laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
楽しく気楽につぶして生きてます。

めでたい!が・・・

2012-03-31 | passe-temps divers

なぜかネットと活字媒体でしか今のところ報道されていないようですが、世界フィギュアペアで、高橋成美・マーヴィン・トラン組が奇跡の銅メダル獲得!

ペアとかダンスで日本がメダルを取るなんて、ワールドカップ(男子)で日本が優勝するくらい難易度高いと思っていただけに、まずはうれしい。

ネットで拾った面白画像でますます好きになりました。キスクラって本当に最高!連続写真でお楽しみください。

やったああああああ

成美、何がしたいんだ!

感動的なのかエロイのかおかしいのかよくわからん・・・

で、結局これがしたかったらしい

 

表彰式ではちゃんとおすましもできました。

 

 

なぜ地上波でいまだに報道されてないのか謎ですが(CXが夜番組OAするまではNGなの?)、そのうち掌返したように秘話とか美談とか持ち上げるんだろうな・・・

ペースを乱さず、カナダか日本かどちらかの国籍でオリンピックに出場できることをお祈りします。もちろんできれば日本で!

ちなみに二位のロシアペアも凄かったんだよ。SP8位からごぼう抜き!

 

追記

以上は31日午前中に書きました。お昼のニュース、CXでは流れたようですね。それにしても午前五時には決まっていた銅メダルの報道がなぜ7時間8時間も遅れたのか、やっぱり謎です。

ネットニュースでも真央ちゃんのフリー練習のほうが上に書かれていたり・・・つい先日押尾学の収監がニュース速報で流れて仰天したばかりなのですが、この国のニュースバリューの基準が、本当にわからない。

あたしがたまたまフィギュアに関心があったので、報道の偏りに気づいただけで、こういう偏向報道(きゃっ、政治っぽい発言しちゃった!)ってあちこちの分野、きっともっとやばい分野でもいっぱいあるんだろうな、などと、ごくたまにはまじめなこともつぶやいてみる。


箱庭のおとぎばなし

2012-03-29 | spectacles

音楽劇『お嬢さんお手上げだ』@サザンシアター見てきました。

前半タダ券応募の話があり、そのときは都合が合わずに見送ったのですが、後半になって別口から今度は無抽選でのタダ券が・・・相当売れてないのでしょうか。心配だわ(嘘

まあ着席してみたらびっくりするくらいの糞席でしたが、御大を間近で見なくて済むのである意味よかったかも。
DVDの収録日だったみたいで、ますます空席つくりたくなかったのでしょうね。あたしを含めてどれだけ動員されたか知りませんが、おかげさまにてほぼ満席状態w。御大はこういう事情もご存知なのでしょうか。

 

で、お芝居ですが。

普通に楽しめました。

なんつか、

B級コメディーミュージカル?

すべてに漂うちっちぇーB級感が往年のジュリーファン的には、ちょいうら悲しかったですが。

それを考えずに軽い暇つぶしとして楽しめば、まあタダならええもん見せてもろた。ってところか。

 

前に書いたことがあったのですが、これまでの音楽劇では、B級世界で一人浮いてる感のあった御大が、今回の舞台ではあまり浮いていなくて、きっちりB級世界に収まっているように見えてしまったのがよかったのやら、悲しいのやら。
いや、フィジカルな意味ではますます大きくおなりあそばしているのですが、なんか全体の魅力がしょぼくなってるというか。
歌だって巧いっちゃ巧いんだが、圧倒的な説得力みたいなものは欠けていたなあ、と。

B級アイドルのみかんちゃん、割と御大好みのルックスだよねぇ。老いらくの恋でもぶっぱなして、一皮剥けちゃっても面白いんじゃないの?なんてキスシーン見ながら妄想してみましたが・・・みかんちゃんに相手してもらえないよねぇ・・・たぶん。画像はB級グラドル時代のみかんちゃん。御大好みにしたら胸がでかすぎるか?w

B級オッサンズも楽しいっちゃ楽しいんだが、大道具じゃあるまいしジュリーさんの音楽劇にいつでも平行移動的にでてこられても(全部見てるわけじゃないので、あたしが見てる奴にたまたまでてるだけかもしれないが)、いい加減食傷気味だしなあ。

ファンの皆さんの間では常に議論をかもす体型問題ですが・・・

個人的には歌手・沢田研二に関しては、見てくれを気にしろとはそれほど思わないのですが、今回の芝居ではちょっと気になった。具体的には、昔の恋人から電話がかかってきて、はっとして、その電話に小走りに駆け寄る場面。ラストの盛り上がりであるべきあそこで笑いが沸くってのは、あの体型じゃなければありえないことでして・・・舞台を壊す原因になるなら、やはり少しお考えになったほうが、と思いました。あのままで芝居を続けられるならもはや二枚目要素はすっぱり切ってしまわれるとか?
そして垂れ下がった左瞼の悪化ぶりもやはり気になりました。容姿的なことを超えて、ちょっと病的です、あのまぶたは。

えっと。タダで見て、別に時間を返せとも思わなかったし、御大が楽しいならそれでいいんですけどね。

本当余計なお世話ですんませんでした!

あえてもうひとつだけ余計なお世話かもしれませんが。

御大の音楽劇に特有の現象として、御大のソロには拍手が起きず、他のかたのソロやデュエットには拍手が、というのにいつも違和感を感じているのですが。御大の歌のほうが明らかに魅力も説得力もあるのに、と。
要するに身内だけが見ている感じ?身内に拍手は遠慮するけど、他人様には一生懸命応援の拍手!って感じなんですよね。

一般ファンがたくさん見に来るようになって、普通に沢田研二のいい歌声に拍手が起きるようになればこの芝居もホンモノなんだろうけど。たぶん、そんな日は、この芝居を繰り返してる限りは来ないんだろうな、と。

 

 


二ヶ月目は、淡々と

2012-03-27 | kabuki a Tokio

勘九郎襲名中村座楽、昼夜行って来ました。

怒涛のごとく通いまくった先月とは一転、なんだか力が抜けたまま楽を迎えた襲名二ヶ月目。
まあ一言で言ってしまえば「あたしの好きな勘ちゃん」じゃなかったってところなんですが。いや、そう思ってたんですが、と一部訂正しなくちゃ、の楽でした。

