた。
今夜にも生まれるかなあ?
だが、翌日もマダコは子供を生んだ様子はない。
その次の日だったろうか?
朝、マダコは段ボールの箱の中でおとなしくしていた。
明らかに元気がない。
マダコのお腹が大きくなるたびに私の中に過ることがあった。
仔猫が出てこなかったようで死んでしまったちぃちゃんのことである。
今度もそれを思う。
そのことをちょっと夫につぶやいて仕事に出かけた。
2時間ほどして帰宅した。
マダコは朝と同じ場所にいる。
見ると、お尻から何か出ているのが見える。胎盤?
でも、どう見ても出産の途中という状況ではない。
どうしたらいい!?
まあ、短時間にいろいろあったが、とにかく午前中の診療時間に間に合うように病院に電話する。
「診察を希望されますか?」
「お願いします」
先生が子供を出してくれようとする。
マダコが悲鳴をあげる。
何度か繰り返すが出てこない。
「これ以上やると子宮が破れる。帝王切開するしかない」
「このままだと死にますよね?」
「じゃあお願いします」
どうせならと避妊手術をしてもらうことにする。
「衰弱しているので、術中に死ぬ可能性がかなりある」
そんなことを言われて、マダコを預けてくる。
マダコは無事に帰ってきた。
中にいた仔猫は1匹だけだったという。
マダコは大抵3匹の仔猫を生んでいた。
今回も1匹しかいなかったわりにはお腹が大きかったと思う。
実は何日か前に、ちょっとお腹が小さくなったような気がして、
1匹だけとか生んで、お腹の中にもまだ残っているんじゃないかと思った。
でも、お乳を吸われている様子もなかったし、
お尻が汚れてもいないようだったので、
出産が近づいて子供の位置が変わったのかなと思っていた。
そんなことが2回あった。
その時にマダコは仔猫を生んでいたんじゃないかと思った。
(死産だったかもしれない)
でももしそうなら、お医者さんにはわかるんじゃないかなあと思ったりもした。
それから、マダコはエイズに感染していると言われた。
「かみついたり交尾すればうつります」
野良猫だから仕方ないかと思う。
でも、マダコの孫にあたるぐーちゃんはエイズ検査は陰性だった。
母子感染するだろうから、チッチを生んだ時にはまだ感染していなかったってことかなあ。
とにかくマダコは帰ってきた。
傷口を保護するためにタオルで作った簡易服を着せられていた。
家の中で保護して、1週間したら連れてくるように言われる。
困った!
ぐーちゃんを家に入れてから、ずっとグズグズしていたちゃーちゃんとくーちゃんが、
やっと調子良くなってきたところだ。
ここで、マダコを家に入れたらまたどうなるかわからない。
取り敢えずケージにいれて様子を見るが、1週間もケージに閉じ込めているのではあまりにかわいそうだ。
夜になったら、部屋を閉め切って一旦ケージから出してやる。
迷わず窓のところに行き、外に出たくて仕方ない様子。
窓の外ではみいちゃんが様子を見にきていた。
そして私たちの足にすり寄ってぐるぐる回っている。
マダコはこんなに人懐っこかっただろうか?
翌日は2階の部屋に入れてみる。
そこなら猫には開けられないドアだし、ちゃーちゃんたちに影響を与える可能性も少ない。
窓はあるけど、ベランダが見えるだけだ。
マダコの知っている景色ではない。
そのせいか、マダコは一日ベッドの下に潜り込んで動かない。
ご飯もほとんど食べない。
やっぱり外の景色が見えて、人の気配の感じられる下の部屋がいいだろうと、
また1階にお引っ越しさせた。
術後3日目の昨日、気分転換に外に出してやった。
ハーネスをつけてリードに繋いで、私はリードを持ったまま庭仕事をしていた。
最初は、動く元気もないかのようにペッタリと横になっていたのだが、
通りを人が歩いて行ったのに驚いたのか、急に跳び跳ねた。
そして、あっという間の出来事だった。
その瞬間に、ハーネスをはずし、外へ走り抜けて行ってしまった。
ずいぶん離れたところでこちらを見ていたが、すぐに捕まえに行っても逃げてしまうだろう。
しばらく様子を見る。
ぐるっと回って家の裏の方にいる。
そっと近付いて声をかけると、するするっと側溝の蓋のしてある中に入っていってしまった。
こうなってはお手上げだ。
外にいるだけなら大丈夫だと思うが、あのタオルの簡易服を着けている。
雨にでも濡れたら大変だろう。
周りを見ると、溝の中には泥溜まりの残っているところもある。
あんなところでごろごろされたら…。
とにかく夜にでも戻ってきてくれればと思いながら買い物に出かける。
しばらくは戻って来ないかもしれないと思いながらも、マダコに必要な物を買う。
そして帰ってみると…。
裏のマダハウスの中でおとなしくしていた。
そのままおとなしく捕まって回収された。
一安心ではあるが、元気がない。
あれからずっとおとなしくしている。
エサもあまり食べない。
ドライフードは全くといっていいほど食べない。
最初にネコ缶をやった時には喜んで食べたが、今はそうでもない。
今日は一日窓際で横になっている。
やっぱりどこか具合が悪いのかもしれない。
仔猫が生まれることは困ることでもあるが、嬉しいことでもある。
そろそろ生まれるかなあと思っていると、出血が見られた。
今夜にも生まれるかなあ?
