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laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
楽しく気楽につぶして生きてます。

まいど!おいぇど!で暮れてゆく

2018-12-26 | spectacles

2018エンタメ納めは話題のwジュリーさん。

有楽町フォーラムはちゃんと客入ってましたw

 

画像その1はOLDYOUNG GUYS ROCK

柴山さん可愛かったんだよね・・・

 

画像その2はいつの間にかフォルダーに入ってた。これ、ネットのどこで拾ったかも覚えてません。ので、無断使用になりますね。済みません。ごめんなさい。関係者の方の目に万一とまったら文句言ってください。即刻引っ込めますんで。でも、可愛い!し、今回のツアーはマスコミ入れてないので盗撮画像しかなくて、さすがにそれは使いたくない。。。言い訳はこれくらいで。

めっちゃかわいいやん。左から言い訳会見サンダースおじさん。ペットボトルまで持ってるw

真ん中がツアーの最初の衣装。えらい不評のようですが私は大好きです。最初はもちろんピエロに見えて、ライティングによっては宇宙飛行士に見えたり、片肌脱いだら落人にも、物の怪にも見えた。透け感とゆったり感とふわふわ感が、一般人とは全く違う何かの生き物感を醸し出していて、まさにジュリーさんの面目躍如。

武道館では滑稽に見えたピエロが、痩せたせいか、哀愁味も感じられて、フェリーニの世界のようだったの。

似合ってるといえばアンコールのキルト姿(右)もなかなか。そしてこれまたタダのおっさんじゃない感だけはキープしてて。

しかし、本当に巧く作ってる。技術だけじゃなく、御大への愛まで感じられる素敵な作業ですよね。敢えて眼瞼下垂をリアルに作ってるのも私は好きです。

 

さて、肝心のライブ感想。

好きな歌はほとんどないのは知ってたし。

ギター一本の音楽性があまり・・・なのも知ってたし。

多くを期待してなかったせいか、特に画像2の説明のところで先走りしてしまったように、衣装含めたパフォーマンスがなかなか良くて、エンタメとして楽しめました。

 

気に入ったのが、ジュリー演歌路線の二曲。あなただけでいい、と雨だれの挽歌。どっちもリアルタイムではあまり好きじゃなかった(それこそちょっと演歌ちっくじゃない?)のだけど、野太くなった今の声になかなか合う。歌詞の内容は若ジュリーに向けられてるんで違和感はありましたがw

やっぱり全盛期に作られたプロの曲はメロディーラインがちゃんとしてていいなあ。(はい、最近の曲を貶してます)

違和感といえば、我が窮状で「にほん」と歌ってたのを「にっぽん」に変えたのはなにか意図があるのだろうか。今回だけの気分?歌い間違い?

ACBの歌詞が時代で変わるのはご愛敬。カムイ外伝から外が取れたり、なんか歴史の勉強中なのかしらんw

などと、例によって立ったり座ったり客席観察したりしながらウォッチング。

 

トークでは騒動後の取材依頼の話が面白かった。

若い頃のジャケット写真特集の依頼には「秀樹とちゃうねん。。まだ生きとんねん。回顧には早い」。

秀樹回顧特集?で野口五郎との対談?の依頼には「それ、郷ひろみくんを措いてほかにないでしょ。御三家のお邪魔はできません」(ワタクシ、ひろみに断られてジュリーに話が言ったんだと思いましたがw)

大晦日の埼玉アリーナwでの格闘技中継に君が代斉唱で出演依頼があったこと。格闘技・・・まで聞いたときには闘う方の依頼かと思ったw

 

来年以降もギター一本喉一つでやるならそれでもいいけど、せめてベースかドラムかあるいは百歩譲って御大のタンバリンでもいいからw

リズムを刻む楽器を加えて欲しいなあ。リズムがおばちゃんたちの手拍子しかないなんてあまりに悲しい・・・

 

またタイトルの説明忘れるところだった。

関西で恒例らしいJ「まいど!」ファン「おいど!」のかけ声の東京ヴァージョンを考えたらしく

「まいど!」「お江戸!」を練習させられました。おえどのえを、いとの間の微妙な発音で・・・との指導に、ウーアクサンテギューじゃんと思ったフランスかぶれです。ちなみにウーアクサンテギューってこれです。é

発音がイェって感じ。つまりOédoオイェドですね!