結局昼は1.8回(暫途中から)、夜は2.8回(元禄花見踊一回パス)、と先月の半分程度の鑑賞だったけど、まあいっか。

途中から見たので、多くは語りませんが、えびぞーくんのアパッチの雄たけびのような引っ込みは、とりあえず近くの席ではひゃっとことぉ・・・ふんこしゃー・・・、と聞こえました。つまり、やっとこ→ひゃっとこうんとこ→ふんこになってるので、くっつけると遠くからはひゃっほーと聞こえたんじゃないかな、と分析。
見得の前にのどをぐるぐる~~~~と鳴らしてたのにも笑った。この人、本当に高麗屋の家の芸、「咽頭で鳩を飼う」を身に着けつつあるのかも。
実は花横の席だったので楽だし、壊しまくられるかとおびえてたのですが、割とおとなしかった。
あとは、丸っこくなったものの美少年お小姓最後の時代に突入中の梅丸くんを堪能して、おしまい。

しかし、ばかばかしい芝居だけど、中村座には舞台装置がよく似合うなあ、と。

 

一條大蔵

初日に見て、勘九郎の大蔵卿がまだまだよのぅ・・・とちょいがっかり。その後追加しないまま楽を迎えたのだが。(途中試演会があまりによかったので、もう一度見たくなったけど、都合も合わなかった)楽は、本当にすばらしかった。特にわざとらしかった前半の作り阿呆が、なんともチャーミングでかつ品を失っていない、勘九郎独自の阿呆ぶりで。ああこの人はあたしが見守っていなくてもちゃんと着実に進化し続けていたのだなあ、とうれしいようなさびしいような気持ちでごく当然のことを確認したのだった。そして進化後の姿を見ちゃうと、進化途中も見届けたかった、というファン心理。後悔先に立たず。いや、でも初日がイマイチだったせいで、お財布の紐を緩めずにすんだのは、神のご配慮なのかもしれない、などと。
勘九郎だけでなく、共演者すべてが初日より充実していた。仁左衛門と夫婦の七之助もちゃんと夫婦の情愛が出せるようになっていたし、もっと年の差カップルの小山三と亀蔵ですらちゃんと夫婦に見えたし。小山三はただ年取って舞台に出てるだけ、みたいなときもあるが鳴瀬は本当に身体にはいっている役で、きっちり勘解由への妻としての心もあり、その上でお主への義理で死を選ぶ葛藤みたいなものまでちゃんと背中で表していて、いや、実は今回本当に凄い役者だな、と改めて実感。茶屋女みたいのが巧いだけじゃないんだね、この人。
そして何より感心したのが常盤御前の扇雀。この人の丸本物でここまで感心することがあろうとはおもっても見なかった。試演会の嶋之丞もすばらしかったが、まったくタイプの違う、タカビー(死語?)、上から目線な常盤。鬼次郎お京のことなどなんとも思ってない、わが道をいく感じの奥方様。強い、だけどもろい、みたいな感じ。本当に素敵な、そして新しい常盤だったと思う。

というわけで本当に全員すんばらしい一幕でした。これ、見納めなんて惜しすぎる。

とはいうものの、もともとそんなに好きな狂言ではないので、すぐに再演とかは望みませんがw

 

舞鶴雪月花

 

ここでも七之助がいい。なんというかようやく「見せることを覚え始めた」感じ。特にこういう綺麗綺麗な踊りでは、ただ綺麗なだけのグラビアアイドル的、いや、それ以下の「無自覚の美」って感じだったのがようやく自分の美に覚醒したというか、どうやって美しく見せるかの工夫をはじめた、という感じ。
後でも書くが、五郎蔵の逢州も含めて今月とてもいい。勘太郎(当時)が父親の襲名で覚醒したように、七之助も兄の襲名でようやく遅い覚醒が始まっているのかも。まあこの人の場合いい月とダメな月のばらつきが烈しいのでまだ期待半分不安半分というところですが。
松嶋屋爺孫のは、まあ、はい、仲良しでよかったですね。
文句なしの圧巻は勘三郎の雪だるま。だが初日のほうがよかったかなあ、個人的には。滑稽味と哀愁のバランスが微妙だと思うのだが、初日はちゃんと哀愁が漂っていたラストも、なんだか中途半端に沸きかえった客席が、溶けてゆく雪だるまの振りをみても笑っているのが・・・ああ・・・中村屋の嫌な部分まで勘三郎の回復とともに戻ってきちゃったのかなあ、といういやーな予感が。
頼むからへんな部分まで回復しないでくださいな。勘三郎さん。

 

吃又

 

巷では大絶賛らしきニザ勘コンビですが。

この狂言に関してはあたしは、最後まで好きじゃなかった。特に仁左衛門の又平。
やっぱり甘えている、というか、はしばしに「バカ」に見えてしまう。ドモリを大げさに作りすぎてバカに見えてしまう又平ってのも見たことがあるが、仁左衛門は別にそこまで大げさにやっているわけでもないのに、存在そのものがバカっぽいんだよなあ。たれ目で愛嬌のある甘いマスクってのがことごとく裏目にでてるような気がする。むしろ二枚目を作るときのようにきりっとした顔に仕上げてやってくれたらまだよかったのかも。個人的に又平は悩める芸術家であってほしいんだよぅ。
勘三郎のおとくが母親に見えてしまうほどの甘えっこぶり、すぐいちゃいちゃするバカっプルぶりがどうしてもなじめないままだったなあ・・
幕外の引っ込みも、客は大うけだったけど、バカっプルがますますバカに見えて、ちっとも好きじゃなかった。

もう何回も同じことかいてるような気がするが、このおとくは、孤高の吉右衛門又平に尽くさせてやりたかったなあ。
土佐将藍宅の女中が嶋之丞で、数日前にあれだけおっとり気品高い常盤を演じていた人とは思えなかった。って当たり前なんだけど改めて芸達者な役者さんだったんだなあ、と。

 

口上

すんません、あたし本当に役者のしゃべりに興味ないw

七之助の口上で(襲名が終わっちゃうのがさびしくてしょうがないとかなんとかかんとか)、前列の中村屋ご贔屓ご一行様がたが号泣していたのを冷たく眺めていましたwww
そういえば中村屋ご贔屓ご一行様方は吃又でも号泣してらして、さぞかしハンカチがぬれたことでございましょう。
なんだか涙の量コンクールでもやってるの?と思ってしまったのはきっとあたしの根性がねじくれているからなのでしょう。てか涙腺緩んでないか?大丈夫?
あと仁左衛門がご贔屓様がたにオカサレマシテハ、って口走ってなんか変だとは気づいたけどどこが変かわからなくてしどろもどろになってたのも面白かった。

