眠らない街

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竜王戦第7局~渡辺防衛

2008年12月24日 | 将棋


第7局の大盤解説会で、▲6一飛△4一香▲5四銀成△3五角の数手を目の当たりにし、羽生が実際に負けた時、このマンガのこのシーンが思い浮かびました。

また、局後思ったのは、こういう敗戦の夜、羽生は1人で何を思うかということ。
「3月のライオン」の桐山くんのように、走り回った挙句、絶叫するのでしょうか?
何かにすがりたい夜もあるだろうし、気丈に振る舞っていたいとも思うはず。
羽生は孤高の勝負師として、自分の感情にどう折り合いをつけるんだろう・・・

しかし、土曜日の囲碁将棋チャンネルで、羽生自ら解説をしていたのを見てビックリ。
勝者ならともかく、敗者に解説させるものなんだろうか?
また、羽生が(NHK杯の解説をやる時のような)いつもの調子で、解説していたので二重にビックリ。
羽生にプロ中のプロを見ました。
来年、竜王に再チャレンジして欲しいと思います。憎たらしいまでに強い羽生が見たい!

今回の竜王戦、渡辺竜王のコメントでは、第4局を勝ったのが大きいとのことですが、私的には第2局が大きかったのでは思っています。
第2局は、渡辺竜王が読み抜け(第1図)とポカ(第2図)して負けた対局。


第1図以下、△4二角▲6三歩成△同香▲7三歩成△6五香と進むみますが、△4二角は、▲6三歩成~▲7三歩成を見落とした手。
△4二角でなく、△8六歩▲同金△9五角なら後手相当が局後の結論。
第2図の△8三桂は一見怪しい手だが、▲8三同飛成で後手玉が詰めろ。
しかし、第1図以下の手順で、△6五香は苦し紛れながらも最善の頑張り。
ここで、▲7四となら、手がなかったはずですが、羽生は▲6三とと誤ります。
▲6三と以下、△7四歩▲5三と△同金▲8四銀△6六歩▲6八歩△7五歩と進み、先手の角が封じこまれては一気に勝負形。

この対局が大きかったと思うのは、
「羽生も間違えるんだ」
ということが、渡辺竜王自身実感したと思うから。
第1局で、2枚替+竜+穴熊を相手に、絶妙の大局感を見せつけた羽生でも間違える。
これが、渡辺竜王の拠り所になって、第4局の伏線になったのだと思うのです。