laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
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赤い靴、脱げた?

2024-09-04 | kabuki a Tokio

研の会@浅草公会堂見て来ました。完売御礼。おめでたいことです。

 

舞踊に関しては研祐時代から勘太郎(当時)に次ぐ存在としてめちゃくちゃ期待してた。
勝手に「二代目赤い靴を履いた少年」なんて呼んだりしてね。

うーん。昨今、そこまでしょっちゅう見なくなったけど、見るたびに???ってことが多くてね。

まずは丸本物

合邦

勉強会でこれを掛けようという自信とコネクションと財源がまずすごい。清元宗家ってやっぱり金あるんだろうな。。。ま、金だけでは人は集まらないからご本人の人柄もあるのでしょう。研の会見るたびにもっと売れてるはずの某兄弟の巡業のしょぼさを憂えてしまう。。。

で、合邦ですよ。玉手ですよ。がっつり丸本ですよ。
右近は良かった。脇も勉強会としてはそろえたんだろうけど、なんせ同じ時期に歌舞伎座でやってる面子と比べると一文安感が否めない。

猿弥青虎の芸達者コンビが、芸達者故に軽く見えてしまったのも残念。これ、歌舞伎座の歌六萬太郎がやってたらだいぶ違ったんだろうな。
俊徳丸浅香姫コンビも未熟丸出し。特に俊徳丸の橋之助・・・個人的に古典が似合ってキライじゃないんだけど、俊徳はどうしようもなかった。しどころのない役だもんねぇ。でもオムファタルwだからとりあえず愁いに沈んだ王子様感がないと駄目なんだけど。この人顔だちは綺麗なのに、なぜか美形感ゼロという不思議なキャラでw
憂いに沈んでいるのが、歯でも痛むのか?みたいに見えてしまって。
鶴松は一生懸命表現しようとしてるんだけど、それが裏目に出てしまって安っぽく見えちゃう。

しかし鶴松人気あるのね。出の拍手が下手すれば主役より多かったようなw
菊三呂の母親が唯一出ず入らずで良かったけど、この脇では右近がいくら頑張っても世界観はまったく出し切れなかったかな。そもそも玉手の忠義心の発露って現代人にはよーわからんで済まされかねないものだからなあ・・・


右近の面長な容姿は、丸本物にぴったりなので、この挑戦は続けてもらいたいと思うんんだけど、とりあえずこの日の成果としてはいかがなものか?って感じでした。

 

連獅子

 

みんな大好き連獅子。食前食後に連獅子。それにつけても連獅子のほしさよ。

 

…もうわたくし的には中村屋(先代)親子のヤツがデフォルトになっちゃってるんで、当代中村屋のヤツですら物足りない。まして他の踊り手おや!

なのでもう物足りない、どころか途中で帰ろうかと思った。
特に前シテの物足りなさよ。
まほろは無理だろうと思ってたけど右近ががっちがちなのか、情念が一ミリも感じられない。ただ振りをやってるだけ。
右近の顔は時々勘九郞、時々勘三郎に見えたりして、ああ、六代目の血って濃いのね、なんて感動もしたけど。それだけ。

宗論は大阪が猿弥青虎の鉄板コンビに対して東京は鶴松橋之助の若手コンビ。こりゃ物足りないだろうなと思ってたらやっぱり物足りなかったんだけど。拾いものというか、橋之助って松羽目にぴったりはまるなあと妙に感心した。
松を背景にしてこんなに絵になる役者ってやっぱり存在価値あると思う。へんな新作は弟に任せておいて、スキャンダルは親に任せておいて、王道古典役者を目指して欲しい。

で、みんな大好き後シテ。
毛振りの軌道「だけ」は右近素晴らしかった。ここ数年見たすべての獅子のなかでいちばんかも。勘九郞より軌道の綺麗さは上かも。

だけど勇壮さ、大きさ、美しさ。。。。全部物足りなかったなあ。

まほろはまあ、思ったより動けてた。きっとやってて楽しいんだろうなあと。この年頃はそれで充分。
で、先日この写真を友人から見せられて(二列目中央)、まほろかよ!って突っ込んだんだけど、仔獅子こしらえしたまほろもダンダンそっくりだった。
あそこまで出自がはっきりしてなかったら隠し子に違いない!と騒ぎたくなるくらいw

悪口ばかりのようですが、ま、右近が好き&期待してたからの反動です。普通に勉強会としてみれば怒るほどの不出来ではない。と一応弁解。

タイトルは「赤い靴を脱いじゃったのよね」という惜別の情です。勘ちゃんはちゃんと赤い靴を履いたおじさんになったのに・・。寂しい。
場内放送でもカテコの挨拶でも物販宣伝ばっかりして・・・あんた金あるんでしょう?と突っ込みたくなったよ。

ま、これだけの会を毎年やろうと思ったらいくら金あっても足りないのかな。
横尾にポスターここ毎年頼んでるよね。(見出し画像)これももちろんコネだろうけど、ギャラだって相当だと思うし。