やっぱりいぢわるwww

 

御所五郎蔵

勘九郎がかっこよければいいほど、何もこの狂言じゃなくても、と思ってしまう。
役者がかっこよく見えること以外に何が面白いの?誰にも感情移入できないじゃん?と思っちゃうんだよなあこの狂言。で、かっこよく見える役者は何も勘九郎じゃなくても他にたくさんいるわけで・・・
そしてあたしの好きな勘ちゃんのかっこよさはこういう類のかっこよさじゃないわけで・・・ぶつぶつぶつぶつ。

逢州との殺し場はそれでも綺麗でかっこよくて、堪能しました。ここでも見せることを覚えた七之助とのカラミが本当に素敵。今まで七之助と絡むときは、兄の脚をひっぱらないでーーーと常に心配していたのが、今回(楽)初めて、ああ、この女形に引っ張られて勘九郎がより素敵に見えてるかも、と思っちゃった。いやあ。今後このまま兄を引っ張れる立女形に化けてもらいたいものです。

扇雀の皐月も哀れで綺麗でとてもよく、今月この二人の女形がいちばんよかったんじゃないかなあ、と。

 

元禄花見踊

相変わらず巧い子と下手な子はそのままなんだけど、不器用ながらだんだん舞台なれしてきてる橋之助の長男が楽は目に付いた。三男はとても色っぽく「何か」を持ってる役者だと思うし、次男もそろそろでてこないかなあ。三人寄れば文殊の知恵、三本の矢。となることを祈ってます。たぶん芝翫じいちゃんも。
芝翫じいちゃんがいちばん心配してるだろうあそこのあの子は、本当にマイペースで。あれだけダントツに下手だったら、あたしだったら恥ずかしくてとてもでられないんだけど、なんだかすげー堂々としててw。ある意味尊敬してしまいます。えびぞ^-くんと同じように「あんたは天才だ」とマインドコントロールされてるんだろうかw個人的には絶対嫌いになれない父子なので、ひそかに(あくまでひそかに)応援するぞ。
虎ちゃんは気づいたら口元が従兄にそっくりに。ここらへんはまだ本当に海のものとも山のものとも・・・ですね。
逆に出来上がりすぎてて心配なのが鶴松。

ひよこの行列が、いつの日か見事なスワンレイクに昇華するのを楽しみにしてます。って、鳥の種類変わっちゃってるけどw

 

 


 

 


巧い、かわいい、お得!

2012-03-19 | kabuki a Tokio

中村座試演会行って来ました。いやーラブリーハプニングもあって楽しかった!

今回は試演会、見送るつもりだったのです。大好きな役者さんが出てるわけでもないし、
襲名疲れ?&先月に比べて今月盛り上がってないし(当社比)。
直前にえらいいい席が戻ってて・・・ついついぽちってしまった・・・

のがよかったです!

とりあえず

一條大蔵譚(御殿のみ)

レベル高かった!
本役でもOKなんじゃないの?と思わせる超ハイレベルが四名、勉強会レベルは超えてるんじゃないの?というハイレベルが一名。まあ勉強会っぽいかな、というのが一名。
この一名がいなかったら、正直凄すぎるでき。
特に常盤御前の嶋之丞今月の中村座の本役の方よりいいのでは?と思うほど。
個人的な好みでいうと、雀右衛門の全盛期を思わせる、おっとりとした気品ある姫でありながら、平家調伏への一途な想いを併せ持つ強さもある、理想的な形でした。
綺麗なだけだったり、強さだけだったり、昨今の女形の常盤は、おっとり、古風ってところがなくなりつつあるのが本当に残念。台詞回しがゆったりとしているのが、かえってわかりやすく、正直いつも寝てしまいそうになる常盤の述懐をはじめて?丸ごと理解できましたよ。
冒頭から登場する鬼次郎の國矢とお京の國久の紀伊国屋コンビは、これはもう安定の巧さ。
この三人が丁々発止する前段は本当に今月の中村座の本役の方よりいいのでは?と思うほど。二度目。

後段になって登場する主役、これは勉強会で御殿しかやらないときはいつも思うのだが、つくり阿呆を見せていないだけによけい難しいなあ、と。千次郎はとてもよくやっていたと思う。ところどころ中村屋を思わせる台詞回しもありながら、もう少し柔らかく、お公家っぽさは好みだった。
蝶糸の鳴瀬はいうまでもなく絶品。小山三さんが不調になったらいつでも代役できますねぇ。
残る一名・・・の勘解由は・・・うん。、でも。、勉強会っぽくてよかったよ!座談会での感想も率直でよかった。あかっつらの顔を作ると綺麗な顔があまり見えなくて残念だったけど。でかい図体がちょっとへたっぴな彌十郎さんに見えたよ、橋幸くん。

徳松さんに引き続き年配女形の老巧ぶりにやられちゃったよ。
ってことで今後は嶋之丞さんにも注目!今まで歌女之丞さんと区別ついてなくてごめんね!

 

座談会

内容は例によってあまり覚えてない&興味ないので覚えてることだけ。

1.仁左衛門がほとんど耳が聞こえない?司会のいうことを聞いてない?状態で、いちいち司会の吉崎さんの質問を、勘三郎が通訳wしてあげてた。あれ?勘三郎のほうが難聴だったんじゃ?www

2.扇雀が揚弓の的にしたい人は?の質問に答えに窮した末に勘九郎の悪事をばらしてた。扇雀を車で煽って、煽られた扇雀がスピード運転で一点取られたという他愛もない話だが。これのせいで扇雀はゴールドじゃなくなったそうですw

3.新悟くんが見るたびに「その道の人」になってくる。今日はずっと内股でもじもじしてた。同じ女形でも扇雀や七之助とはあきらかに質が違う「ホンモノ」の香り。

4.客席によっしーと国生。よっしーはともかく国生は舞台に上げてやってもいいのにと思った。新悟までがぎりぎり当選ってことなんでしょうね。

5.えびぞーくんは終始落ち着きがないけど、愛想はよかったし、他の人の発言にちゃんとうなずいたり、拍手したり出来てました。えらかったね。

6.シンノスケさんは強度の花粉症っぽい。座談会の最初にバックヤードが開くサービスがあったんだけど、本気でハンカチで鼻をおさえてくしゃみ連発してました。普通にハンサムだなあ。もったいない(なにが?)

