眠らない街

将棋、サッカー、スノボ、マンガとちょっぴり恋愛話など。

3月のライオン

2008年12月03日 | マンガ
2巻が発売されました
渡辺竜王は、しっかり読んでいるみたいですね(笑)

私は、(一応)1巻を買って読んでいますが、将棋マンガとしてはあまり評価していませんでした。
主人公桐山零くんの内面を描く作品という方向性は分かったものの、
「これ、将棋じゃなくてもいいじゃん」
が率直な感想。

「彼氏彼女の事情」のように、恋愛を通して主人公の内面を深くえぐる作品があります。
この「3月のライオン」は、恋愛でなく「勝負と孤独感」で主人公の内面を深くえぐっています。
ただ、勝負に生きるから孤独なのか、元々孤独だから勝負に没頭しようとしているのかと言えば、後者の方かなと。だから、将棋が後付けのような感じがしていたんですね。
また、3姉妹と桐山くんのからみも消化不良気味だった印象。

ところが(ここまで1巻の感想終わり!!)・・・
この2巻!かなり面白い!面白すぎる!!
自分の居場所がないという孤独感を抱える桐山くんは、勝負の世界で自分の居場所を作ろうとしますが、そこでも孤独感を抱いている。
孤独感、独りの時に考えること、勝負に深く入り込めないモヤモヤさ、人と深く関われない感じ、自分について来れない対戦相手への感情などが、実にリアル!!

2巻の最後で、将棋会館を出て、原宿方向に行って、結局国立競技場の裏あたり(背景からの推測)で絶叫するシーンは、主人公のむき出しの感情が爆発して、とても見応えがあった。


一方で、ふとしたことから、3姉妹の二女のひなちゃんの想い人と話すうちに、勝負の世界の孤独感を理解してもらえた時の、理解者を得た喜びと熱く語るシーンも印象的。

桐山くんの感情の振り幅が大きさが、強さと脆さの同居をよくあらわしていて、目を離せなくなります。
しっかし、このリアルさは、ホント半端じゃない
これって生半可な取材じゃ描けないレベルだと思う。恐らく、桐山くんは作者自身なんじゃないか。マンガと向き合ってきた作者の葛藤そのままじゃないか。
「ハチワンダイバー」と匹敵するぐらいの渾身の力作だと思います。
完全にあなどってました。失礼しましたっ!!