コーラス客席にさせたり、かけ声練習させたり、お辞儀もいつもより深々と・・・なんとなくあの騒動以降ファンにたいして少し優しいというか媚びてるというか・・・まあこれくらいの媚びなら許してあげますがwこれ以上媚びるとジュリーさんじゃなくなっちゃうので、この程度でやめておいてくださいね。ひひひ。

 

会場が有楽町フォーラムだったので開演前はああシャルルをここで見ることはもうないんわ、としんみりしてしまった。

せめて御大にはお元気で、毒と美声を吐きながらのステージを続けていっていただきたい。と願いを述べて

本年のワタクシのエンタメブログの締めといたします。

はい、もう今年は書かない宣言!

 

数少ない読者の諸兄諸姉にも幸せなイノシシドシが訪れますように。

 

 

 

 


キネヤ!

2018-12-19 | kabuki a Tokio

国立劇場、播磨屋の五右衛門モノ、外題忘れたけど見て来ました。

なぜか16時開演と思い込んでいて同行者から電話があって慌てて出かけたのでパート1は見損ねました。パート2とパート3wを見た限り、まあ見なくてもよかったかな、とは思ったけど、タイトルのキネヤさん。稀音家 新之助 の三味線が素晴らしかったので、まあいいです。本当、久しぶりに地方さんの名前を調べてしまったくらい、すんばらしかったです。勝国なんかより数十倍巧いと個人的には思った。

というわけでこれ以上の感想は書かないかな。

播磨屋さんは相変わらず台詞素晴らしいけど足下とかいろいろ怪しい。もっと足下が怪しくなってるのが東蔵さんで。そろそろ女形はきついかも。裾捌き、ヒヤヒヤしちゃった。


そして、この芝居、見たことある気がしてたけど見てなかったかも。あんな息子と継母とのお涙ホームドラマ初めて見た気がする。つづら抜けは確かに見たことあるんだけどね。以前のつづら抜けよりもっと省エネっつか、つづら座りになってたけどw

五右衛門モノもいろいろあるんだろうね。


赤玉人形白玉傾城

2018-12-16 | kabukiza

歌舞伎座夜の部、二度目(阿古屋は三回目)です。いよいよ(lavie的)真打ち、児太郎登場!

期待しすぎたのか、順番間違えたのか、好きすぎてドキドキしたこっちのせいか、張り切って一階前方席に陣取って細かいところまで見えすぎたのか(たぶん全部)そこまで感動はしなかったかな。で、全部見終わったざっくりした感想はタイトル通り。玉様、いろいろあるけど、存在感はやっぱり歌舞伎界の大女王さま!(立女形っていうより、女帝っていうより女王さまがぴったり)。

阿古屋

上に書いた通り期待が肥大しすぎたのかもしれない。

正直梅枝の阿古屋を見たときのようなびっくりするほどの新鮮な感動はなかった。

花道の出は素晴らしかった!堂々として、大きくて、しかもたおやかで。それこそ「女王さま」を超えて「女帝」歌右衛門の面影を髣髴させるくらいの(って、生で見たことないんだけどねW)存在感。これでまた期待が超絶に膨らんじゃったんだわね。

 

そこからが・・・芝居も演奏も正直梅枝に及ばず。容姿は玉様に遠く及ばず。
席が近すぎたのが災いしてか、俎帯をごそごそ動かそうとする所作が(三味線弾くのに邪魔だからずらすんだけどね)そそくさと見えちゃって、素の児太郎どころか、ゆうたに戻ってるように見えてしまったり。素のゆうたは、三味線と胡弓で音外した時にもちらほら見え隠れしてたなあ。

