だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

贋作の夫婦

2011-01-08 21:50:12 | 映画
昨年、知人がイタリアのトスカーナへ旅行へ出かけました。旅先で撮ったという写真を見せていただきましたが、自然に恵まれた美しい景色の数々。ワインを作っている有名なワイナリーや、広がる大地にすっくと伸びる糸杉。

もちろん、トスカーナと言えば世界遺産の宝庫。カンボ広場で有名な“シエナ”、“サン・ジミニャーノ歴史地区”、ワインの産地“ピエンツァ”、そして有名な“ピサの斜塔”と、観光地がたくさんあります。行かれました?

映画ファンは、トスカーナを舞台にした映画を思い出しますね。ベルナルド・ベルトルッチ監督、リヴ・タイラー、ジェレミー・アイアンズ主演「魅せられて」(96)。レオナルド・ピエラッチョーニ監督・主演「踊れトスカーナ!」(96)。

アンドレア&アントニオ・フラッツィ監督、イザベラ・ロッセリーニ主演「ふたりのトスカーナ」(00)。 オードリー・ウェルズ監督、ダイアン・レイン主演「 トスカーナの休日」(03)があります。きっと、もっとあるでしょう。

イラン・テヘラン出身のアッバス・キアロスタミ監督。代表作には「友だちのうちはどこ?」(87)「そして人生はつづく」(92)「オリーブの林をぬけて」(94)「桜桃の味」(97)「風が吹くまま」(99)などがあります。

私が見たのは、「明日へのチケット」(05)。この作品は、エルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ、ケン・ローチの3人がそれぞれのエピソードを監督し、1本の作品に仕上げたもの。監督の最新作が、「トスカーナの贋作」(10)です。

南トスカーナ地方の小さな街アレッツォ。イギリス人作家ジェームス(ウィリアム・シメル)は、講演のためこの地を訪れます。ここで彼はギャラリーを経営するフランス人の女性(ジュリエット・ビノシュ)と出会います。

新作のテーマ“芸術におけるオリジナルと贋作の問題”について、議論を交わす2人。ある日、2人は美しい村ルチニャーノにドライブに出かけ、カフェの女主人から夫婦に間違われます。2人はそのまま、夫婦として振る舞うようになります。

映画は、終わりを告げる夜9時の鐘が鳴るまでに、何が真実で偽物なのかを描いていきます。果たして?見ている貴方も迷うかも。ちなみに監督が母国イランを離れて、初めてイタリアで監督した作品。

ジュリエット・ビノシュは、本作でカンヌ国際映画祭女優賞受賞。ウィリアム・シメルは、英国のバリトン歌手。映画初出演。ステキ!
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