laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
楽しく気楽につぶして生きてます。

それぞれの空白

2021-11-26 | cinema

日常が少しずつ戻ってきてる日々。

春馬以外の映画を見るのも二年ぶりくらいかな。wowowとかアマプラで見ることに慣れてしまっている。本屋で本を買って、映画館で映画を見る。そういう当たり前のことが当たり前じゃなくなって来ているよね。いいのかな。

とりあえず映画館で見た映画に関しては(忘れなければ)記録することにしてるので。

 

空白

こんな映画が9月に上映されていたことすら知らなかったw

古チンと桃李って大好物の二人が出てるのにまったくアンテナに引っかからない。どんなポンコツアンテナなんだ。

で、いい映画でした。見て良かった。

突然愛するものを奪われた人間。意に反してヒトの命を奪ってしまった人間。運命のいたずらでその死に深く関わってしまった人間。彼らに様々な形で関わっていく人たち。

群像劇の一人一人が深く描かれているので、過不足なく人間の苦悩、憎悪、空虚感、絶望、そしてそれぞれがたどり着いた一つの帰結点(もちろん映画のエンディング後もそれぞれの人生/苦悩は続くという予感も含めて)。

役者が無名の新人?も含めて全員素晴らしい。下手な役者がいないってそれだけで貴重だからさ日本映画だと。

特に感心したのが藤原季節。テレビドラマの脇役でちょこちょこ見かけるようになってはいるけど、ここまで鮮烈な印象を感じたのは初めて。がさつに見えて繊細な役どころを魅力的に造形していた。

桃李はいつもの「耐える役」なのだが、一瞬切れる芝居がすごかった。いつもおどおどしている青年が切れるといちばん怖い、って本心から震えた・・

寺島しのぶの、誰かの役に立っていないと死んでしまいそうな孤独な女性もぴったりだったし。って列挙したら切りがないほど本当いい役者ばかり。

あ、あと一人だけ。冒頭で死んでしまう娘役の子(名前知らない)。芝居がどうこういうほど出番はなかったのだけど、その存在感のなさが素晴らしかった。褒めてます!

全体に重い暗い映画なのだけど、見終わった後はなぜかすっきりさわやか。

後味の悪い映画好きのワタクシとしても、このご時世ではこのすっきり感はありがたかったなあ。

久々に映画館で見た映画に満足できて幸せなひとときでした。

 


マイナー三都物・4/3・4/4 TANBA-SASAYAMA そして・・・

2021-11-22 | voyage

とうとう三日目にして今回の目的地にたどり着きます。一泊しか出来なくなったし、二日目は雨予報なので今回は下見で又来る気まんまんなので割とゆるっとした気分で。

とはいえ、年寄りの早起きは止まらない。早朝の梅田を横目にとっとと都心を離れ丹波の里へ。

丹波篠山

大阪奈良と並んで三都とくくるにはあまりに無理がある?数年前までは半分死んだような、黒豆と牡丹鍋くらいしか見所ないような田舎町でしたよね。

某古民家リノベ業者が再開発に関わりだして急にメジャーになってきて。市ぐるみでいろいろ奮闘しておられるようで、早めに行かなきゃ大観光地になっちゃうぞ、とあせって行ってきましたよ。

実際この夏にはことりっぷで「丹波篠山」単独のが出されたくらいで。

個人的には古民家リノベの走りであるこの地で古民家リノベの宿に泊まりたかったのと、春馬が小学生のころに初主演した『森の学校』の主たる舞台になってることのダブルモチベーションでここを訪れたのですが・・・

うん。町そのものは本当にいい感じで田舎で、いい感じに再開発されていて。ちょうどいい頃合いってな感じでした。数年経ったらめっちゃメジャーになってるか。あるいは飽きられて寂れてるか。

森の学校で春馬一家wが住んでた家。鳳凰会館という公共施設になってました。

ちび春馬がよじ登ってた篠山城址の石垣。

私が泊まった古民家リノベ宿。真冬は寒いかもしれませんが、雰囲気は抜群でした。

二日目は予定通りw雨。宿の人が「一か月ぶりくらいですね、雨は」と言ってた。おかしいなあ、最近旅先ではめっちゃ晴れ女なのに・・・

でも雨に煙った田舎町ってのも風情はある、と強がってみた。

丹波栗とか

黒豆とか

うん。全体としての町はとても素敵でしたよ。丹波焼の郷には雨で行けなかったのでまた次回。

ただ、まあちょっと観光開発の手法としてなんだかなあ・・・みたいな雰囲気も感じてしまったのも事実。

それは一介の旅人が語るような筋合いではないので、ここではこれ切りにしておきますが。全国あちこちの再開発地域で同じような軋轢、悲喜劇があるのだろうな、と今回たまたま垣間見た事情から察してしまいました。