7.なんといっても最後をさらっていったのがハプニング登場の歌舞伎役者最年長の小山三さん・・・・じゃなくて、最年少の七緒八くん。勘三郎がもじもじと「ちょっと・・・ご紹介したい人が・・・」といって舞台袖に引っ込んで抱っこして連れてきた。
物怖じしないで、舞台を見つめる眼力は、勘九郎の如才なさというより、えびぞーくんの怖いもの知らずっぽくて。って一歳児は怖いもの知らずで当たり前かw
勘九郎が一度も笑顔を見せなかったのが、いろいろ感慨深かった。五月の初お目見えを断った(父親の自分にまだそこまでの余裕がない)代償wに譲歩した、との噂があるが、ジジバカに付き合うのも大変なんだな。
とりあえず「家の芸・つかまり立ち」をお見せして、余裕綽々の将来の二十代目でありました。
叔父馬鹿の七之助がカメラで激写しまくってたのも笑えた。

 

これだけいい芝居&楽しい座談会&ラブリーベビーを見せてもらって3000円は安い!お得でっせ奥さん!

 


あっちも、こっちも、お疲れ!

2012-03-15 | spectacles

サド侯爵夫人@SEPT見てきました。

あっちとは舞台の上で膨大な形容詞満載の台詞を覚え切って熱演された六人の女優さんたち。こっちとは3時間半にわたってその膨大な台詞を聞かされ続けたあたし(たち)。

鏡花の芝居でもそうなのだが、文学として読んでいてすばらしい戯曲と、実際に上演されて感動を伝えられる戯曲って、微妙にずれてるんじゃないかな、と思うことが。

三島の戯曲の中でも上演頻度が非常に高いこの作品、役者や演出家の何かをそそることは確かだが、観客の何かもそそられる、のだろうか・・・

少なくともあたしはこの作品に関しては、ゆっくり家で読んだほうが感動があったような気がいたしました。いや、それは、途中で何度かあまりの美しい台詞にうとうとと酔ってしまった・・・せいかも・・・しれませんが

蒼井優ははっきりと舞台女優宣言をした、気がします。
南へ、その妹、と見てきましたがこの作品で明らかに変容した気がする。
ところどころ怒鳴ってしまうのと、まだまだ膨大な台詞を「言わされている」感はあったけれど、存在感といい、感情表現(押さえたところがとくにいい)といい、尽きない可能性を感じました。
清楚とエロス、従順と傲慢、聖と俗、すべてを併せ持つ侯爵夫人にはやや平面的すぎるのは、まあまだ若いししょうがないでしょう。
逆に白石加代子にとって、逆に平面的な役である侯爵夫人の母は、役不足だったのかな。というか何をやっても白石加代子、という感じがしてしまうのだよね。それが逆にこういう役だと邪魔してるというか・・・
聖悪の権化?でありながらともにいちばんまともな人間たちである麻実れい、神野三加がともに好演。
侯爵夫人の妹役の美波も適役でがんばってたと思う。

物語の裏主役というか、すべての主軸にもなっているアルフォンソことサド侯爵自身が、どうしても脳裏では三上博史で浮かんでしまい、これがよかったのか悪かったのか。最後まで出てきそうで出てこないところなんか、ちょっとゴドーを思い浮かべたりもした。

全幕を通して、いちばん感心したのが衣装。18世紀とモダン、東洋と西洋、聖と俗、静と動、そういう芝居の要素をたくみに取り込んで、キャラクターを表現していて、なにより登場人物を魅力的に見せてくれていたと思う。

ただ・・・全員にいえることだけれど、そして役者の責任ではないと思うのだjけれど、いかにも具現化してしまうと大仰というか、観念的すぎる台詞、そしてそれを咀嚼しきれずにただただ並べ立てられているだけ、という生硬な印象・・・

いっそのこと、まったくの観念芝居として、男だけでやってみるとか、そういうのも面白いかもしれない。と思ったら篠井啓介がすでにやっているのね。ちょっと見てみたかった。
あと、侯爵夫人とサンフォン夫人はやっているらしい玉三郎の母親役なども見てみたい。やる予定はないのかな。

画像はメイド役の町田マリーも含めた登場人物全員のクローズアップになったちらし。こういうの珍しいよね。六人全員のチラシもあって、全部で七種類。


不完全燃焼・・・

2012-03-14 | kabuki a Tokio

中村座夜の部二回目見てきました。

えっと、タイトルどおりなので、勘九郎さん出演公演としては例をみないほどの三行感想です。

吃又はやっぱりニザさんじゃなくて吉右衛門で見たかった。
口上は過激なのがなくなってつまんなかった。
御所の五郎蔵、勘ちゃんかっこいいけど台詞が早口すぎて何言ってるのかわからない。江戸っ子の喧嘩っぱやさを出してるつもり?にしても何か変。好きじゃない。
ひよこの行列はパスしました。

 

あ、五行も書いちゃったw

楽は楽しいといいなあ・・・といっても吃又はもうあたしにとって仁左衛門がやってるだけで「ちょっと違う」ので。らぶらぶカップルのちょっといい話、は見たくないんだよなあ、あの芝居で。


無理はしないで

2012-03-12 | kabuki a Tokio

国立劇場で一谷嫩軍記半通しを見てきました。

90何年ぶりかの堀川御所、30何年ぶりかの流しの枝に引き続き、おなじみ熊谷陣屋という変則的半通し。この変則伎、吉か凶かといえば凶、と個人的には思いました。

つまらなかったわけではなく、まあ初段の説明的な堀川御所はともかくとして、流しの枝は、とても好きな話だった。丸本物ならではのチャリ場に引き続いての、悲劇的な恋人たちの話、そして風流人二人の「ちょっといい話」。これ、見取り狂言でもやれるんじゃないの?

