セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「1917 命をかけた伝令」

2020-08-15 21:20:43 | 映画日記/映画雑記
 「1917 命をかけた伝令」(「1917」、2019年、英・米)
   監督 サム・メンデス
   脚本 サム・メンデス   クリスティ・ウィルソン=ケアンズ
   撮影 ロジャー・ディーキンス
   音楽 トーマス・ニューマン
   出演 ジョージ・マッケイ
      ディーン・チャールズ=チャップマン
      コリン・ファース  ベネディクト・カンバーバッチ

 スクロールゲームのような作品。

 第一次大戦の西部戦線、ドイツの功妙な戦略的撤退に惑わされたイギリス軍、しかし、攻撃直前に罠と気付く、明朝のデボンシャー連隊の総攻撃が開始されると大兵力の反攻突破で連隊のみならず戦線維持すら危うくなってしまう。電話線を尽く切断された今、危機を連隊に知らせる為、二名の兵隊に伝令を託すしかなかった・・・。

  予告編 https://www.youtube.com/watch?v=GyGosOlFlZE

 ワンカット風に作った作品、それによってリアルな臨場感を得ようとしたのだろうか、が、ワンカットという制約が有れば主人公たちが目的地に到達するのが約束されてしまう(偶然、居合わせる味方に託すというテはあるが)、二人ともやられちゃったら映画、そこで終わっちゃうもの。
 となると、道中のイベントで終わりまで持ってく事になる、これが、最初はいいとして、段々、ネタ切れなのか、偶然、出会う味方部隊、何故か助けてくれるドイツ女性、この為に持たせたような赤ん坊のミルク、遮るものない壊れた橋の欄干をソロリソロリと進み、まるで射的の的状態なのに当たらない敵の弾、ご都合主義のオンパレード、死んじゃ困るとはいえ昔々のハリウッド戦争映画を見てる気になってきた、違うのは映像の綺麗さと多少のリアリズムくらい。
 評判良いけど、本当にこれでいいの?(汗)
 ラストシーンもね、OPシーンとの対比なんだろうけど極めて安直、戦争の無情さを描きたいのは判るが感傷に過ぎる、戦争は終わらないのだからOPと同じ数にした方が「やるせなさ」が感じられるのではないでしょうか。カンバーバッチ演じる大佐が言うように「明日になれば、また、同じような事が繰り返される」のだから。

 飽きずに面白くはあるけど、ゲームと同じで終わってしまえば用済みのような消耗品、そんな感じの作品でした。

※今日観た「突撃」でも思ったが、女を出さなきゃいけない掟なんぞないだろうに。

 R2.8.9
 DVD
コメント
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