laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
楽しく気楽につぶして生きてます。

衝撃の銀盤デビュー

2018-04-28 | spectacles

ドーナツスピンやってたら溶けてバターになりました。って銀盤の横の客席ですよ、もちろん。

いやあちょっとはまってもうたかもしれん。

てか蓬莱の芝居に引き続き4月後半はめっちゃ感動にあふれた日々になってしまったなあ。

 

PIW(と略せばフィギュア界では誰でもわかるらしい)プリンスアイスワールド45周年記念というヤツを見て来たわけです。

生まれて初めてなので、とにかく右も左もわからん。新横浜うろうろしてたらサッカーや野球のユニ着た人が凄くたくさん。スポーツタウンなのだねぇ。さすがにフィギュアの衣装着た人はいなかった。

スケート場は寒い!とは思ったのでストール、靴下、耳当てなど持って行ったのだけど、それでも寒かった。氷なめんな。寒いなあ・・・と思ってたのは前半までで。

プリンスアイスチームの方々は統制も取れてるし、もちろんスケートもとっても上手なのだけど、たとえば最初にゲストとして現れた安藤美姫を見たとき「わ、モノが違う」と思っちゃったの。技術もさることながら見せ方というか場慣れ感というか。ま、世界チャンピオンと比べちゃ可哀想か。

そういうわけで、プリンスアイスワールドでありながら、プリンスじゃないゲストさんたちに夢中になってしまった。ま、ほとんどの客がゲスト目当てらしいんですけど。

本田真凛がこんなに可愛いとは!樋口新葉は氷上の村上茉愛だねぇ。バネがすごい。友野なんとかくんはよくわからん。田中刑事人気あるなあ。。。。わあ、本田のおっさんまだ滑ってるんだ!安藤美姫や村上佳菜子はさすがだねぇ。。。と、ほかのゲストの感想は一言ずつで片付けましたw誰か忘れてるかもしれないけど。忘れてるって事はそういうことだ。調べない。

 

んで。殿です。ずっとフィギュアで一番好きなのは殿だった(謎の過去形)。美しいスケーティング、切れのあるジャンプ、からのふんわりとした着地。見ていて快感を得られるスケーターナンバー1はこの人しかいない(これはまだ現在形よ)。やっぱり生の方が数千倍素敵。そして、生の方がずっとかっこいい。てか滑ってると本当にかっこいい。タケノコと言われる、両手揚げてのトリプルジャンプ。。これ、現役の誰よりも綺麗なんじゃないの?平昌の3枠目に入っても遜色ないんじゃ?と思えるほどの技術レベルを維持しつつ、表現力は格段に上になってる。殿すげー。これはやっぱりまっちーより殿だな。などと大感動していたのですよ。うん。また過去形。

 

最後にどえらいヤツが来た。
そもそも何度も見たいなあと思いながら寒いし、高いし、で思いとどまっていたアイスショーを行こう!という気にさせた憎いヤツwまっちーこと町田樹。

平昌のスタイリッシュな「書き言葉解説」に惚れ込んで、これだけの事言えるこいつがどんな滑りを見せてくれるか、見てやろうじゃないか!言行不一致だったら承知せんぞ!みたいな感じで乗り込んでいったわけですが。

いやあ言行一致、どころか言を行が軽く超えていってました。

ボレロ。

あのボレロですよ。

いや洋服じゃなくて。

ラベルの。モーリスベジャールの。そして私にとっては唯一無二のジョルジュドンの。

何人ものバレエダンサーで、狂言師で、日本舞踊家で。ボレロ見て来たわけですが、やっぱりジョルジュドンよね、という結論は数十年不動でした、いや、まあ今でもそうかな、とは思いますが。

町田のスケートによるボレロの表現は、ジョルジュドンに極限まで近いようで、実はまったく違うもの、というイメージ。うーん。見てもらえばわかると思うんだけど。

表現を変えて言えば、スケートが限りなくバレエに近づいて見たら、そこに、スケートとしての特質がくっきり浮かび上がったというか。まだわかりにくいなあw

死に向かってひたすら踊り惚ける町田の姿を見ながら久々に「赤い靴を履いた少年」という言葉が脳裏に浮かびました。勘太郎

(当時)少年を好きになった時に浮かんだ言葉。もちろんオリジンはアンデルセンの童話で死ぬまで踊り続ける運命を持った靴の話。

勘太郎に引き続き二人目の(私にとって)赤い靴を履いた少年がいた!と思ったのでした。

 