ただし、本日の主役さんではなくてw

いやあ、ひさびさに成田屋(親のほう)が酷かった!
悲劇の貴公子であると当時に和歌の天才であり、また武道にも優れた、という忠度の役柄は、決して團十郎のニンでないということはないと思うのだが。ニンだけでは芝居ができないという見本でもある。
とにかく、すっと立った姿はともかく、ひとたび動くとなんだかおかしみが出てしまい、ひとたび台詞をいうと、なんだか気持ち悪いのである。
役によっては無敵の存在ともなりえる、そのおおらかさ、春風駘蕩たる雰囲気が裏目にでて、ただただ技術のなさだけが露呈してしまったというか・・・

体力的にも人生、いまや生きてるだけで丸もうけ状態だと思うので、無理してこういう難役に挑むことはない。ダンダン十種(勝手に選定。勧進帳・暫・毛抜・象引・外郎売・毛剃・西郷と豚姫・…あと三つ思い浮かばないやとっさには。とりあえずそういうライン)だけやっててください。お願いします。

六弥太の三津五郎秀調、門之助・三津之助など脇もよかっただけに、この狂言は本当に惜しいなあ。ちゃんとした主役(失礼!)で見たかった。まだ三津五郎と役を交換したほうが少しはマシになったかも。まあ役の重さから言って難しいのはわかる。

立ち回りでなんとびっくり!猿琉くんがいたのがうれしいハプニング。猿若や段一郎もいる。なぜにここ?段四郎が弥陀六で出演予定だったんだっけ(覚えてない)?そうとでも考えないとよくわからない一座だわ。

堀川御所からの筋を通したいなら、流しの枝ではなく、陣門・組討を入れて陣屋に続けたほうが物語りもわかりやすくなったし、何より團十郎的にもよかったと思うのだが・・・

「復活狂言」にこだわるあまり、デキの悪い芝居を見せられるなら、目にありすぎる芝居でもまともなほうがいいなあ。

まあ、でも「流しの枝」自体はいい話だということがわかったので、ぜひ次回菊五郎か梅玉あたりでよろしく。若手なら染五郎か勘九郎でも。

で、熊谷陣屋。

相模と藤の方と梶原と弥陀六の入りから出るので、物語がわかりやすく、やはりこうつなげるならますます陣門組討を出したほうがよかったんじゃないか、と思わせる。

こちらはさすがに手の内に入っている狂言だけあって、無難だった團十郎。ただどうも元気がない様子なのは心配。
深刻な場面になるとやたら恐ろしい声を出すので、おどろおどろしくなりすぎるのも困る。
魁春の相模はさぞよかろうと思ったのだが、意外と段取りばかり追っている感じで情が薄く、東蔵の藤の方は巧いのだけれど、いかんせん愛嬌がありすぎというか、ありていに言えば品がない。
ここでも義経の三津五郎が一人高水準wで孤軍奮闘。みっくんこと巳之助も数年前のことを思えば嘘のようにちゃんと義太夫味のある台詞が言えるようになっているのは天晴れ。
後半、梶原や弥陀六が出てきて、急激に物語が締まる。
市蔵彌十郎は本当にいい脇役だなあ、とほっとしつつ改めて痛感。
しかし、堀川御所をつけると話の筋は通るけど、義経が悪者に見えてきて困る。クール義経な三津五郎のせいかも。陣屋の義経って勘太郎(当時)のがベストだと思っていたんだけど、堀川から通すには情け深すぎるなあ。今回の義経は三津五郎で正解。梅玉ならもっと正解かも。

ここまでぼろくそ言いましたが、実は最後の最後で團十郎に泣かされました。
陣屋では、今まで相模になかされたことは数々ありますが、「十六年は一昔」の台詞で(名調子に感動することはあっても)、熊谷に感情移入して泣けたことは一度もなかったのです。
なんだか義理のためとはいえ、子供を殺しておいて、嘆いてる女房を放置して勝手に出家しやがってよ!って感情がどうしてもこみ上げてきてしまって・・・・
團十郎の熊谷は、そういう怒りすら受け付けない、身も世もないというか、本当に生きながらにして死んでいる感じで・・・ああ、この人が武士という名の下に息子を斬るのは本当に死ぬよりつらかったんだろうなあ、と心から感じられて、急に泣いてしまったのです。相模にはまだ夫を恨むという術があるけれど、この人は誰も恨めない、すべて自分ひとりで引き受けて耐えに耐えていたんだなあ、と。

当然ながら「十六年は・・・」の台詞そのものはつたなかったのですがwそんなことはどうでもよくなるくらいの熊谷の孤独感、喪失感は十二分に伝わってきました。最後の最後でやってくれたじゃないか。ダンダン。
いやあこんなこと吉右衛門でも仁左衛門でも感じさせてくれなかったよ、ダンダン。あたしも最後まで耐えに耐えて(実は途中で帰っちゃおうかと思ったw)見ててよかった!

 

ところで、地味な座組み、地味な劇場なら観客は上質か、というとそうでもなくて。

空席が多いのをいいことに、隣の席の肘掛に頭を持たせて完全に横になって安眠状態のおっちゃんはいるし(ここはヨーロッパ線のエコノミー座席か!)、あたしの隣のじいさんばあさん(あたしから見ても親世代)はサツマノカミタダノリとイチムラカキツが読めなくて大騒ぎしてるし(今まで柑橘類とか読んだことなかったのだろうか、とか、無賃乗車=ただ乗りのことを薩摩守と言って育った世代なのになあ、などと冷たく見守っていたいぢわるなあたし)、まあそれはちょっとうるさいくらいで済んだのだが、いちばん問題だったのは

十六年は・・・の直後、花道の引っ込みのところで携帯鳴らしやがったやつと、

まさに同じタイミングで「なりたや~~~~っ」としょぼい声で掛け声をかけたあときゃははははと照れ笑いした婆さん。なぜそこでかける!なぜそして笑う!!!

この二人は一子はともかく一指を切ってざんげしてください!

 


記録という名の思い出

2012-03-09 | kabuki a Tokio

国立劇場45周年記念記録映画+トークその3見てきました。1-3コンプリートだああ。

すごーーーーく生意気かつ危険な発言をします。

45年前の役者と比べて、みんなへたくそになったなあ。

 

というのが記録映像を見ての率直な感想。
映像も汚いし、モノクロだったり音もぷつぷつ切れたりしてたけど、PART1がいちばん楽しかったし、感動もあった。
PART2でも書いたけれど、ゲストが記録映像の当時から活躍している人だったりすると彼らの出演作品を中心にセレクトしちゃうから、PART2以降はベスト名演じゃなかったってこともあるのかもしれないけれど。
PART3で感動したのは昔の菊五郎劇団の立ち回りのきびきびしているところと、ガリガリになっても調子を失わない宗十郎の名台詞、それにナマでも見ている吉右衛門の大石、くらいだったでしょうか。
珍品としては團十郎の狐忠信。これはナマでみたら怒っただろうけど、今となっては楽しいw