なのですぐにまた行きたい!とはならないかなあ・・・


マイナー三都物語2/4 NARA

2021-11-20 | voyage

そもそもJRさんが三都になんで入れてあげなかったか不思議な奈良(都市型旅行を提案したかったらしいが)。lavieがちゃんと入れてあげましたよ。

今回の目的地は三つ目に向かう、都とは言いがたい鄙な地なので、本来はそこに二泊、いや三泊したかったのだがお値段と雰囲気が合致する宿が最終日にしか空きがなく、しょうがなく大阪二泊のパッケージにしたのだった。で、この日程で行動範囲内でなにかないかなあと探していたら・・・ありましたよ、もう私のために用意されたとしか思えないイベントが!

旧奈良監獄元看守と回る二時間(記憶だけで書いてるので絶対実際のイベント名とは違う)

朝九時半からというこれに間に合わせるために大阪を早朝出発。まあ早朝起床は日常茶飯事なお年頃。

奈良駅から現地まで徒歩30分。ちょうどいいお散歩。

宝塚か!と突っ込みたくなるような奈良女子大の正門。この門にあこがれて入学した子もいるんじゃ?ここの近くでまさかの鹿。こんなところまで鹿さん進出してるのか。そういえば奈良女子大学に鹿が入り込んで・・というニュースを数年前に見たような。今じゃ普通になってるのか。車道を堂々とお散歩していて、車がどうぞどうぞと譲っていた。インドの牛か。あまりにびっくりして写真が撮れなかったのが痛恨。

奈良監獄の近所にある般若寺。コスモス寺という別名があるくらいコスモスで有名。シーズンは10月らしいけど、名残のコスモスがまだ綺麗でした。

で、本日のメインディッシュ。旧奈良監獄見学。

何も言わなければどこのシャトー?豪華ホテル?と思うような壮麗な外観。ここが刑務所だってんだから奈良、奥が深い。豪華ホテルといえば某Hグループが買い取って数年後にホテル営業開始するとか。すでに一部で改修工事が始まっていました。おそらくこのファサードはそのまま生かすんだろうね。

元看守さんとか保存団体の人とか。いろいろな人がお話してくれましたが、いつものようにお話しを聞き流してしまう駄目なワタクシ。

だってそこここにこんな素敵な風景が・・・まるでイタリアの修道院みたい。

ま、現実はこういうんですけどね。

ここは雑居房。独房が多いこの刑務所。中には優秀な受刑者向けのカーペット付トイレは洋式なんてのもあった。なんとこの刑務所、数年前まで実際に使用されていたというからびっくらぽん(古い)。どうせ罪犯したならここに収監されたらちょっと嬉しかったかなあ。ま、男性オンリーだったみたいだから無理なんだけど。

 

午後からは奈良交通のツアーに乗っかって二つの寺巡り。初日ですでにヘロヘロになっていたし、二つのお寺は交通不便な場所なのでちょうどいいか、と思って。

正暦寺

…初めてだと思ってたら行ったことあったw

紅葉の季節は臨時バスが出るからそれなりに行きやすい場所だったのね。だから私来てたのねw

そして滞在時は曇り気味だったこともあって、ちょっと期待はずれ。ちょっと時期も遅かったかな。

ま、それなりに綺麗ではありましたが。

二つ目のお寺は弘仁寺

ここは車じゃないと来られないなあ・・・というくらいの場所だった。ちょっと住職の話がウザかった(滑舌が悪くて半分くらい聞き取れなかったし!)のがなあ・・・こういうの団体さんだからサービスしてくれてるんだろうけど、サービスいらないから自由に散策させて欲しかった。まあそういう文句いうなら自力で来い!ですな。

紅葉の季節の土曜日ということでどこに行っても人が多くて、バス移動にしてよかったのかもしれない。人混み歩くとそれだけで疲れちゃうから。交通渋滞も京都当たりと比べるとまだまだ全然OKだし。

とはいえ、近鉄奈良駅に到着したときは日もすっかり暮れて・・・大急ぎで大阪にとって返して早寝!翌朝もばーちゃんの出発は早い!

