laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
楽しく気楽につぶして生きてます。

おめおめおめその2

2020-01-26 | kabukiza

おめちゃん三連発の歌舞伎座夜の部二度目見て来ました。千穐楽でございます。

一度目とあまり感想変わってないのでまとめてこちらで書いちゃいます。例によっていい加減です。

銀座周辺には春節バカンス中の方々がたむろしておられまして。ファミリーさんが大きな声で語らってる横を、息を止め、足早に通り抜けたワタクシは、偏見と差別の塊でしょうか。ただ小心なだけなのですが。

 

五斗三番叟

これ、かなり好きでした。歌舞伎ならではの馬鹿馬鹿しさ満載で。白鷗さん初役なのかなあ。私は少なくとも初見。

80近い?ご高齢で初役(ということにしておきます)挑戦するのも素晴らしいし、苦手な所作ごとをこなしてるのも素晴らしい。なんか息子に家督譲ってからのこの方、自由で本来の才能に戻った感じでいいわあ。勧進帳1000回!の呪縛から解き放たれて良かった良かった。

おめ1.赤面似合ってて、雰囲気良かった。

竹田奴も雀奴も大好きなので、両方見られてお得感。実は今月いちばん気に入った出し物はこれだったりしますw

猿之助に「踊りの準備。踊りの準備」と白鷗が言って引っ込める場面があって、おそらく底本通りなのだろうとは思うけれど、次の連獅子の準備と符牒が合っていてニヤニヤしてしまった。客席誰も笑ってなかったけどさ。

白鷗初役、を一応確認しようと思ってデータベース見たら、富十郎とかダンダンが持ち役にしてたのね。とみぃの素晴らしい踊りによる五斗も見たかったし、ダンダンの茫洋たる雰囲気にぴったりで見て見たかった!ダンダン五種に入れたかもしれない、実際見てたら。

 

というのは余談でした。

 

連獅子

 

巷では大評判のようで、期待しすぎたかもしれないね。

なんせ、前シテの團子が言語道断の出来で。褒めてるお客さんは前シテ寝てるのかなあ?実際寝てる人多かったけど。後シテの機敏な動きはまあ運動能力の高さを思わせたけれど、前シテ好きのlavieとしては最初の印象があるからまったく乗れなかった。褒めるところがあるとすれば毛振りの毛の動きはまあ綺麗だったかな。

猿之助は貫禄不足で、同じ獅子なら一人で鏡獅子(やらないだろうけど)見たかったなあとか思っちゃった。

おめ2。間狂言はダメダメでした。それこそ腰高で、團子なら許せてもオメは許せ・・・るかw

単に踊りの技術だけでいうなら間狂言の福之助のほうが團子よりずっとずっと上だけど、だからといって猿之助福之助の連獅子じゃ客は熱狂しないのよね。

人気商売って難しい。

追記

連獅子でいちばん感動&注目したのは実は猿之助の後見を勤めていた寿猿。80過ぎてるんじゃないの?髪は黒々と染め(ヅラ?)てるけど、足下大丈夫なのか?差し金使えるのか?

2度見ましたが2度とも無難にこなしておられました。引っ込むまでずっと若若旦那とその甥っ子に目配りしていて、なんかそっちばかり見てしまった。邪道ですね。でも見たい物を見るのも客の特権。

鰯売偽源氏

あらなんか外題違うかも?贔屓の狂言なのにちゃんと覚えてない。だってあまり好きじゃないんだもん。

一度目はその印象のままだったけど、楽はかなり勘三郎色が薄まって、勘九郎の、そして古典の色がだいぶ入った田舎源氏になっていました。うん。個人的にはこっちのほうがずっと好き。ま、この狂言で古典っぽいより、本当の古典をやってほしいのだけどね。

おめ3 博労、けっこう難しい役だと思うけれど良い感じでこなしていました。父親とはまた違うとぼけた味があって、オメちゃんなりに良くなってきてると思う。ってもう50くらいだから当たり前かw

 

というわけでなんだかんだいいながら歌舞伎座夜の部はそれなりに楽しめたかなあ。

そしてそして画像。おかえり!

やっぱり歌舞伎の勘ちゃんが好き。好きな出し物じゃなくても好き。ひひひひ。

 

個人的メモ

 

今月のパス一覧。

2日 浅草(友人の急病に便乗)

3日 歌舞伎座昼後半分(体調不良+あんまり見たくなかった)

13日 サントリーホール成人コンサート(突然行きたくなくなった)

15日 国立劇場(すっかり忘れていた)

年明けから3.5回のパスはなかなかのものですね!さてこの一年どうなることか。

とりあえず行ったものも行かなかったものも、記録だけは続ける覚悟です。

 

 


ぴーぴーぴー

2020-01-23 | kabuki a Tokio

おなかを壊しているわけではありません。いやちょっと壊してるけど。

おめちゃん三連発の歌舞伎座夜の部に対抗して、演舞場昼の部はさとぴーこと左升さん三連発でしたの。座組が薄いから他にも三連発の名題さんや幹部さんいたかもしれないけど、ご贔屓にしか目が行かないので、気づきませんでした。