ま、何があっても好きよ、という程度に児太郎にはやられちゃってるんで、許容範囲なんですけどねwwwww

率直に言って、梅枝の凄さを再認識することになったのは確かです。

三人の阿古屋を一度ずつ見たんだけど、もう一度見たいのはやっぱり梅枝かなあ。この役に限っては。

あと、赤玉人形の謎ですが・・・最前方からオペラグラスで何度か凝視するという怪しいマネをしたのですけど、結局謎。目の上に直接目を描いてる?細い目とぎょろ目の2パターンがあるのは確かなんだけど、細い目も自前の目とは違うみたいで・・・いやあ1000円払ってもいいから謎を知りたい。それ以上ならいいやw

 

あんまと泥棒

二度目でほぼ同じ感じで・・・というわけで途中で寝てしまいました。暗いしね。

 

雪傾城

だっけ、外題定かではありません。

新作舞踊といっても、外題と玉様から想像した通りの、まさにそれ以上でもそれ以下でもない内容。本当はパスするつもりだったのだけど、気がついたら一等星だったのでケチなワタクシはついつい最後まで見てしまいましたよ。で、どっちでもよかったw

白玉様は本当に美しく。それはも、70を目前にしてあの美しさ(またシワが消えていたような!玉様マジック!!)だけで絶賛してしかるべきでしょう。

そして、相変わらずの四畳半上半身舞踊なのですが・・・同じ四畳半舞踊でも先代ジャッキーのような有り難みを感じないのはなぜかしら。玉様が生っぽすぎるのかもしれない。そして、上半身の動きがダメいやいや固いからかも。

まあ美しかったのでいいですw

ずいぶん前からこの方が言っておられる「ダメになったら自分から身を引く」というのは、きっと踊れないとか芝居が出来ないとかじゃなくて、美しくなくなったらってことなんだろうな、と最近思うようになりました。皮肉じゃなく、そういう役者がいてもいい、と思いますよ。

 


2018晩秋の都

2018-12-12 | voyage

 

紅葉はほぼ終わり(遅そうなところを探したのでいくらかは見られました)と思い、今回のテーマは

ワタクシには珍しく、グルメ。それに以前から興味のあった五条楽園。近くに泊まったのでね。ご存じない方は五条楽園でぐぐればすぐわかります。

まずグルメ編。

何十年も前から?行きたかったここ。山科の外れなので、なかなか行けなかった。

そういえば、大石内蔵助も山科閑居してましたね。大石神社が近くにありました。

タルトタタンが好みの味で、こんな店近くにあったら通いたい!

 

ここも10年来お気に入りに入れて放置していた店。鶏肉の中にピラフを入れたチキンライスが有名ですが、オードブルの白レバーのテリーヌが逸品でした。なんと言っても夜、オードブル・スープ・メイン・プチデザートに珈琲までついて1850円というコスパの良さ。店の人もすごく感じが良くて、お薦めではあるのですが・・・一つだけ。チキンライスのソースのチョイスを間違ったかも。デミグラスビターは、ワタクシの趣味からすると、「激マズ!」これさえなければ、ここも京都に来たら絶対来たいお店リストに載ること間違いなかったのですが。うーん。もう一回、ソース違いでチャレンジしてみるか?あるいは意外に看板メニューじゃないメインにすればよかったのかも、サイドディッシュ的なものはみんな美味しかったので・・・

 

 

ワタクシにしては贅沢な部類。「京の小料理屋さん」ですぜ。この「締めのお食事」が出る前に刺身だのふぐちりだの小皿が6品?くらいでて、最後にこれ。コースで6000円の昼はまあコスパいいと思います。どケチなワタクシがいうのだから間違いない。9月に開店したばかりですが早くも「予約の取れない店」になってるとか。京都のお気に入り店、(つまりは安くて旨い)、本当予約取れないんですよ。今回もどこも取れなくてここにした。悪くはないが、店主のパフォーマンスに好き嫌いが分かれるか。夜は二万円の店なんで当分行かない(行けない)と思うから名前出しちゃう.東山吉寿さん。

