日常が少しずつ戻ってきてる日々。
春馬以外の映画を見るのも二年ぶりくらいかな。wowowとかアマプラで見ることに慣れてしまっている。本屋で本を買って、映画館で映画を見る。そういう当たり前のことが当たり前じゃなくなって来ているよね。いいのかな。
とりあえず映画館で見た映画に関しては(忘れなければ)記録することにしてるので。
空白
こんな映画が9月に上映されていたことすら知らなかったw
古チンと桃李って大好物の二人が出てるのにまったくアンテナに引っかからない。どんなポンコツアンテナなんだ。
で、いい映画でした。見て良かった。
突然愛するものを奪われた人間。意に反してヒトの命を奪ってしまった人間。運命のいたずらでその死に深く関わってしまった人間。彼らに様々な形で関わっていく人たち。
群像劇の一人一人が深く描かれているので、過不足なく人間の苦悩、憎悪、空虚感、絶望、そしてそれぞれがたどり着いた一つの帰結点(もちろん映画のエンディング後もそれぞれの人生/苦悩は続くという予感も含めて)。
役者が無名の新人?も含めて全員素晴らしい。下手な役者がいないってそれだけで貴重だからさ日本映画だと。
特に感心したのが藤原季節。テレビドラマの脇役でちょこちょこ見かけるようになってはいるけど、ここまで鮮烈な印象を感じたのは初めて。がさつに見えて繊細な役どころを魅力的に造形していた。
桃李はいつもの「耐える役」なのだが、一瞬切れる芝居がすごかった。いつもおどおどしている青年が切れるといちばん怖い、って本心から震えた・・
寺島しのぶの、誰かの役に立っていないと死んでしまいそうな孤独な女性もぴったりだったし。って列挙したら切りがないほど本当いい役者ばかり。
あ、あと一人だけ。冒頭で死んでしまう娘役の子(名前知らない)。芝居がどうこういうほど出番はなかったのだけど、その存在感のなさが素晴らしかった。褒めてます!
全体に重い暗い映画なのだけど、見終わった後はなぜかすっきりさわやか。
後味の悪い映画好きのワタクシとしても、このご時世ではこのすっきり感はありがたかったなあ。
久々に映画館で見た映画に満足できて幸せなひとときでした。