laisser faire,laisser passer

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地味?滋味?

2011-12-08 | kabuki a Tokio

元禄忠臣蔵@国立劇場見てきました。(刃傷・御浜御殿・大石最後の一日)

個人的に新歌舞伎、特に真山ものは好みじゃないんだが、吉右衛門だし、若手ごっちゃり出てるし、で一応参加。って感じの気の無い観劇でした。

まだ前半ということもあり、御大吉右衛門丈のせりふは、なんつか、いろいろ面白いことになってました。初日に見た人に聞くと、プロンプべったりだったということだったんですが、この日はそこまでプロンプは気にならず。逆にプロンプがないゆえのオリジナリティwwwが爆発してまして。
主語をあちこちで取り違えていて、なんとか述語で挽回しようとしてかえってぐちゃぐちゃになったり、同じ台詞を違う場面で二回言っちゃったり。どっちが正しい位置だたのか不勉強でわかりませんでしたがw。
主語の取り違えにより、浅野内匠頭が存命みたいなことになったりしたときにはさすがにやばかったです。途中からあまり台詞の中身を聞かずに(爆)名調子だけに酔うことにしました。
そしたら気持ちよすぎて眠りそうに・・・ははは。

まあうまいことは確かだし、新歌舞伎に名調子の台詞は不可欠だからいいんじゃないでしょうか。

この御大を支える脇役陣がどれもこれもすばらしい。いやすんばらしいといってもいい。なんかわかんないけど、「ん」をプレゼントしたくなるほどすばらしいのです。
特に御浜御殿・又五郎の助右衛門はあたしが生で見た中でのベスト助右衛門。絶対に!
台詞の緩急(しかもスーパー自由な吉右衛門の台詞の相手しながら!)といい、感情のほとばしりといい、技術と情感のバランスが絶妙で、もう、台詞劇の醍醐味を見せられてただうっとり。
能舞台の場面で叢に隠れる所作なんかは思わず、テレビでしか見ることが出来なかった富十郎の助右衛門をおもい出してしまった。体型も似てるし、なにより魂を受け継いでると思った。
同じく御浜御殿のお喜世と、最後の一日のおみのの芝雀も、ものすんごく(ここでも「ん」をプレゼント!)よかった。
お喜世なんて対して重要じゃない役かと思ってたんだけど、この日の芝雀の存在感で、はっきりと、綱豊への愛と信頼、助右衛門と浅野家への忠節と義理、そんななかで武家の娘として悩んでいる姿がとてもよくわかった。今までの喜世ちゃんってただ綺麗でなよなよしてるだけだったからわーーーっっと泣き崩れるところが唐突だったんだけど。
おみのも同じ。ただ可愛くて磯貝(錦之助もとてもよかった)への愛を確かめたい!だけじゃなくて、きっちり武士の娘としての意地を通してるおみの。だからこそかえっていじらしくて悲しい。
そしていわずもがなの渋い役どころをきっちりこなす歌六。さしたる見せ場はなかったけど、最後の日の堀内はさすがの芝居で大詰めを閉める。

吉右衛門が少々台詞でふらふらしていても、微動だにしない、「吉右衛門劇団」の底力を見たような気がした。
吉右衛門と勘三郎が今後本格的に仲良しwになれば、歌六や又五郎とも共演のチャンスが増えるかも、と思うと新勘九郎ファンとしても楽しみだ。


さて、こっからはミーハー部門。

吉右衛門が飼育中wの若手ぼっちゃんウォッチングも楽しみの一つなのだが、今回若手はあまり見せ場がなかったかな。種之助なんて台詞いっこくらいしかなかったし、ちっちゃいから目立たない。種太郎歌昇はちっちゃいけど頭がでかいから目立つけどw。頭がでかいといえば、内記で初めて大人の役に取り組んだ鷹之資。もちろん子供だから固いし棒読みなんだけど、端々に気品が感じられてなかなか良かった。中村座の虎ちゃんと、国立の鷹ちゃんと。平成二桁生まれも出てきますなあ。って今調べて虎ちゃんは二桁生まれだと知ってびっくり。タカノスケといっこ、玉ちゃんと二個しか違わないのね。しっかりしてるわ、やっぱり。
太刀持ちの米吉はときどきぷるぷるしてた。梅丸ならそんなことはなんだろうけど、今月は日生に出稼ぎに行っちゃってるからなあ梅丸は。
御曹司ウォッチャーとしては痛恨だったのが、玉太郎に気づかなかったこと。巡礼の子で出てたのだが、自分が下手側に座っていたので下手から出てきて上手に去っていく巡礼の顔が一度も見えなかったのよ。まあ、通常の子役だと思ったってことはへたっぴじゃなかったんだわ、と自分で自分を慰める。

ちょこちょこ寝たり、やっぱり新歌舞伎はたるいなあと思ったりもしながら、いい役者のいい芝居をしっとり(たまに寝ながら)みるのもこれはコレで歌舞伎の楽しみの一つだなあとも思った。
勘太郎の関の扉なんて、毎日見てたら神経磨り減るか、血管切れるか、しちゃうもんなあ。

 

ついでに追記。

自分用メモ。ひよこ御曹司(部屋子含む)学年表。平成23年12月現在推測。
平成5~15年生まれ。selected by lavie

高卒(大学行ってれば一年) 種之助
高3 広松 米吉 隼人 児太郎 
高2 小吉 錦成
高1 男寅 龍之助 鶴松 国生 
中3 梅丸
中2 宗生 虎之介 
中1 
小6 千之助 玉太郎 鷹之資
小5 吉太朗 
小4 宜生

かぶき手帖で調べてわかったこと。
役者の息子は結構早生まれが多い。学年計算するの面倒だった。間違ってるかもしれない。
うちのナオヤも早生まれだわ、そういえば。

 


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2 Comments

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Unknown (キアラ)
2011-12-12 21:58:07
私もちょうど同じ日に観劇しました!
真山青果はわたしも苦手だった(と思いこんでいた)のですが、久しぶりに見たら新鮮で面白かったです。
助右衛門よかったですね。
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Unknown (laviedure)
2011-12-13 22:13:11
やっぱり?
似た方を遠くからお見受けしたのですが
お母様?とご一緒だったので遠慮しました。
メールしようと思ってて忘れてたw
吉右衛門が衰えていく(役者として衰える前に人として老いていく感じ)のはさびしいですが、
息子を溺愛しないで済む分、後進を見事に育ててると思いました。
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