 

個人的にお弁当界の最高峰だと思ってるH岩さんの。5400円というお値段故めったに食べられませんが。今回の旅行はテーマが「グルメ」なので数年ぶりにお目もじ。やっぱりケチなので新幹線ではとてももったいなくて食べられず、帰宅後ゆっくりといただきました。やっぱりすっげー旨い。下手な店で5000円のコース食べるなら、こっち!と思います。

 

五条楽園編

 

近所に泊まっていたので。ぶらりと歩いてみました。最近雑誌などでもおしゃれなスポットとして紹介されてますが、まだまだ寂れた色街の風情が色濃くて、ある意味ほっとしました。タイルと窓が特徴的な「カフェー建築」ってヤツがかなり残っていて、玉の井よりずっと風情がありました。

帰宅してからほかのかたのブログなどを読んで知ったのですが某危ない団体の事務所がすぐ近くにあったのですね・・・cafeの後ろの席でどこの土地が売れるの売れないの、FXでなんぼ儲けたの、の話をしていたちょっとごつめのおじさま方はそちら関係だったのでしょうか。いまさらドキドキ。

 

 

ちょっとだけ紅葉+番外編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山科の勘修寺というところ。こんな看板の先に・・・もちろん行ってみました。ちょっとだけね。

ちょっとだけってところがいくつになっても本当、小物だなと思いますw

五条楽園だって夜には絶対行けないし、組関係の事務所があると知ってたら行けなかったかもしれない…w


ついでじゃなかったら怒ってた

2018-12-10 | kabuki en dehors de Tokio

南座顔見世、夜の部だけ観光ついでに見て来ました。で、感想はタイトルの通り

 

顔見世名物竹馬。今年は鷹之資くん宛が目立ってた。あのお年頃で、花街でブイブイ言わせてるのかwいや、お父様からのご贔屓さんなんでしょうがね。

16時50分開演、終演が22時近くという、数年前に戻ったような顔見世時間割。ひたすら疲れました。感想が否定的なのは疲れすぎたせいかもね

 

すし屋

なにげにまたすし屋ブームですね。ニザさまに引き続き歌舞伎座で松緑くん、こんぴらで勘ちゃん。ニザさまがおやりになって思い出したところで、若手に教える省エネパターンかしら。って松緑くんはニザさんには倣わないわなw

ニザ権太もそろそろ見納めかな、と思い頑張って京都までやってきたわけですが・・・脇がねぇ。薄いというより、単に好みじゃなかったかも。お里扇雀、維盛時蔵って・・どっちもコレジャナイ感が。まだ逆のほうが?うーん。逆でもなんか違う。この狂言の座組だけで入れ替えるならお里孝太郎維盛扇雀若葉内侍時蔵がいちばんニンかな。でも時蔵さん内侍って訳にもいかないか(そもそもなぜ時蔵?)。

…なんてのはともあれ。一番の問題は小金吾。ニザさま自身がインタビューで「これは無理なんです。無理な役をやらせないと伸びない」と断言してるんだからいわゆる誤用の確信犯なのだろうが。

自分の孫を、鍛えたいという気持ちはわからなくはないけれど、「無理な役」を高い金取って見せるという神経がやっぱりちょっとわからない。そういう修業は少なくとも歌舞伎座と顔見世興行では遠慮してもらいたいな・・・

50年後に「先代のすし屋で初めて小金吾やったときのニザさま(予定)が酷くてねえ・・・」と語りぐさにすることは残念ながら冥途じゃないと無理なのでw今、ちゃんとした役者で見たかったのよ。せっかくのニザさまのすし屋、ニザさま以外がいろいろ不満だらけで、いまいちでした。

 

面かぶり

初めて見る踊り。いろいろ工夫があってそれなりに良かったのだけれど。なぜがんじろはんが一人で踊る?