 


マイナー三都物語1/4 OSAKA

2021-11-19 | voyage

西の三都といえば京都大阪神戸だとJRさんが言っておられますがそのうち二つをブッチしました。大阪は、まあ格安パック旅行の拠点にせざるを得なかった(のぞみ往復運賃程度で二泊ついてきたので・・・)というのが実情ですが。

二泊大阪安ホテル、三泊目丹波篠山(本来の目的地)古民家リノベゲストハウスという三泊四日の旅。なかなかに充実かつ疲労感を伴うものでした。

まずは一日目。大阪。子どもの頃住んでいた場所ではありますがもはやまったく見知らぬ町。てか今回訪れたところはほぼ、初めて足を踏み入れた。子どもって行動半径狭いものねぇ・・・

大阪まで来たというのにまずはメトロポリタン美術館展。どうせ東京じゃ長蛇の列大混雑が目に見えてるから、先に大阪でカラバッジョに会っちゃえという訳です。大阪でもそこそこ混んでた。がら空きに決まってると思ってたワタクシ、甘かった。大阪民なめてた。ごめん。

市立美術館、改装して綺麗になってたけど内部のクラシカルな感じはそのまま。会いたかったカラバッジョは白い人の右側で暗黒を見せてる彼。たいていの作品に暗黒自己を描き入れてると知って、暗黒カラバッジョ探しがライフワークになっています(嘘)。これはかなりわかりやすかった。

美術館が天王寺にあったのでついでに天王寺公園をぶらり。通天閣のお膝元でなんか怖い感じがあったのだけれど、天気がいいせいもあってか、まあ平和で綺麗で・・・

通天閣の頭が見えてますね!

そして、めっちゃ有名なのにまったく足を踏み入れたことがなかった四天王寺。いやあここでかかった。疲れた。

あとでネットで調べたら四天王寺だけで一日がかりで見物が普通らしい。1時間で全部見ようと思った自分が浅はかでした。でももう一回行きたいとまでは思わないw

たまたまここの近くに大好きなパンやの支店を発見。お昼はここのパンで割安に済ませました。ここのやわらか卵サンドはいまのところマイベスト卵サンド!

そしてやはりお初。「あべのハルカス」へ。

購入した格安パッケージ旅行に「選べるクーポン」ってのがついてて、天王寺付近だとここの展望台と、モ一つ上のヘリポートツアーってのが選べたので。あ、ワンドリンクもついてた。計2000円以上だからお得っちゃお得だけどまあ高いところはそこまで好きじゃないんで・・・馬鹿じゃないからwww

左手の緑が天王寺公園。大阪って緑少ない印象だったけど、天王寺公園って広いのねぇ・・・

中央右手で切れてる緑が大阪城公園の一部。

この時点でもうヘロヘロです。ドリンク飲んでだれーっと一時間くらい休んだかな。

少し疲労回復したところで必死で「大阪のヴォーリズ散歩」

二つとも教会です。どちらも現役で使われているようで日曜の午前中に伺えばミサ参加という名目で内部も拝見できそう・・・でも信者じゃないので気がひけるなあ。ってことでとりあえず外観のみ撮影。

心斎橋大丸のファサードもヴォーリズ時代のを残してると知ってはいたのですが、もはや「気力体力の限界!」金曜日の繁華街に出かけて行くことはできなかった。ま、いつでも行けるしね心斎橋なんて。

ってことでホテルの近所のビストロみたいなところで軽く飲んで這うようにホテルに帰りました。

なんせ日常生活では8時にはベッドに入って5時には目覚めてるので、観光にもそのペースが大切。一人旅が多いのは、友達がいない(少ないのは確か!)というより個人のペースとか興味を他人に邪魔されたり逆に他人に押しつけたりするのがいやだからってのが大きいかな。一人暮らしも長年になると、なんでも一人がいちばん楽。これが人としていいことなのかどうかは・・・・しらんw

というわけで旅先でも通常通り9時には就寝。翌朝も早いのよ!

 

 


薄味の歌舞伎、脂っこい外食

2021-11-13 | kabuki a Tokio

赤坂歌舞伎見てきました。

いやーつまらなかったw

山名屋浦里は歌舞伎としても演劇としても中途半端でどこがいいのか全然わからん。歌舞伎座初演時からそう思ってたけど駿河太郎がまだよくやってたのだ、と同じ役を虎之介がやってみて初めて気づいたw

本当、こんなの再演するなら大名作である赤目の転生を掛けて欲しかったよ!

勘太郎の越後獅子はまだまだ一杯一杯だし(小学生が一幕ひとりで持つだけでもすごいっちゃすごいんだけどね)、追い出し舞踊はまあ楽しいっちゃ楽しいんだが・・・とにかく全体に薄い。物足りない。

勘ちゃん本当にこんな仕事ばかりやってていいのか

海老蔵じゃないんだからあんたはw

 

超薄味だった舞台と比べて久々のスパニッシュはめっちゃ脂と塩がきつかったなあ。外食ってこんなにこってりしてたんだっけ。と思うのは二年間の家庭食で自分が薄味好みに変わってしまったのか。たんなる老化なのか・・・

ほぼ二年ぶりの友人と再会しておしゃべりできたのだけが楽しかったかなあ。まあそれだけでも十分にありがたいのだけれども。