だが、翌日もマダコは子供を生んだ様子はない。
その次の日だったろうか?
朝、マダコは段ボールの箱の中でおとなしくしていた。
明らかに元気がない。
マダコのお腹が大きくなるたびに私の中に過ることがあった。
仔猫が出てこなかったようで死んでしまったちぃちゃんのことである。
今度もそれを思う。
そのことをちょっと夫につぶやいて仕事に出かけた。
2時間ほどして帰宅した。
マダコは朝と同じ場所にいる。
見ると、お尻から何か出ているのが見える。胎盤?
でも、どう見ても出産の途中という状況ではない。
どうしたらいい!?
まあ、短時間にいろいろあったが、とにかく午前中の診療時間に間に合うように病院に電話する。
「診察を希望されますか?」
「お願いします」
先生が子供を出してくれようとする。
マダコが悲鳴をあげる。
何度か繰り返すが出てこない。
「これ以上やると子宮が破れる。帝王切開するしかない」
「このままだと死にますよね?」
「じゃあお願いします」
どうせならと避妊手術をしてもらうことにする。
「衰弱しているので、術中に死ぬ可能性がかなりある」
そんなことを言われて、マダコを預けてくる。
マダコは無事に帰ってきた。
中にいた仔猫は1匹だけだったという。
マダコは大抵3匹の仔猫を生んでいた。
今回も1匹しかいなかったわりにはお腹が大きかったと思う。
実は何日か前に、ちょっとお腹が小さくなったような気がして、
1匹だけとか生んで、お腹の中にもまだ残っているんじゃないかと思った。
でも、お乳を吸われている様子もなかったし、
お尻が汚れてもいないようだったので、
出産が近づいて子供の位置が変わったのかなと思っていた。
そんなことが2回あった。
その時にマダコは仔猫を生んでいたんじゃないかと思った。
(死産だったかもしれない)
でももしそうなら、お医者さんにはわかるんじゃないかなあと思ったりもした。
それから、マダコはエイズに感染していると言われた。
「かみついたり交尾すればうつります」
野良猫だから仕方ないかと思う。
でも、マダコの孫にあたるぐーちゃんはエイズ検査は陰性だった。
母子感染するだろうから、チッチを生んだ時にはまだ感染していなかったってことかなあ。
とにかくマダコは帰ってきた。
傷口を保護するためにタオルで作った簡易服を着せられていた。
家の中で保護して、1週間したら連れてくるように言われる。
困った!
ぐーちゃんを家に入れてから、ずっとグズグズしていたちゃーちゃんとくーちゃんが、
やっと調子良くなってきたところだ。
ここで、マダコを家に入れたらまたどうなるかわからない。
取り敢えずケージにいれて様子を見るが、1週間もケージに閉じ込めているのではあまりにかわいそうだ。
夜になったら、部屋を閉め切って一旦ケージから出してやる。
迷わず窓のところに行き、外に出たくて仕方ない様子。
窓の外ではみいちゃんが様子を見にきていた。
そして私たちの足にすり寄ってぐるぐる回っている。
マダコはこんなに人懐っこかっただろうか?
翌日は2階の部屋に入れてみる。
そこなら猫には開けられないドアだし、ちゃーちゃんたちに影響を与える可能性も少ない。
窓はあるけど、ベランダが見えるだけだ。
マダコの知っている景色ではない。
そのせいか、マダコは一日ベッドの下に潜り込んで動かない。
ご飯もほとんど食べない。
やっぱり外の景色が見えて、人の気配の感じられる下の部屋がいいだろうと、
また1階にお引っ越しさせた。
術後3日目の昨日、気分転換に外に出してやった。
ハーネスをつけてリードに繋いで、私はリードを持ったまま庭仕事をしていた。
最初は、動く元気もないかのようにペッタリと横になっていたのだが、
通りを人が歩いて行ったのに驚いたのか、急に跳び跳ねた。
そして、あっという間の出来事だった。
その瞬間に、ハーネスをはずし、外へ走り抜けて行ってしまった。
ずいぶん離れたところでこちらを見ていたが、すぐに捕まえに行っても逃げてしまうだろう。
しばらく様子を見る。
ぐるっと回って家の裏の方にいる。
そっと近付いて声をかけると、するするっと側溝の蓋のしてある中に入っていってしまった。
こうなってはお手上げだ。
外にいるだけなら大丈夫だと思うが、あのタオルの簡易服を着けている。
雨にでも濡れたら大変だろう。
周りを見ると、溝の中には泥溜まりの残っているところもある。
あんなところでごろごろされたら…。
とにかく夜にでも戻ってきてくれればと思いながら買い物に出かける。
しばらくは戻って来ないかもしれないと思いながらも、マダコに必要な物を買う。
そして帰ってみると…。
裏のマダハウスの中でおとなしくしていた。
そのままおとなしく捕まって回収された。
一安心ではあるが、元気がない。
あれからずっとおとなしくしている。
エサもあまり食べない。
ドライフードは全くといっていいほど食べない。
最初にネコ缶をやった時には喜んで食べたが、今はそうでもない。
今日は一日窓際で横になっている。
やっぱりどこか具合が悪いのかもしれない。
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