町田のボレロの写真、webで見つかったのですが、実はこれがことごとく気持ち悪いw

あんなに感動したのに、スチールだとキモイ。彼の素晴らしさは動いてないと伝わらないのかな。というわけでここに掲載するのはやめます。万一興味を持った方は、ググってみてください。そしてわーきもい!と思ってください。ふん。あんたには生の感動は伝わらないのよ(誰と戦ってるんだ自分)。

これまた、もう一度見たい病にとりつかれて(以下蓬莱のときと同文)。7月にある東京公演を取ることで自分を納得させたのでした。

 

大感動ではあったのですが、新横浜のアイスアリーナがあまりにショボかったのと、フィナーレのあとの謎のふれあいタイムっていうスケーターとお話したりお花渡したりの雰囲気に引いてしまったことを付け加えておきます。

そうそう、マッチ-&殿も優劣とか好き嫌いを比べるものではなく、一般受けを考えずに自分の表現世界を突き詰めるマッチ-(ふれあいタイムもプレゼントやおしゃべり拒否)と、底抜けに明るく、わかりやすいスケートを展開する殿(ふれあいタイムでいちばんサービスしてた)は、まるで直木賞と芥川賞みたいに、同じフィギュアスケーターとしても別の世界を生きているようで。どっちもあって、どっちもいい。

うん。両方好き。

二人とも競技を引退してしまっているのが残念無念だけど、競技としてのフィギュアスケートには相当疑問もあるので、私はこっちで十分ですわ!また見る!絶対見る!

 おまけ的に、「ふれあいタイム」で撮った写真を一枚。嫌がりながらちゃんと撮影してるしwこれでも十分キモいかw


人生最高?のベッドシーンを見た

2018-04-25 | spectacles

もう私は絶対蓬莱竜太が好きだ!の確信を得た。

嗚呼いま。だから愛

見て来ました.感動した!

 

…一週間以上時が経過し、短期記憶が苦手なお年頃ゆえ、詳細はすでに靄のなか。それでも、いや、だからこそ?感動は薄れない。

 

容姿にも才能にも恵まれず、つねにイライラしているヒロイン。この造型が容赦ないまでにすばらしい。川上友里という女優は初めて知ったのだが、この役に限って言えば彼女以外考えられないと思うほどのベストな配役。ほかの役者もロランス緑と奥貫薫以外はほぼはじめまして!だったのだけど、特にヒロインの夫役の人(画像にちらっと写ってる)が素晴らしかった。えっと、素晴らしかったので名前調べます。古山憲太郎さん。蓬莱チームの役者だそうです。ってもう有名か。私が知らないだけで。いい人故の嫌味っぽさとか、いい意味での普通な感じが素敵に出せていて・・・

とにかく劇全体が、普通の生活、普通の状況、普通の人々・・・に見せておいてのカタルシス。という個人的にいちばん好みのタイプ。もう後半はほとんど呼吸をするのを忘れるほど集中しました。死ななかったから呼吸はしてたらしいけど。

カタルシスのきっかけになるのがパリのテロ事件、というのも、お仏蘭西に思い入れのある私としては、非常に親近感があった。11月14日に向けてカウントアップしていく手法だったのね、と最後に納得する演出にも。

赤目の転生(当日券に並ぶなんて暴挙に出るほどはまった)以来、二つ目の蓬莱芝居。もう私の「蓬莱好き!」はほぼ確信に変わったね。これまたもう一度見たい病にとりつかれたけど、幸か不幸か行ける日はろくな席がなかった。まあ、蓬莱作品がこの後立て続けにあるので、そっちを全部見ようということで自分を納得させた、というか、数日後のマッチ-&殿(タッキー&翼って解散したのね)の感動で、蓬莱熱を冷ましたwという感じかな。

タイトルの世界一美しいベッドシーンは、画像の夫婦によるものなので、ま、なんというか絵的に美しいわけではない。強烈な、いや熾烈?苛烈?なまでに愛を求めるヒロインの獣のような独白に続いて・・・夫は鼻水まで垂らして泣いてるし。なんというか、原始の愛の交歓はこうだったのでは?と思わせる、シンプルな男と女の足りないものを梅合う感じ。

うん。この二人には幸せになって欲しい。


笑うさつじんまん

2018-04-21 | kabukiza

歌舞伎座夜の部、絵本合邦辻(字は違う)見て来ました。

絵本合邦衛(これでも違う)

ニザさま一世一代と銘打っての通し狂言。

絶対見たことあるはずなのに、最後までちゃんと思い出せなかったw本当、海馬が萎むお年頃。

 

…、でほぼ初見による率直な感想。別にこれなら一世一代でもいいや、あるいはこれ、別に一世一代って大見得切るほどのもの?

