最高の花婿見てきました。
数年前、台湾に行く飛行機の中で見たこの映画。
機内映画としてはかなり気に入ったので、日本に来たら是非再見しようと思っていたのでした。とはいえ、アメリカでは上映禁止になったという噂も知り、差別的会話もかなりどぎつかったので、日本でも難しいのかなあ・・・とほぼわすれかけていた今さら(この映画2013年制作です!)、ひっそりと上映されているのを知ってあわてて出かけました。
大体のあらすじは前回書いたので知りたい方はこちら、或いは映画のHPでw
そのときはフランス語&英語の字幕しかなかったので、理解しきれなかった部分を日本語字幕で!と思っていたのですが。
いやあ甘かった。いや甘いというか、読みが間違っていました。
日本語の字幕って、たぶん世界一無難というかいい加減wというか。
差別的な内容なんてきちんと訳してくれるはず、なかったのですよね。
前回一生懸命聞き取っていたから家族のカオスを「FUKUSHIMA」と表現してたのも気づいたのだけれど、
楽ちん日本語字幕を追っていたら、まったく聞き取れなかったw
というわけで、どこがアメリカさんの逆鱗に触れたのかとか、どの民族に対していちばん過激なのか、とか微妙なニュアンスは、前回よりももっとわかりませんでしたとさ。
やっぱりブンガクも映画も、本当は他人様(翻訳者)の世話にならずに直接触れないと、なんだなあ・・・だけどそんなこと言い出したら世界に何百とある言語すべてに精通しなきゃいけなくなるし。
うーん。字数制限とか差別表現規制とかいろいろあるんだろうけど、日本語字幕翻訳者さん、もう少しニュアンスある表現をお願いできないものでしょうか。
フランス語ヴァージョンを見たときに感じた「おかしさ」の部分はかなり伝わったと思うのだけれど、「毒」の部分はもう、薄められるだけ薄めてみました、って感じちゃったのだけれども。これが意図的なものなのか。そうじゃないのかはあえて詮索しませんが、日本公開まで3年かかってる、というところになんらかの「意味」は感じてしまったりもするのです。
…なんて突込み好きだからいろいろ書きましたが、毒が薄まっていても、それなりに楽しい、ちょっとだけ考えさせられる成功した映画であることに変わりはなかったです。
あちこちにものすごーく嫌味で差別的表現がちりばめられていても、映画全体を貫く「人間肯定」のトーンがしっかりしてるからこそ、後味のいい、いや、ある意味よすぎる映画となったのだと思います。
ちなみに、後味悪い映画が好きなワタクシ、一度見ているにも関わらず、ラストにもう一ひねりあって、後味悪くなるような記憶補填がされていましたの。
残念ながら、とってもとっても後味のいい、フランス映画らしからぬエンディングでありました。
ま、途中たくさんビターだから最後はスィーテストでもいいのか。