サトピーも実は三つ目の原爆歌舞伎!では途中で寝てしまった&暗闇が多くて実は出番に気づかなかったという落ち月です。

金閣寺

寝坊して間に合いそうもなかったのでやめちゃおうかと思ったのだけど遅刻したら全部パスしかねないな、と思ったので頑張って出かけたら、開始に間に合った。

結果的に行って良かった。

誰もが期待以上。あ、まあ獅童クンの場合は期待値がめっちゃ低かったかも(汗

孝太郎、初役とは思えない落着いたたたずまいと、ゆったりかつはっきりした台詞回しで、なんか何十回も見ている金閣寺の輪郭が凄くよくわかった。

三階から見たおかげもありw雪姫の哀れさもたっぷりあったし。

大膳の獅童は柄は合ってるし朗々たる台詞の部分はなんとか聞ける。問題は所作と、張ってないときの発声と台詞回し。右團次の久𠮷もニンにあっていて、悪くないがそれ以上の魅力には欠ける。

鬼平太(だっけ?)の國矢が巧い。無駄に巧い。あの役はあまり巧い必要ないんだけどw

結果的に昼の部いちばんはこれだったかなあ。

 

鈴ヶ森

莟玉は綺麗だけど行儀が良すぎてちょっと物足りない権八だった。前半の立ち回りはもっと楽しそうにはじけていいんじゃないか。本当、行儀が良すぎて物足りないところまで義理の?父さんにそっくり。

海老蔵がどんなに怖ろしい長兵衛かと思ったらわりとまともだった。少しずつだけど台詞進歩してる?ただ、顔が怖いのと貫禄不足で、とても関八州?に名高い親分さんにはみえなかった。チンピラ、いくら褒めても若頭くらい。

 

原爆歌舞伎じゃないけど外題忘れたのでそのままで

月が美しかったのと、その場面での児太郎の二の腕がたくましかったのしか覚えがない。

原爆取り合う敵対する二つの家同士のエピソードにロミジュリ的禁じられた恋話を絡めて、というまあ月並みではあるけれど、単純でありっちゃありの話なのだけど。

ウランとかプルトニウムとか生の単語が出てきた時点で萎えた。出さないと客が気づかないとでも思ってるのか。なんか歌舞伎世界を台無しにしてることに気づかない演出家と座頭。まあそんなもんだろうとは思ってたけどね。

演出的にはぶった切られた空間とぶった切られた時間。ただただ平坦に曲芸的立ち回りが繰り返されて。

途中寝てしまったせいもあってか、若者二人の恋話もまったく説得力がなく。勝手に死んでればとしか思わなかった。

白雪姫も相当くだらなかったがこれもまた・・・令和になってまともな新作歌舞伎を見てない気がする。

どっちにも出さされて、本当、児太郎、お疲れ。

お疲れさまなので、児太郎の写真を一枚だけ買った。肉眼で見たときより二の腕がほっそりみえる。


やっぱりでかすぎる

2020-01-21 | spectacles

新派楽見て来ました。

明日の幸福はこぢんまりまとまっていて、小屋(三越劇場)に似合っている。段ちゃんは前半よりずっと落着いたインテリが板についていてよかった。御大二人もそれぞれ、本当にいい味で。役者全員(約一名の姑役の人を除いて)すばらしい。こういうアナクロ現代劇、心配外にやれそうな劇団見当たらないし、これから老人層が出てくれば確実にニーズは上がるので、頑張って欲しい。

 

タイトルは神田祭について。

たった5人+後見しか出てこないのに、狭い。舞台が狭すぎて、踊りを見せる空間が足りない。
旧段春コンビはまことに絵になる。吉野山の雛の件を見たいくらいだ。ちな、他の場面はいらないっすw
その華と、物理的な身体の大きさがこの小屋だとちっとも映えないどころか徒になってる感じ。

客席のおっさんからあれは男なの女なの?と聞かれた。段ちゃんのことではないと思うが、とりあえずどっちも男なので男です、とお答えしておいた。そういう客(招待?)が楽に来てるんだから、まあいろいろ大変だよなあとも思った。

 

 


現状維持なら満足すべきか

2020-01-19 | spectacles

澤田研二新年ライブに今年も行ってきました。NHKホール満員。まずはおめでとうございます。

こっちとしてはほとんど積極的な期待感もなく。もはや諦念と腐れ縁という感じなのでたいして辛口にもならないのですが・・・

とにかくあまり巧いとはいえない、リズム感のない、ギター一本っていう編成だけでもなんとかして欲しい。あとは70過ぎて現状維持してるんだから、文句言っちゃいかんと思いました。

和服の着流しがいちばん似合う衣装だなあ今の体型だと。とも思ったけどやっぱり歌の内容・リズムとは違和感が・・・

ま、たぶんこれ以上書かないと思う

 

一つだけ思い出した追記。ま、悪口ですがw

声質がどうしようもなく汚くなっていて、なまじ声量が凄くて伸ばせるので余計気になった。

歌舞伎にたとえれば芝翫今月の貞任。めっちゃ汚い声でがなり立てられてうんざりした。そういえば

昔は二枚目、今は太っちゃって、ってところとか、似てるかもw

 


