セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「僕らのミライヘ逆回転」

2013-06-16 22:34:11 | 映画日記/映画雑記
 「僕らのミライヘ逆回転」(「Be Kind Rewind」2008年・米)
   監督 ミシェル・ゴンドリー
   脚本 ミシェル・ゴンドリー
   出演 ジャック・ブラック
       モス・デフ
       メロニー・ディアス
       ミア・ファロー 

 とても笑いのレベルが高くて・・・。
 持ち合わせの少ない僕には、ちょっと合わない作品でした。

 話が始まりだす(映画製作)までが長すぎるし、J・ブラックの存在が、そ
れが持ち味なんだろうけど鬱陶しくて暑苦しくて勘弁して欲しかった。
 こうなると、基礎点がマイナス20位になってしまって、とても不利な状況。
 そして展開部。
 僕にとって、ここは「見立ての世界」(塩を見て「雪」、湯呑みを逆さに置
いて「娘道成寺」)でやり過ごすしかなかった。
 それが1時間・・・。
 「あんなの面白い訳ないだろ」なんだけど、それを観て皆が面白がって
る世界を「約束事」として受け入れなければいけない。
 これは、ちょっとキツかった。
 プロの仕事を素人が工夫して一生懸命、真剣にやってるオカシサは解
かる積りなんですけどね。
 そして、「まとめ」の部分。
 ここは、それなりに良かったかな。
 まるでキャプラの世界。
 でも、捻くれて考えてしまうと、町の学芸会を町の皆で楽しんでるに過
ぎない感じ。
 まァ、涙もろいので、熱くなるモノは感じました。

 こういうシチュエーションって、僕も以前、考えた事があるんですよね。
 自分達の「町の物語」を、町の人達でミュージカルにしてしまう、って。

 設定部をスピーディに、展開部は軽いタッチでも、ご都合主義に頼ら
ず丁寧に。
 それが出来れば、もっと良い作品になったと思います。
 M・ディアスとM・ファローの女優二人に、かろうじて救われた作品。

※これ、最初にラスト・シーン有りきだったんじゃないかな。
 逆算で作った脚本のような気がします。
 尚、原題の意味は「巻き戻してご返却下さい」だとか。
 
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8 コメント

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おはようございます☆ (miri)
2013-06-17 08:46:40
>とても笑いのレベルが高くて・・・。
>持ち合わせの少ない僕には、ちょっと合わない作品でした。

これですよね~。
私も初見時も今回も、ここで引っ掛かって、
どうしても「好きな映画とは思えない作品」です。

何というか・・・映画検定でも受けている感じ?
4年経っても、ここにある映画はまだあんまり見ていないし、
それがこの映画が出来た当時に「当然多くの人が見ている作品」という感じで、
そこがちょっとね・・・。

>そして、「まとめ」の部分。
>ここは、それなりに良かったかな。
>まるでキャプラの世界。

好きではないと思いつつ、良い作品と思えるのはこれが理由かもしれません。
キャプラ監督の良い点に似ているのかも~?

>設定部をスピーディに、展開部は軽いタッチでも、ご都合主義に頼らず丁寧に。
>それが出来れば、もっと良い作品になったと思います。

「良い」という意味がちょっと違うかもしれないけど
やっぱり「映画を愛しています」を感じるところが、胸にグッときます。

あとこの4年間に、他のこの監督作品を見たので、
手作り感へのこだわりを知ってしまったというのが「私の4年間のひとつ」なのかも?

>※これ、最初にラスト・シーン有りきだったんじゃないかな。
>逆算で作った脚本のような気がします。

う~ん、そうかな~?
私は初見時も今回も、最後まで見た後、もう一度最初に戻して、
あの白黒の部分を見て、それで全部納得できました。
この順番で良かったように思います。。。

「ニュー・シネマ・パラダイス」とか、何か分かりませんが、
昔の映画を集めるタイプの作品があったとしたら、お若い方には垣根が高いでしょうし、
全部の世代が納得できる作品は難しいのでしょうね~。


Unknown (宵乃)
2013-06-17 11:14:15
好き嫌いがはっきり分かれる作品ですよね~。わたしも最初の部分はかなり辛くて不安になりました。
リメイク過程を楽しめないならなおさら苦行だったでしょう(笑)
鉦鼓亭さんはプロの撮影の現場を見ているから、入り込めないのも無理ないと思います。