ゲストが團十郎と三津五郎。
芸の話というより、ほとんどが登場している物故者の思い出話になってしまったのも、昨今の物故者続きでは仕方ないのかもしれないけれど。
しゃべっているうちに取りとめがなくなって、聞かれたことと違うことをしゃべっちゃう團十郎、何を聞かれても実に当を得た、しかも気の利いたことがしゃべれる三津五郎。芸風そのままで面白かった。
三津五郎はあの分析力、冷静な判断が、かえって舞台をつまらなくしている要因じゃないのかな、などとも邪推してしまったりw
いや、すごくいい話だったんだけどね、覚えてないw
覚えてるのは團十郎が雀右衛門の声色で女形のときのジャッキーと飲みに行って「おい、こっち来い」と急に男に豹変wしたときってのをやった場面くらいなのだった。
あーあ。ミーハーおばさん相手だといくらいい話をしてもこんなもんなのよ、大和屋さん、ごめんねぇ。


向き不向き

2012-03-08 | kabuki a Tokio

中村座夜の部見てきました。初日のチケットが取れずじまいだったので今月初見。
てか先月で燃え尽きた感が強いあたしw。役者は燃え尽きてられないから大変だなあ。

吃又

先月の勘吉の大顔合わせに引き続き、先月はさらっと付き合っただけの仁勘ががっつり、というので凄く期待したのですが・・・

どうも仁左衛門の又平ってのは向いてないんじゃないのかな。
愛嬌がありすぎて、人生なめてんじゃない、とどやしつけてやりたくなったw。
いい意味でも悪い意味でも末っ子気質がまんま出ちゃったというか。個人的には三津五郎勘太郎系の芸術家タイプの又平か、吉右衛門のとことん内省的な又平じゃないと、気持ちが入れないのよね。本当にマスクだけじゃなくて、あまーい又ちゃんだった。
勘三郎のおとくは、これは名演。ある意味夫婦の情愛が濃すぎて気持ち悪いくらいだったかな。ぢいさんばあさんはニザタマでやるよりニザカンのほうがいいのかも、などと思ったり、吃又なら先月同様吉右衛門とのコンビで見たかった、などといろいろ考えているうちに寝てしまいましたwww
オキの長唄が色っぽかったり、トサノショウゲン(亀蔵)が独居老人wで女中(嶋之丞)が世話してたり、又平が脱いだ着物を女中にあげちゃったり、ほかにも寝てる間にもきっといろいろ違いがあったのだと思うけれど、幕外の引っ込みがつくのも松嶋屋型なのかなあ。富十郎がやったときに引っ込みつきだったのは覚えているけれどその後、ほとんど幕内で決まっておしまい、だったので。
愛嬌たっぷりのこの二人のカップルには幕外つきがよく似合っていた。
雅楽之助あたりで勘九郎が出ればもっと楽しかったのだろうな。まあ大変だろうから無理はいいません。猿弥もとてもよかったし。白塗りすると又五郎とよく似ているなあ。

口上

10人くらい?でこぢんまりとして、先月に輪をかけてアットホームな感じ。しかも「縁もゆかりもない(勘三郎談)」笹野高史までちゃっかり出ちゃってるし。
いろんな人が勝手なことを言っていて笑っているうちに終わったのですが、ほとんど内容は覚えてないw
強烈だったのが仁左衛門。勘九郎は芸熱心でまじめ、という話から派生して「まじめすぎるのがよくない、という人もいますが、羽目をはずすにも程度問題がありまして・・・」と、まあ、警察沙汰起こした若手二人がいる場(そのうち一人は隣に座ってた)で、ブラックの極みな発言。当事者の一人である海老蔵の大笑いと、勘三郎の困ったような苦笑が印象的でした。もう一人の当事者wの表情が角度的に見られなかったのは残念。
仁左衛門のブラック口上、初日近辺からどんどん過激さが増しているらしく、このままいったら楽にはどうなってしまうのか、楽しみ心配です。

御所の五郎蔵

これはなかなかよかったです。

個人的にいちばん不安だったえびぞーくんが、敵役っていうことでニンwで、まずまず無難にやっていたので、邪魔されなくてよかった~。
次に不安だったかんくろーくんがかっこよく見えるかwということですが、これも相当かっこよかったのでクリア。自信がつくと、顔もよくなっていくんだなあ。
皐月の扇雀、逢州の七之助もそれぞれに魅力的で、今月いまのところいちばん完成度が高かったんじゃないでしょうか。

ただ、デキがよかったということはおいておくと、この狂言、家の芸というわけでもなし、五郎蔵は勘九郎より向いてる役者がいそうだし、その上個人的にはこの段の話があまり好きじゃないので、なんで急にこれが襲名狂言になったのか、不思議でしょうがない。

不思議でも「土蜘」みたいに舞台成果や内容で説得力があれば大歓迎なのだが、これって大して内容のない話だよねぇ。深い話であればあるほど魅力の出る勘九郎がやらなくても、と思っちゃったり。どうせこの話をやるなら前段の時鳥殺しを七之助とのコンビでおどろおどろしくやってくれればいいのに。いや、それじゃますます襲名狂言じゃなくなっちゃうけどw

 

元禄花見踊

ひよこの行列。
芸・技術は

鶴松>>>>>>虎之助>>>>宜生>国生>>>>>>>児太郎かな。

好みでいうと

宜生>虎之助>>>国生>>>>鶴松=児太郎。

こんなもん2-3年も経たずして、芸も好みも逆転するだろうし。
児太郎が女形を作ると福助によく似ているのに感心したり、後見の扇之助、橋弥、國久、芝のぶたち(一人だけ忘れた!)のめちゃめちゃ厳しい目つきに坊ちゃんたちへの気遣いを感じ取ったり、まあ踊り以外の部分で楽しみました。冒頭に書いたとおり、踊りじゃなくて振りつき行列だと思ったほうがいいです、鶴松以外は。


いろいろびっくり

2012-03-05 | kabuki a Tokio

演舞場昼の部を見てきました。

荒川の佐吉

染五郎が佐吉をやることしか知らないで行ったらいきなり亀鶴がいい役(以前仁左衛門佐吉で染五郎がやってた弟分)で出てるんでまずは1びっくり。てかナンバー3の消息に無関心すぎるあたし。ナンバー3じゃないのかもw