がんじろはんに出し物を持たせないわけにも行かないけど、長時間の芝居は持たないので短い踊りにしておくか、的な裏の事情が透けて見えるようでしらけた。

ご本人は一生懸命やっておられましたが、一生懸命が見えて、楽しくない。こういう踊りは見てて愉快にならなきゃねぇ。

勘ちゃんやらないかなあ。亀ちゃんでも可。

 

弁天小僧

すし屋と最後の踊り以外は例によって覚えてなかった。

ここでいきなり弁天小僧、しかも誰がやるかといえば愛之助で、びっくり仰天。

愛之助の弁天はずいぶん前に地方公演で見たことがあって、別に悪くはないのだけれど。ウダンジの南郷とはまったく合わないと思った。鳶頭の亀鶴と入れ替われば相当良くなった気がするんだけど。見た目も、江戸っ子の気風も。

いずれにしても、上方で、上方の役者中心でなんでこの狂言をやることになったのか、まったく不明。

五人男の勢揃いもはなはだ地味というかちっちゃいというか・・・

愛之助・右團次・鴈治郎・孝太郎・芝翫の勢揃いって誰が見たい?見たい人日本全国探せばきっといるよね。ごめんw

 

千社祭

 

もうここまでで疲れ果てていて(南座三階席の異様な狭さと、つまらない舞台のダブルパンチ)、最後の踊りパスして帰りたいくらいだったのだけれど(実際に帰る客多かった)、ニザ権太と並んで、今回のお楽しみ。久々の鷹之資くんの踊り。実は相手が虎ちゃんだと覚え間違ってましたの。扇雀さん出てるのに虎ちゃんはいないのね。学業優先か。

小金吾に引き続き「無理目修業中」の千ちゃんでした。

こっちの千ちゃんはなかなか頑張ってた。むしろ千ちゃんが頑張りすぎてて、鷹くんが引いてた感じw

鷹之資の踊りの質と千社祭が合ってないのか。千ちゃんのパキパキ踊りに鷹ちゃんが合わせてしまった結果変になってしまったのか。個人的に勘九郎→尾上右近→中村鷹之資と続く予定の赤い靴履いた男の子のラインにちょっとぶれが出たかも?

(右近ですでにちょっとぶれ始めてる気もするがw)。

 

終演後、夜の宮川町を歩きながら「ったく!」と舌打ちしてしまったくらいにはガッカリだったのでした。。

 

 


エロ娘にやられた

2018-12-07 | kabukiza

歌舞伎座夜の部@玉三郎阿古屋ver.見て来ました。

結局、最後の「タイトルどおり」 にやられて帰ってきちゃった。ワタクシ、本格的に児太郎オタクになりつつあります。はぁ。

 

阿古屋

玉三郎の阿古屋はやっぱり玉様ショーだった。玉様お好きな方にはたまらんでしょうなあ。

そして相変わらず三味線下手くそw

ワタクシが畠山だったら、三味線のくだりで、「心に乱れあり!」とばかりにとがめ立てしただろうなw

岩永の松緑くんはいつも文楽人形みたいだと思ってたからさぞはまるだろうと思ってたら、なぜかそこまで人形っぽくなかった。普段の方が人形っぽいってどういうこと?w

 

というわけで阿古屋も岩永もどっちも新鮮味に欠けて、やっぱ若手バージョンのほうがワタクシは好みです。

ここまで触れてなかったですが、実は相当感心してるのが畠山の彦三郎。いつもの彦三郎と発声が全く違う。一瞬かれも今回は人形振りで竹本が宛ててるの?と思ったくらい。それくらいいつもの朗々たる響きと違って。もちろん美声ではあるのだけれど、オペラにたとえればいつものがアリアだとすれば、レチタティーボみたいな。