おめおめおめ

2020-01-17 | kabukiza

いまさら新年おめでとう、というわけではないです。

 

歌舞伎座夜の部、気づいてみたら三演目に男女蔵出ずっぱり。一年分のおめちゃんを見たようなw

感想は、早く書かなきゃだけど酔っ払ってるのでまたw


年が明けた気がする

2020-01-07 | spectacles

三越劇場で

明日の幸福神田祭by新派見て来ました。

前者はめっちゃアナクロ価値観ながらそれなりに楽しめました。クリコと段ちゃんが夫婦とかいろいろ無理のあるキャスティングは、層の薄い劇団だからしょうがない。孫息子の役をやった栗山クンって人、モデル出身でオスカー所属というわりには昭和な雰囲気が合って(ルイルイに似てるw)新派に向いてるなあと思った。これからもよろしく!

なにより八重子のコメディエンヌぶりが素晴らしかった。咳き込んだり足下よろけたり、は素なんだろうと思うけどそれさえ、かわいらしいおばあちゃんの所作にみえてしまって。

来月の八つ墓村が楽しみだ!

 

後者は、まあ往年の段春コンビの美しさを愛でる感じかな。歌舞伎出身者だけで固めずに新派の女優も入れてもらったら

もっと楽しかったのに、とちょっと思った。

緑屋家紋の首抜き衣装を松竹が仕立ててくれたそうで、また踊るチャンスがあるかも、と段ちゃんがトークショーで嬉しそうだった。

 

両方とも他愛ないっちゃ他愛ない内容なんだけど、初春らしい、ふわっとした気持ちに観劇三回目にしてようやくなれた、といったところかな。

新派ありがとう。頑張れ!

画像は初日?の鏡開き。ワタクシは参加しておりません。


初歌舞伎も中途半端で・・・

2020-01-03 | kabukiza

歌舞伎座二日目。勘ちゃん歌舞伎座復帰ゆえ、とりあえず早めに見ようと思ったのでね。あっちもこっちも中途半端だったw

醍醐の花見

何が嬉しかったって、勘九郎鷹之資種之助102030代(大ちゃんもう20歳過ぎてるかも)を代表する若手踊り手が並んでたこと。

ま、期待したほど絡みも見せ場もなかったので結局がっかりだったのですけどね。

これ、醍醐の花見というシチュエーションだけ生かして何やってもいいんだから、いっそのこと上記三人を猿楽の踊り手かなにかにして、花見に呼んで踊らせるという趣向にして、がっつり三人の踊りが見たかったです。

 

袖萩

やっぱりこの芝居は一人の役者が兼ねたほうが面白いし感動も大きいと思う。芝翫女形悪くないのだから、二役やればよかったのに。三味線がまったくできないのかな。ジャッキーの三味線もなかなかの(酷い)ものだったが。浅草で勘ちゃんがやったときも三味線が・・・と思ったがあれはマシな方だったw

その勘ちゃんの宗任、荒事のお手本みたいで悪くはないのだけど、なんか感動はできなかった。貞任ががらがら声でダメダメだったせいかしらん。東蔵さんは当たり前として、七之助の義家が良かった!あと一息大きさを感じさせてくれたら完璧だったけどね。出てきたときなんで梅玉さんじゃないんだよ!とグレかけたのを食い止める程度にはよかった、と言っておこう。

 

というわけで無事勘ちゃんの昼の部出演分を見届けて帰ってきちゃいました。

なんか年末から壊れてる胃腸がまたぶり返した感じで。ちょっとよくなるとこりもせずにガンガン飲むのがいけないと、わかってます。反省(反省だけなら猿でもする)

後の二つ(播磨屋の素襖落と高麗屋の河内山)は見なくてももう見たような気になってるしさwしかし、播磨屋が袖萩やって、芝翫が素襖落としのほうが断然質は良くなったと思うけど。

もう新春早々いろいろダメダメで申し訳ありません。とりあえず個人的記録なんで、何も盛らずに書いております!


新年初パス

2020-01-02 | monologue

新春初歌舞伎は浅草から・・・これは勘太郎時代からの慣例でしたが・・・

今年、浅草支局員が発熱のため、10年以上の歴史に幕を閉じました。って、チケット取ってたんだからわたし一人で行けばよかったんですがね。

銀座線の工事中での迂回作戦決行してまで浅草の人混みに突っ込んでいく根性がなかった。何しろ歌舞伎を見たいわけではもうすでになくなっているわけで。誰が一人で松也の大星や米吉のおかるが見たいもんか!みっくんの平右衛門だけはちょっと見たかったかな?

一年の計は元旦にありじゃなくて、一年の癖は二日にあり、って感じでしょうか。ったくねぇ。

 

今年のこのブログは舞台の感想よりパスしました報告のほうが多くなったりして(汗9。

画像はテレビから頂戴した、ダブルダイヤモンド富士。けっこう素敵でした。

 

そんな訳ですっかり怠惰が染みついた歌舞伎&演劇感想ブログですが、一応細々とは続けてますんで気が向いたら生存確認のつもりで覗いてみてくださいませませ。