染五郎は仁左衛門の情がなくて、盲目の卯之吉との情愛がいまいち浮かび上がらなかったけれど、しがねぇ三下奴が必死で義理人情に生きてる感じは、よく出てた。若い役者が同年輩の役をやることのいい点悪い点がくっきりと。
まあ例によって、これ、勘九郎がやったらもっとよかったよなあ、と思いながら見ちゃったわけですがw
亀鶴はいつもどおりうまいし、好演。ただ、いつものことなんだが、それ以上突き抜けた何か、がないんだなあ。普通に巧い、と感心してたころはよかったのだが、そろそろそれ以上の得体の知れぬ魅力が欲しくなってきた。
ラスボスw親分の幸四郎がさすがの貫目で、この一座では格の違いを見せる。
前半の鍵を握る浪人役の梅玉も、いつもどおりさらっとしてるんだけど、今回はそのさらさらさが妙に正体不明の怪しさを感じさせてなかなかだった。

全体にバランスのいい芝居だったけれど、大詰めで「大当たり!」の掛け声がかかったのには違和感が。大当たりの大安売りしてんじゃねーよ。

個人的メモ。

葬式場面の一瞬出番ながらさとぴーの侠客ぶり、かっこいい!!!!かっこよすぎてオペラグラス落としたw

 

山科閑居

 

まず、いきなり山科閑居でびっくり。って、演目くらい知ってから見ようよ、自分w
結果的に佐吉と九段目の二つで昼の部だったんだけど、なんか変な構成。来月の忠臣蔵通しでカットするんでつけたし?

前の狂言でちらりと出てきた福助(好演だったよ)が、お父さんのあとを継いで戸無瀬をやるのかなあ、なんて思っていたら、いきなり出てきたのが子たぬきっぽい山城屋でびっくり。ええええ今月山城屋ここなんだ!
ふーむ。じゃ、小浪は、カズくんかな?と見守っていたら、駕籠の中からえらいへんてこりんな声がする。カズくんの甲高い声も耳障りだが、ここまでへんてこじゃなかった。こりゃ誰じゃ?ぐるぐるめぐる脳裏。梅枝はこんな下手じゃない、扇雀?はこの時間隅田公園で常盤御前やってる・・・コタ?まさか?いやこの下手さ加減はありえる・・・などとぐるぐるしてるうちに籠から出てきた小浪はまだ綿帽子で顔が・・・ようやくちらりと覗いた顔を見て肝をつぶしました。
いや、当然考え付いてもよかったのかもしれないけど、福ちゃんがいまさら小浪って・・・。山城屋が戸無瀬なら不自然じゃなかったんだけど、最初のあのへんてこりんな発声が、福ちゃんのものだとは、福ちゃん好きのあたしの脳が認めたがらなかったのかも。冷静になればあのへんてこりんも含めて、たしかに福助なのだけれど。

…小浪ショック!のあまり、しばらく寝込んでしまいw目が覚めたらお石がいて、へえ時蔵まで今月ここなんだ、とまたまた小びっくり。
三人のシーンは藤十郎の圧巻戸無瀬に時蔵がしっとり落ち着いてきっちり対峙していたのが印象的。福助も最初のへんてこ以外は神妙でけなげでよかった。まあ小浪は台詞少ないしね。ははは。はは。ファンです。
で、尺八おっさんはこれ、予想通り幸四郎で。いやこの幸四郎がよかったです。
こもったような発声がいつも気になるんだけど、なんか尺八おっさんこと加古川本蔵の苦しい胸中とだぶって、本蔵の告白で泣けたのははじめてかも。
蛇足ですが、えびぞーくんのへんてこ発声、幸四郎の真似?親戚だし、勝手に似てきちゃった?えびぞーの後半生は喉の中でえびじゃなくて鳩を飼って暮らすんだろうか。

で、すっかり忘れていたらここでいきなり大星登場。ってそら出てくるわな、山科だし、忠臣蔵だし。
いやあああああびっくりした。音羽屋ですよ、音羽屋!ってみんな知ってるか。あたしだけかびっくりしたのは。
時蔵が出た時点で予想してもよかったのだけれど、音羽屋の大星って初めて見たかも。まあ山科閑居だったせいもあるかもしれないが、違和感なく、貫禄も本蔵と並んで上に見えたし、何よりたたずまいが上品でよろしい。

ここまで座組も狂言も知らずに行って、ここまでの大顔合わせだったのってはじめてかもしれないんだけれど、びっくり感で得をしたような、最初から知って期待してみたかったような、複雑な気分でした。

山城屋高麗屋音羽屋萬屋成駒屋(登場シーン以外)すべてよかっただけにもう一度ちゃんと見たいような、この新鮮さを大切にしたいような。

こういうこと書いてるときは、たぶんもう見ないw

 


退屈はしなかったけれど・・・

2012-03-03 | kabuki a Tokio

平成中村座初日昼の部見てきました。夜の部はえり好みしてるうちに完売して、その後結局買えなかった・・・後日改めて見ます。

で、とりあえずほとんどやる気のないw昼の部。いろんな意味でどきどきしたので、退屈はなかったですw

えびぞーくんはいまだ試行錯誤中?これで固定?のおこもりボイス。よしあしは別にして、歌舞伎座が割れるかと思った大音声のごんごろーはどこへいった?1/3以下のスケールであろう中村座ですらこもって聞こえる♪しばらーく、しばらくの声。

花道での迫力はなかなかだが、サイズ的に不器用なえびぞーくんには所作が不自由すぎて、花横の人たちは命の危険を感じたんじゃないかしら。いろんなものをなぎ倒しつつ進んでいきそうだった。(花横の人が危機一髪なのね、先月は花道に立ってる人が危機一髪だったけどw)。

声の迫力のなさはおいておけば、とりあえず気持ち悪くもなく、許容範囲内で見られましたが、仰天したのは引っ込みの奇声。ひーひゃーひゃーなんて感じの声を上げながら拍子をとって引っ込んでいくのを見て、あたしはインディアンの馬追い歌かと思いましたw
さっき某掲示板を見たらアパッチの逆襲という表現をされていて、それもアリかな、などとw
まあ同じようなことを感じる人はいますわな、さすがにアレは。
後見の新蔵が殺気立っていて緊張感びしばし。後見が引っ込んで、黒御簾で見学してたw勘三郎もいなくなって、そのあとの馬追い歌だったから、確信犯?(誤用)。新蔵さんの心臓が心配です。→これは確信犯(誤用2)

 

他の座組も薄薄感が満ち満ちて。

座頭の我當、鯰の猿弥、太刀下の進之介、女鯰の七之助、成田五郎は男女蔵・・・我當と猿弥以外はまあ、なんというか。がんばってました。シンノスケは意外にもw無難だったけど、先入観があるので、いつ長袴を踏んでずっこけるかと緊張してしまいましたw
男女蔵は先月といい今月といい、どんどん左団次に似てくるなあ。稽古つけてくれそうもないイメージの父親だけど、つけてくれてるのか。あるいは勝手に似ちゃうのか。

小金丸で世界小姓コンクールチャンプwの梅丸が登場したり、腹だしの功一がびっくりするくらいいい声だったり、奴に松次郎がいたり、あたりがミーハー的ハッピーサプライズ。

梅丸はそろそろ声がきつそうで、数年はお目にかかれないかもしれないのに、太め?顔のせい?であまり魅力的じゃなかった。

しかし、よしおもとらのすけもつるまつもいるのに、梅丸呼ばれたのはえびぞーくんの意向なのかな?