仁左衛門的には、ファン的に代表作と言われるもののほとんどがニザ玉もので、そうじゃないヤツで「一世一代!」やりたかったのかなあ。

仁左衛門の芝居に文句はないのだが、いかんせん、芝居そのものが緩くて緩くて・・・

悪の華、とよく言われるような二役なのだが、悪の華、というより単なるサイコキラー。人を殺すことに快感を覚えてるよく似た顔の男二人の話。いわゆる、極悪人というには、二人とも頭悪すぎなんだもん。

殺人現場に証拠残し放題、金の亡者のわりに懐緩すぎ。「二階は見るなよ」に至っては失笑しちゃった。見るなよと言っておいてわざと見させるトリックだろ、と思ったら単純に「見るな」って話だったりしてさ。もうアホすぎて、せっかくのいい男ニザさまが台無しじゃん。

…、ま、江戸時代にあそこまで殺人現場だらけの芝居ってのは十二分に刺激的だっただろうことは予想できます。センセーショナルだったんだろうね。いい男が笑いながら人殺ししまくるってのは。

ここでも時蔵錦之助の萬屋兄弟がいい味出してた。孝太郎も含めて今月、実は大看板二人よりこの三人の中堅で舞台が締まってた、と思うのは私だけだろうか。

 

通し狂言のお約束、的な「本日はこれぎり・・・」だけど、完全に斬られて大見得切って死んじゃったあとでの「これぎり・・・」ってのも珍しかったような。ま、素敵なニザさまなので、許すw

 


時蔵の母性

2018-04-17 | kabukiza

歌舞伎座昼の部見て来ました。感想はいずれ。時蔵良かった。

 

西郷と勝

松緑くんの記憶力テストおよび滑舌改造計画以外なんのみどころもない、かな。
青果作品が持ち上げられる理由がいつまでもわからない見る目のない観客です。はい。

同じ西郷と勝なら、こないだ見た三谷のヤツのほうがまだ面白かったし、真実に迫ってた気がしたよ。へへへ。

勝さんの錦ちゃんは、江戸っ子っぽさは少なかったけど、松緑くんに比べるとさすがに貫禄。

お隣のガイジンカップルが退屈してて、このまま帰っちゃったらどうしようかと心配したw

 

裏表先代萩

いわゆる先代萩のパロディというかない交ぜもの。どっちかというと裏?の世話物が主筋なのかな。裏の主役孝太郎、表の主役時蔵、二人の女形がそれぞれにとてもいい味を出していた。

特に政岡の時蔵、情が薄い人かと思っていたのだが、逆にそこが武家の乳母の心情にぴったりで、泣きすぎたり、母の生な感情むき出しにするタイプの役者(誰とはいわない)より、好きかも。菊五郎に教わったんだとは思うけど、どこか芝翫の古風さもあって。

仁左衛門以外の一座総出演?

ニサさまは夜の部でいっぱいいっぱいなのかもしれないけど、仁木がこれでニザさまだったらまた一回り室が上がったのに、と残念。菊五郎、二役の奴のほうは(足下がちょっとおぼつかないけど)さすがだったのだけど、仁木はなんだかもっさりして見えた。特に花道の引っ込みに怪しさも大きさもなくてねぇ・・・

全体として、とてもヨクできていて楽しめた。お隣のガイジンカップルの女性が涙して感動してたのに、こっちも感動したよ。わかってくれてありがとう!

