記憶

2015-12-08 12:19:40 | あれこれ
昔、中学生くらいだろうか?
何かの本で読んだのか、誰かから聞いた話だったのか、
「人間の脳は、辛い思い出は忘れて楽しい思い出を記憶するようにできている。
 辛い記憶が多過ぎると生きていけないから」
ということを聞いた。
ああ、そういうもんなんだ。と思っていたけれど。

最近思う。
本当にそうだろうか?

例えば、同じ仕事をしているOさん。
彼女はどうも、得したことはさっさと忘れて、損したことばかり覚えてるような気がする。
このことは、ご本人様にも指摘させていただいた。
だって、損したことをさっさと忘れて、得したことだけ覚えていた方が楽しく生きられると思うから。

別のある友達は、
まるで自分が関わってきた過去の出来事や人々をすべて悪者にして、
自分を守ろうとしているように見える。
彼女に楽しい思い出ってあるのだろうか?

私は…。
前に書いたけれど、あるときふっと、それまでの辛い思いを忘れてしまった。
すごく辛かったということだけ覚えていて、
何が辛かったのか、どんな風に辛かったのか、思い出せなくなっていた。
だから思う。
辛い思い出を忘れることがどんなに倖せなことかと。

そして思った。
最近、うつ病とかの心の病が多いのは、
楽しい思い出より、辛い思い出の方をたくさん覚えている人が増えたからじゃないのだろうか?と。

確かに私も辛かったときは、やばいやばい病気になりそう、と思っていた。
だけど私は、楽しかったこともちゃんと覚えていたつもり。
だから、本当に病気にならずに立ち直ることができたのかなあ?と思う。