 

一條大蔵

 

初日なのでどうしても緊張してるなあ。勘九郎
あの鏡獅子ですら初日は緊張が残ってたから無理もないので、今後に期待。とはいえ昼の部は楽まで見る予定ないんだけど。もう一回くらい途中経過見にいこうかなあ・・・
阿呆ぶりは適度でいいんだけど、大蔵卿の本性を顕してからの貫禄不足というか、品はいいんだけど、大きさが足りない気がした。

緊張の典型的表れとして、所作がぎこちなく、その結果か、扇を落としてしまっていた。鬼次郎の仁左衛門がとっさに拾って渡していたが、その後の「じかにお渡しいただくのは恐れ多い」のシーンが不自然に見えちゃったなあ。
まああの場面では七之助にはますます渡せないだろうし、小山三がやるのがいちばん自然なんだが彼はたぶん気づいてないし、自分のことで必死だろうし。しょうがなかったのだろう。

小山三が鳴瀬でほぼ出づっぱり。正直先月の飛鳥井くらいの出番だと安心してみていられるのだが、あまりに出番が長いと、客のほうが見ていて緊張してしまう。手の内に入った役だけに、いいことはいいのだけれど、後ろを向いた姿勢で肩で息されるとやっぱりなあ・・・難しいものだ。

勘九郎だけじゃなく、他の役者もまだまだ初日で手探り状態かなあ。仁左衛門も思ったほどよくなかった。七之助と扇雀がまったく期待してなかった分、仕上がっていた感じかな。あ、勘解由の亀蔵は完璧でしたね。

今後どういう風に一條大蔵を仕上げてくるか、うーん。やっぱり楽までにもう一度みたいかなあ・・・

 

舞鶴雪月花

花・七之助 相変わらず出がいちばん綺麗でどんどん退屈させるセブン流舞踊。
月・仁左衛門&千之助 千之助が丁寧で綺麗な動き。かわいい松虫ぶりでよかった。仁左衛門は舞踊は置いといてw松虫が似合わないのに大笑いしてしまった、すんません松席前方でヒクヒクしてたのはあたしです。
「悪い電波を受け止めてる宇宙人」だといったら共感の大笑いいただきました。しかし、この方、似合わない拵えは徹底的に似合いませんなあw
雪・勘三郎 花と月があまりにあまりだったので(千之助以外)、比較対象的に勘三郎の雪だるまがすごくよく見えた。あくまで軽ーーーーーく踊ってるんだけど、愛嬌と細心の動きで本当に楽しく見ていられる。ラストの雪だるまが溶ける演出で外を見せるのも中村座ならでは。だけど雪の日は開けちゃうと、雪だるま溶けないよね・・・などと余計な心配をしてしまった。

 

ってことで、いろんな意味でどきどきさせる要素がそれぞれにあって、退屈は一切しませんでしたが、なんというか、芝居としての成果という意味ではまあ、発展途上というかまだまだだなあ、という印象の初日昼の部でした。


うすい芝居の翌日は

2012-03-01 | spectacles

一転、いろんな意味で濃い芝居を見てきました。THE BEE 英語版@水天宮ピット。

感想を書く前に2007年に同じ作品を見たときの感想を読み返してみたんだけど、びっくりした。あたし、今はキャサリンハンターのこと大好きだから、2007年版のTHE BEEでも感心したものだとばかり思い込んでいたら、彼女のこと、気に入ってなかったんだね、当時。そしてその感想は感想で、ちょっとうなずけたりするわけで。

THE DIVER以降のキャサリン崇拝ゆえに、THE BEEでの芝居も肯定していたと思ってしまったわけ。記憶の修正力って恐ろしいなあ、と。

余談はともかく、5年前と細部の演出はいろいろ変わっていたけれど、基本は同じ。誕生祝が電卓、なんてあたりに時代を感じる以外はさして古びていないところに作品の普遍性を感じました。もともと原作は40年近くも前に書かれたものだから当然といえば当然なんだけど。

なんせキャサリンへの感想すら修正されているくらいで、初見当時の感想の記憶などあやふやなのですが、たった一時間十五分でよくもまあこれだけ濃い劇空間が作り出せるものだ、という感動は同じ。ただ、こちらも再見だし、あちらwも世界中で何度も再演を重ねてきているので、練れた、というか、荒々しさ、インパクトは薄まっていたかも。
THE DIVERで感じた能世界的な様式美が、THE BEEでも取り入れられて、そのせいか現実味は乏しくなっていた感じ。
主人公と対峙する人質、あるいは犯人の妻役の野田が、ちょっと枯れすぎていて、エロチックに見えなかったのも生々しさを薄めた要因かな?まあこれはこれで嫌いじゃないんだけど。

様式美の骨頂といえる神を丸めた物体が犯人の息子(前回と同じ役者?好演)に変容する瞬間なんて、鳥肌ものだったし。
能に代表される日本演劇の極限まで簡略化された表現と、それを通常の劇空間で表現しきる役者の卓抜した技術、本当に濃いなあ・・・

 

日本版ではより現実味がある宮沢りえが演じて、普通のサラリーマンを野田が演じるわけで、楽しみなようで、ある意味怖いような。しかし、日本版のチケット、取れませんなあ・・・5連続はずれ。
宮沢りえ出しておいて、200席足らず?の小屋っていうから予想はしたけどさ。
こうなったら久々に禁断のoークションに手を出すか、禁断のcネクションをたどるかしなければ。

ところで、原作者の筒井康隆は、THE BEEを見ているのかな?見ているとしたら感想を聞いてみたい。