子供見殺しにする話だから、引かれちゃうんじゃないかと心配だったんだ・・・


ニワトリか卵か

2018-04-13 | spectacles

photograph51@東芸シアターウエスト見て来ました。亀鶴くん目当てだったのですが、亀鶴くんである必要まったく感じられず。

体調が悪かったからつまらなかったのか。つまらないから余計体調悪くなったのか。まさにニワトリが先か卵が先か。

主役のロザリンドさんにそんなこと言ったら「卵が先に決まってるでしょ!」ってしかられそうですが。科学的に考えなさい!とか。w
主役が、そういう感じのギスギスといつもいらついているようにしか感じられず、まあ実際はそうならざるを得ない状況だったのかもしれないけど、2時間近い舞台の主役があそこまで魅力ないと、かなり辛い。

画像を見ると理知的かつ女性としても魅力的で、そんなギスギスした感じは受けないのだけどね。ロザリンド・フランクリンさん。

画像探すのにちょっとググったらニコールキッドマンなんかも演じてるのね。翻訳劇特有の説明的な、棒になりやすい台詞の氾濫。舞台経験の浅い(だよね?)板谷さんには荷が重かったかも。

誰だったらこの芝居引っ張れたかなあ。京香?まあ、どっちにしても亀鶴くんが出てなかったら見なかったと思うけどw

 

つまらなかったし体調悪いのでこれにておしまい。

若手の男性三人がいくらかマシな芝居をしていたかな。とだけ付け加えておきましょうか。


なごり、がっかり

2018-04-05 | kabuki a Tokio

春暁公演楽、かまくら芸術劇場まで行ってきました。当分勘ちゃんの踊り見られないので(と思ってチケット取ったらスペイン公演決まったんだけどw)の感想はま、いずれ書くかなあ。ちょっとタイトル通りだったので。

 

というわけでがっかりなのでごく簡単に。

トータル3回見て、枕獅子は一度しか見なかった。正解だった。

七之助、新作歌舞伎などでは驚くほどの魅力を振りまくことがあるのにどうして踊りはああもダメなのだろう。

巡業だから余計に、なのか。やたら派手に見せれば客は喜ぶんじゃないの?的な。腰高なのに、海老反りだけは派手。毛振りはめちゃくちゃなのに、速度だけは速い。

稚拙、というのとは違ってまったく雑。見ていて不愉快になる踊りだった。

 

鶴亀と浦島は三回見たけど・・・鶴亀は、下手な弟子はちっとも巧くならないなあ・・・というのが正直な感想。一か月近く躍り込んでるのに、進歩が感じられない。仲助好きなんだけど、踊りに関してはまったく気迫が感じられないんだもん。どうせぼくなんて、仲侍にかなわないのよねぇ。って全身で言ってる感じ。いてうは丁寧に踊っていて、好感が持てる。

ちなみに今現在中村屋の踊りランキングをつけるなら

ベスト3は勘九郎・鶴松・中侍じゃないかしらん。七之助は4番か5番をいてうと争ってる感じだ。

 

で、不動のナンバー1(当たり前か)の勘九郎だけど。うーん。初日のがいちばん良かったかも。

昼の部では珍しく2枚扇を落としていた。それだけじゃなく、あちこちで、あれっと思わせる動き。勘九郎の踊りで「雑」という言葉がよぎったのは初めてかも。もう、心はマラソンランナーになっちゃってるのかw

夜の部はさすがにラストだけに締まってたけど。それにしても年老いた浦島で大笑いする客の多いこと。最初は笑っていても、最後は寂寞とした感情にとらわれるように、そこはちゃんと踊ってると思うんだけどねぇ・・・

 

大船くんだりまで出かけて行って、この程度のものしかみせてもらえないのか、と正直がっかりしたのでした。

 


名残が頂点

2018-04-01 | la vie quotidienne

結構日本全国、いや海外も含めてあちこちで桜を見て来たつもりですが、ベスト3には確実に入るかな、のいい桜でした。てか、いいライティングでした。夜桜はライティングの巧拙で左右されるね、と痛感。

聞きしに勝る混雑で、世界混雑行列嫌いコンテストをしたら絶対ベスト10に入る自信のあるワタクシにとっては苦痛以外の何者でもなかったのですが、それでも視線を上にやればこの幽玄の美!

自由に歩けない苦痛を一瞬でも忘れたことは人生初だったかもwそれくらい素晴らしかったです。

照明会社が技術の粋を傾けて年に一度だけほぼボランティアでやってるらしい。すんばらすい。

何も調べずに出かけて行ったらなんと満月とのコラボだったのね。そりゃ混むはずだ。(中央で花びらと同化してる真円が月ですw)