これが新鮮かつ説得力があって、とても良かったのですね。いつものアリアだと、ただただ声に聞き惚れてしまい、芝居から浮いてる感じがすることがあったので、今後アリアは勝負声で取っておいて、レチタで行けばよいのでは?と思いました。

これが玉三郎の指導によるものなら、玉様、さすがと言わざるを得ないw

七之助も自分のコピーじゃなく、古典出来る役者に育ててやってくだされ。頼みます。

 

あんまと泥棒

以前亀ちゃんで見たよなあと思ってたら、亀ちゃんはあんまじゃなくて泥棒のほうで、あんまはずっと中車くんだったんだって。ワタクシの記憶力のいい加減さにまたショボン。

小悪党二人の欺しあい。なんてことのないスケッチなんだけど、それなりに楽しめる。虚勢を張ってるけど実はいい人っていう泥棒が結構松緑に合っていて、好きだった。

 

二人藤娘

はい、おまっとさん。

タイトルのエロ娘ですよ!

児太郎のエロさはいったいなんなんだろう。口元のいやらしさ。シナの作り方。本人どこまで意識してるのかしらないけれど、芝翫→福助→児太郎と系図が下るほどにエロ度が増してるってどういうことなの?

そんなにエロ道に日常的に励んでるとも思えないのだが。。。

今いちばんエロい歌舞伎俳優は?と聞かれたら児太郎と即答するだろう。

…すっごく好きなんだけど、藤娘としてはどうなの?という気もしなくはないw

踊りそのものは楷書の梅枝に対して行書の児太郎って感じ。どっちも基本はちゃんとしてるので安心して見てられる。阿古屋でばいちゃんにやられたはずなんだけど、気がつくと私の目は児太郎を追っていた。

うん。これが華ということなのかな。

 

本日現在歌舞伎役者好き好き番付、永遠の一位に次ぐ二位は児太郎に決定だわ。段ちゃんが新派に行っちゃったので、不動は一人だけになっちゃった・・・だけどコタが不動の二位になる日が近い予感。

 


lavie、時代の目撃者になる

2018-12-04 | kabukiza

凄いものを見てしまった。ばいちゃん怖ろしい子!

阿古屋幕見してよかった!これはマジ、lavieの観劇歴の中でも記憶に残るという意味では3本の指に入るかも。コタ、大丈夫なのか。(コタファン故の不安と恍惚・・・)とりあえず現場より興奮状態でお伝えしました!詳細はいつかたぶん。

そうそう、赤玉人形もなかなか斬新でした。あの仕掛け、もっと近くで確認したいぞ。

 

阿古屋

ずいぶん経ってしまい本日(12月13日)現在コタのはまだ見られてないけど、玉三郎のも見たので、基本はそっちで比較しながら書こうかな。

とにかく、ばいちゃんのいいところ(古風な容姿・すべてにおいて器用なところ)が全部いい方に発揮され、どちらかというと欠点であるところ(華がないこと・巧さが鼻につく嫌いがあるところ)までが逆に、いい方向に作用したと感じられた。

古風な容姿はまさにこの、意味もないような大時代の世界にぴったりはまる。

器用さはもちろん。初役とは思えない水準の生演奏。三味線は正直玉三郎よりよほど巧いwそういえば玉三郎のときは連れ引きに勝国がついてたのに、ばいちゃんのときは違う人だったwこれは別に演奏のカバーのためというより、単に格の問題なんだろうけど。

 

そして、いつもいつも「俺ってうまいだろ」みたいに見えちゃう芝居も、これは初役初日で玉三郎も競演してるからの緊張ゆえか、ほとんど臭い感じが感じられずとても神妙でおよろしかったですわ。

