眠らない街

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瀬川四段颯爽デビュー

2005年12月14日 | 棋譜
先日、瀬川四段デビュー戦が行われた。竜王戦6組。相手はNECの元同僚清水上くん。

本局以前、色々なメディアが「プロ志望の清水上アマ」という言い方をしているが、彼からそんな話は聞いたことがない。
「チャンスがあればチャレンジしたい気はある」とは言っていたけど、チャレンジするまでが大変なのは、アマ強豪なら説明せずとも分かること。
瀬川四段という夢をつかんだ人の後、次のヒーローを強引に仕立て上げるような報道や風潮はどうかと思いますけどね

本局の客観的な感想としては「残念」の一言
瀬川四段は実力を遺憾なく発揮したと思う。
対して清水上くんは5時間という持ち時間に慣れていないのか、または、腰が浮ついていたのか、本当にらしくなかった。
急所での短考、持ち時間を残したままでの敗戦。熱血T師範の苦言が聞こえてくるようだ。
      
第1図以下:△6五歩▲5七銀△8四歩▲1五歩△2二金▲6八銀△8二飛▲6七歩△3二玉▲4八飛(第2図)

第1図で優劣がついているとは考えにくい。
しかし5手後の△2ニ金までの進行は、後手が悪いことを認めた手順である。
△6五歩?△2ニ金?数手の間にあり得ないと思う手が2つも出た。
後手の狙い筋は△7五歩▲同歩△6五銀。△6五歩はこの筋を消しているし、△2二金のように形が歪んで幸せになった試しはない
第1図で△7五歩▲同歩△6五銀はなかったのかなぁ・・・

第1図の局面での消費時間は、瀬川2時間50分、清水上1時間40分。
10手進んだ第2図の局面での消費時間は、瀬川3時間41分、清水上3時間16分。
清水上くんは、アマチュアの大会で悪い局面を決定的にダメにしない指し方で勝ちを積み上げてきた。
しかしこの10手1時間36分は本当につらい時間だったと思う。隣で名人が見てるし、条件も相手も悪かった。第2図の▲4八飛が絶好の1手!
      
第2図以下:△3三桂▲4六歩△2四歩▲4五歩△同歩▲3五歩△同歩▲4五桂△4四歩▲3三桂成△同金▲4五歩(図略)

瀬川四段の▲3五歩~▲4五桂が当然とはいえ、腰の入った手順。最終手の▲4五歩で後手保たない形だ。本局は105手で瀬川四段勝ち。
瀬川四段は次の目標に向かって幸先の良いスタートを切った。

#特別対局室で森内名人の横で指した清水上くん。舞い上がったのかな(笑)