だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

2001年5月、フィリピン パラワン島で起きたこと

2013-05-27 21:44:52 | 映画
2001年。まさか9.11以前にこんな事件があったなんて、まったく知りませんでした。そしてその内容を読んで、恐怖に震えました。ありえない…。こんなことがあって良いんでしょうか!

2001年5月、フィリピンのパラワン島を訪れていた観光客21人が、ホテルからイスラム武装勢力アブ・ヤサフに誘拐されるという事件が起こります。映画化したのはブリランテ・メンドーサ監督。

監督は、1960年6月30日フィリピン、フェルナンド出身。2009年「キナタイ マニラ・アンダーグラウンド」(09)で、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞するなど、活躍しています。

日本ではあまり馴染みがないですが、この拉致事件を知らしめるのは監督しかいないでしょう。美しい海や自然に囲まれたリゾート地パラワン島。各国からの観光客が滞在する高級ホテル。

2001年5月。突然、夜中にイスラム原理主義アブ・サヤフが押し入り、21名の観光客が誘拐されます。突然襲われ、小さな船に乗せられた21人は、ミンダナオ島バシランへと向かいます

その中にNGOのフランス人ソーシャルワーカー、テレーズ・ブルゴワン(イザベル・ユペール)と同僚のソルダットがいました。途中、アブ・サヤフにイスラムの掟を説明されます。

さらに各人の素性といくら身代金を出せるか…徹底的に調べられます。初めて見る襲撃時の銃撃戦や、途中で見た殺人の衝撃。恐怖と緊張とで、抵抗する意思を失くしてしまった人質たち…。

それでもいつか救出されるのを待ち続けていました。映画は、人質たちの命を顧みないフィリピン国軍の救出作戦やフィリピン政府による身代金の着服、仲間の処刑などありえない事実を描きます。

人質たちの潜伏生活は、377日に及びます。信じられない…。本作は、生還者の1人が出版した体験記をさらに緻密に調査、フィリピン国軍とアブ・サヤフ両方の全面協力により製作されました。

犯行グループは今も逃走中で、2012年9月手配犯の内2人が逮捕されたそうです。あの時、いったい何が起きていたのか?映画は、何も知らない日本人や世界の人に訴えます。
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