>プロの仕事を素人が工夫して一生懸命、真剣にやってるオカシサ

おかしさというか、わたしは普通に感心しましたね~。
古い映像の雰囲気を出すために、カメラの前にファンを置くとか、そういう工夫を映画に詳しい訳でもない一般人が”よいものを作りたい”という気持ちで編み出してしまうところに感動しました。
映画技術の発展の歴史もこういう事の積み重ねだったんだろうなぁと感慨深くて。

ご都合主義はまあ好きだからスルーできたけど、ここら辺をしっかり描いていれば、もっと多くの人に受け入れられたんじゃないかなぁと思うと惜しいです。

今回もご参加ありがとうございました!
こんばんは! (鉦鼓亭)
2013-06-17 22:53:13
 miriさん、コメントありがとうございます

一応、笑いはしたんですよ。(最初、どうなる事かと思いましたが)

ここにある映画はまだあんまり見ていないし>
miriさんとは、ブランクが似てるんで、僕も余り観てないんですよ。
雰囲気とかは解かるんですけど、これが、あのシーンのパロディと明確に解からないのは、ちょっとツライです。
で、やってる事が、「手作り」といえば聞こえはいいけど、学芸会レベルだから、これを面白がるって関係者だけだろ、ってシラけちゃったのが敗因でしょう。
でも、そこからラストに向けての展開は感情に訴えるものが有りました。

手作り感へのこだわり>これが、この監督のスタイルなんですね、ちょっと、僕には縁遠いものを感じます。
だからなのでしょうね、他の方達のように、これを「映画愛」と素直に受け取る事が出来なくて・・・。
Unknown (鉦鼓亭)
2013-06-17 23:10:03
 宵乃さん、コメントありがとうございます

最初の部分はかなり辛くて不安になりました>
僕も全く同じで、「はァ、まだ1時間以上あるのか・・・」(笑)

リメイク過程を楽しめないなら>ことも無かったんですけど。
ただ余りにチャチすぎて、笑いながらも、どこか半分シラケてる感じでした。

ラストも、「いい話」で感動はしてるんですけど、やっぱり、どこかで「んな訳ないじゃん、話上手すぎ作りすぎ」って、頭の中の捻くれた奴が嗤ってるんですよね、コイツを押さえつける事が出来なかった。

残念ながら、「次回を楽しみに」の結果になってしまいました。
おはようございます☆ (miri)
2013-06-18 08:31:31
>これが、この監督のスタイルなんですね、ちょっと、僕には縁遠いものを感じます。

PCでは言葉だけなので、うまく伝わるか不安ですが、
この監督の「作風」がこうではなくって、

私としては単純に「セット・大道具・小道具等」の事を書きました。
他の作品で(少女趣味かもしれないけど)本当に素敵な「手作り」をしていらっしゃいます。
見てね、という意味ではなく、誤解してほしくないので書きました。。。
ウザかったら、ゴメンネ☆


こんばんは! (鉦鼓亭)
2013-06-18 22:21:27
 miriさん、コメントありがとうございます

そういう意味でしたか!
了解です。

ウザかったら>それはないのでご安心下さい。
何度でも結構です。
Unknown (マミイ)
2013-06-19 06:01:15
>J・ブラックの存在が、それが持ち味なんだろうけど
>鬱陶しくて暑苦しくて勘弁して欲しかった。
おっしゃる通り、ジャック・ブラックは暑苦しい
エゴイスティックな勘違い野郎の役が多いです。
(で、後に改心するという・・・ワンパターン。
私は好きなんですけど。笑)
今回はアレでもちょっと薄い方なんです。
あの暑苦しさははまると癖になるんですが、嫌いな方も多いですね(^^;

>それを観て皆が面白がってる世界を「約束事」として
>受け入れなければいけない。
皆さんの意見を読んだら
自分の頭の中がいかにお花畑であふれてるかがわかりました(^^;
現実的な事は完全に忘れちゃってました。
Unknown (鉦鼓亭)
2013-06-19 22:46:18
 マミイさん、コメントありがとうございます

今回はアレでもちょっと薄い方>ヒエー!(笑)そうなんですか。
個性的な顔立ちって大好きなので、次回からは、その積りで見ます。
もしかしたら、嵌るかも・・・。

お花畑>映画もレストランも、自分の感性が一番大事。
他人が美味いと言ったって、自分に合わなければ意味ないし、人がどうこう言おうと自分が美味しければ、それでいいんだと思います。
他人に合わせてたら、大事な自分の感性、個性を殺してしまうんじゃないでしょうか。
(それに、この映画、Yahoo!のコメントを読むと、僕と似た意見の方が圧倒的に少数ですよ~笑)

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