なによりも、ばいちゃんの欠点である地味さ・華のなさが芝居の中で功を奏していたのにびっくり。

今まで(とはいえ玉三郎でしか生では見たことないのだが)の阿古屋は、芝居としてどこが面白いのか一切不明で。岩永の人形振りに笑わされ、長い長い三曲のコンサートwで眠らされ。。。という印象だったのが、今回、初めて阿古屋が景清を慕う女心の切なさ、みたいなものがひしひしと感じられて、演奏が○○ショーじゃなくて、阿古屋の心情を見事に表しているように感じられたのだった。

私の中で、阿古屋という出し物が退屈なショーから大好きな芝居、にチェンジした瞬間だった。

そしてそれを見せてくれた中村梅枝という役者がまた私のお気に入りの一人に加わった瞬間でもある。

あ、玉三郎の岩永ねw

あの顔はどう作ってるのか、間近で見たかった。目玉のあたりに面っぽい仕掛けがあったような。松緑くんは自前のメン玉でやってた

あと、手も肉つけてる?グローブ?掌だけ不自然に大きくて、それが着いてる腕が棒切れみたいに細いのがなんか不自然でした。

柄が大きくて、顔が別人なので、なんか弥十郞に見えた。さすが大和屋!って血はつながってないよねえ?

客席のおばちゃまおばあちゃまたちが阿古屋じゃなくて岩永ばかりにオペラグラスを向けてるのがおかしくて、おかしくて・・・

玉さまファンの方々はああいうの見て、楽しいのか。こんな玉様嫌だ!というのか、どっちなんだろうね。

 


世話は難しい

2018-12-04 | kabukiza

歌舞伎座昼の部

それだけのつもりだったのですが、ついついおまけ。このおまけがでっかかった!のは次の項で。

幸助餅

朝イチに気軽に見るにはまあよかったんじゃないのかな。

松也が歌舞伎座で出し物持つようになったんだなあと、なんとなく感慨深い。今歌舞伎座で出し物持てる最年少って、壱太郎かな。名門御曹司以外で30代で出し物持てるなんてそれだけでたいしたもんだと思う。

松也はまあまあいいのだけれど、中車がね・・・背が低いのに関取の存在感だそうとしてか、やたら肉を着すぎて動きが悪い.その上、貫禄を出そうとしてか声が太すぎて、もともと汚い声が増幅。

世話物、というか新作なのに、相撲取りだから時代風の所作もしなければならない、という難役だけに、さすがの適応力を持つ中車にも手に余ったか。

ほんのちょっとしか出てこない笑也が、すばらしいアクセントになっていて。先月?の素襖落の姫と言い、笑也は居場所を得つつある感じがする。「可愛いは神」。うん。古典の主役無理してやらされてたころより、ずっと輝いてる。

 

お染の七役

派手で顔の知られてる役者がやってこそ、の早替りもの。くるくる変わる金太郎飴的な楽しみが、壱太郎の存在感ではあまり楽しめない。

その分、一役一役の性根はよくつかめているような。タレント性と芸の深みを両方持ってる役者がこの芝居やったらさぞ面白いんだろうな。今のところ、個人的にそんな役者は見つかりませんが。

壱太郎的には意外と久松、そしてお光がよかった。義太夫浄瑠璃風味が若いのにちゃんと出せる役者だと思った。

芝居として成立してる一幕にのみ出てくる鬼門の喜兵衛、勘ちゃんかっこよかったなあ。(の思い出に浸りながら見たせいか)松緑くんはまた口跡がいまいちに戻ってる。衝撃的に改良したか、と思うとまた戻り・・・をここ数年繰り返してるような気がする。ま、全体として少しずつ良くなってるんだろうけど。世話のキレッキレの江戸弁はきつかったなあ。

そしてここでも中車苦戦。書き物とど古典みたいな両極はかなりこなせるようになってきたけれど、世話でありながら時代風味もまざって、みたいなこういうのが一番難しいんだろうな。生に触れると、彼のテリトリーであるストレートプレイになってしまうし、歌舞伎めいて作ると、わざとらしくなってしまうし。

うん。なかなかの険しい道を今歩んでいるのだなと感じました。彼のことだからすぐマスターしそうだけどw