セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

2014年 キネマ旬報ベスト・テンと「そこのみにて光輝く」

2015-01-15 22:27:39 | 映画感想
 キネマ旬報のベスト・テン及び各賞が発表されたようです。
  http://www.kinenote.com/main/kinejun_best10/2014/award/

 「そこのみにて光輝く」
 キネマ旬報邦画部門1位。
 僕のベスト10でも、新作部門3位でオールタイム・クラス10位。
 主演女優賞候補に池脇千鶴、助演男優賞候補に菅田将暉。
 記事を書く積もりは無かったのですが・・・少しだけ書いてみます。

  監督 呉美保
  脚本 高田亮
  原作 佐藤泰志
  撮影 近藤龍人
  音楽 田中拓人
  出演 綾野剛
      池脇千鶴
      菅田将暉

 貧乏が更なる貧乏を呼び、貧乏が全ての不幸を呼び込む。
 画面の隅々まですえた匂いのする、「みんなビンボが悪いんや」という作品。
 2013年の「共喰い」と同じく、地方都市の底辺に生きる人達の、どうしよも
ない遣る瀬無さと強烈な閉塞感は素晴らしい程に良く描けてると思います。
 でも、昔からこの手の作品は、どうにも好きになれない。
(邦画の暗いジメッとした4畳半物語)
 西洋の貧乏物語は平気なんだけど、邦画だとダメなんですよね。(汗)

 池脇さん、演技も良かったけど彼女の肩からふくよかな二の腕にかけてが
ね(笑)、美しくはないのだけど何ともエロっぽくて実に女盛りって感じで、演技
を超越してました。(汗)
 只、この役、彼女のベビーフェイスが邪魔しています、ドスを利かせる時に凄
味が出ないんですよ。
 菅田くんは、どうにもならない鬱屈を抱えながらも、あくまでも軽薄に生きてる
ダメ男振りが良かった。
 (まるで「傷だらけの天使」の水谷豊だったのが、ちょっと難点)
 最後の見せ場も含めて、主役を喰っていたと思います。

※この先、何が有るかは知らないけど、僕にとって、この手の作品は「祭りの準
 備」一本有れば、もう充分。
 これは観た年齢なのかな、もし今が二十歳頃なら、この作品や「共喰い」が「祭
 りの準備」の位置を占めるのかもしれません。
※「東京の人には、この感覚、きっと解らないと思う」、福井出身の義弟に言われ
 ました。
コメント
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